先日ご案内したテレビ番組<甲子園ホテルの想い出~二人の天才建築家、遠藤新とF.L.ライト>はご覧になりましたか。
甲子園ホテル1甲子園ホテル2


亭主はテレビがないので、スタッフに業務命令を出し、録画してもらいましたが、なぜかわからんが亭主のパソコンでは見られない。ただいま調整中です。

桝田和三郎氏撮影の貴重な映像情報を提供してくださった子息の桝田さんから追伸が入りましたので、ご紹介します。
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神戸の桝田輝郎です。

今夜のBS朝日の番組みは如何でしたか?

以下、本件に係るtriviaを少しご披露します。

1)  ライトは浮世絵蒐集でも有名で、度々来日し多額の金額を投じ蒐集し、一説には高額な帝国ホテルの設計費報酬のいく倍も上回る金額を投じたが、彼が蒐集したかなりの浮世絵作品がすぐに変色した為、科学的調査を学者に依頼結果、ニセモノと判定され怒った彼は作品を売りつけた丸の内の浮世絵商をホテルの一室に閉じ込め、拳銃を突きつけ白状させ、日本で裁判沙汰となったが、当事者がライトに賠償し、一件落着となった由。
(出典:日経新聞 昭和33年5月9日及び、ある浮世絵師の遺産 高見澤たか子著 )

2) 小生が蒐集した戦前の甲子園ホテルの絵葉書(といってもたったよ4枚)の表の切手添付欄には"ALL ROADS LEAD TO THE KOSHIEN HOTEL"と印刷されており、ラテン語格言のもじりを
利用するという多分、林愛作支配人の洒落た細工と推測します。

3) 1935年4月に神戸入りし、武庫離宮(現・神戸市須磨離宮公園)に宿泊したラストエンペラーの満州国皇帝・溥儀さん達のお供の一行は甲子園ホテルに宿泊した由。 
父は自宅前を通過する皇帝の車列を須磨・離宮道の自宅2階から撮影予定していたが、直前に憲兵隊に家捜しされ(恐らく我が家のみではなく近所全てが対象だったと推測)車列撮影を諦めたが、前日?の皇帝歓迎提灯行列はしっかり撮影している。

4)今回の父の映像はほんのちょっぴりでしたが、実は当時(1935年頃)父はUSA Eastman Kodak社から発売されたばかりの16mm コダクロームフイルムとモノクロフイルムの両方を準備し甲子園ホテルで開催された撮影会(多分、Kodak Japan社又は小西六社(現コニカ・ミノルタ社)の主催と推定)に臨んで撮影したもので、自身で“五月の夢”とタイトルを付けモデルさん達を演出?した約4分半のパートカラー作品からの抜粋でした。

以上、お付き合い頂き有難うございました。

桝田輝郎
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