作家であり美術評論家の谷川晃一さんの雑貨コレクションと作品を展示した「これっていいね 雑貨主義展」が、静岡県にある大岡信ことば館で開催されています。

20140209これっていいね雑貨主義展 表


谷川晃一・雑貨コレクション&作品展示
「これっていいね 雑貨主義 展」

会期:2014年2月9日(日)~2014年6月1日(日)
会場:大岡信ことば館
時間:10:00~17:00(入館は閉館時間の30分前まで)※毎月第3金曜日は午後7時まで開館延長
休館:月曜日(月曜が祝日の場合は開館し、翌日休館)

「雑貨主義」とは・・・
フェティシズムである。もの好きである。だが、物質主義ではない。
美学である。そして芸術であっても、芸術でなくても良い。
オブジェである。漂流物かもしれない。発見するものである。玉石混淆である。
だが、分節化は拒否する。向日性である。太陽と海と緑と風を好む。
新たな思想の磁場である。先端の思想である。聖民俗学である。

フェミニズムである。ヒッピーカルチャーが起源でもある。カウンターカルチャーである。拡張した女性空間のオブジェである。
軸足は日常である。ブリコラージュである。遭遇するものである。一点主義である。偏在し、散在している。

“私”である。好き嫌いを判断基準にする。無用か実用を問わない。カウンターカルチャーである。拡張した女性空間のオブジェである。
義である。遊ぶ心である。ささやかなカーニバル空間である。心地よい暮らしの証明である。

“主”にはならない。“それ以外のもの”“その他のもの”である。
規格の他、法則の外にある。逸脱である。有用無用を問わない、アナキズムである。タオである。
無くても良い、だがあった方が良い。
(同展HPより)

また、展覧会と同名の本も刊行されました。
これっていいね雑貨主義谷川晃一
『これっていいね 雑貨主義』
2014年
平凡社 発行
12.9x16.7cm
128ページ


作る、集める、飾る。器、おもちゃ、お面、切手、ラベルなどなど、谷川さんが長年楽しんできた膨大な雑貨コレクションを紹介し、雑貨のある生活を語ります。
コーヒーショップでもらう紙袋やキャンディの空き缶など、無用か実用かは関係なく、谷川さんが「好き」になったものが集められ、それを眺めているだけでなんだかとても楽しそうです。

■谷川晃一(たにかわ・こういち)
画家・美術評論家。1938年東京に生まれる。中学2年で画家を志す。以来さまざまな副業につきながらも独学による制作を続ける。 デビューは読売アンデパンダン展。1968年より批評活動を開始して、美術にプロ・アマの違いはない、美術は常に生活とともにあるべきなど、 その在り方や根拠をめぐって強力な論陣をはってきた。1988年に伊豆高原へ転居。2008年、画家・エッセイストの妻、宮迫千鶴を喪う。 伊豆高原では作品にも海や樹木や鳥などの要素を加えて、「陽光礼讃」への傾向を顕著にしてきた。さらに自身の芸術思想の実践として 「伊豆高原アートフェスティバル」を立ち上げ、以来20年を超えて各回動員数5万人を誇る文化イベントを成功させてきた。2013年春、 雑貨論を書きはじめる。最大のヒントになったことは「伊豆高原アートフェスティバル」を長年観察してきて、その原動力になっているのは 女性たちの雑貨への情熱であることに気づいたことであった。2011年、回顧的個展開催(三鷹市美術ギャラリー)。 著書に『アール・ポップの時代』(1979年・皓星社)、『今日の美術とサブカルチャー』(1984年・国文社)、『毒曜日のギャラリー』 (1985年・リブロポート)、『絵はだれでも描ける』(2003年・NHK出版)、『草色のギャラリー』(2010年・みすず書房)などがある。 近年の『句集 地名傷』(2012年・南庭工房)や絵本『サカサあそび オカのカオ』(2012年・童心社)などでは、ますますとらわれの ない逸脱的で超越的な精神の境地を示している。

●亭主が昔エディションした谷川晃一さんのシルクスクリーンをご紹介します。
谷川晃一
谷川晃一
「M市の男」
1981年
シルクスクリーン
10×10cm
Ed.500 singed

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本日のウォーホル語録

「ぼくは都会の人間だ。大都会ににいても、公園に行けば、田舎の風景のミニチュア版を味わえるけれども、田舎にいると、大都会のような所がなくて、ホームシックに陥ってしまう。ぼくが、田舎より都会の好きなもうひとつの理由は、田舎では、くつろぐ方が自然だけれども、都会では、何もかもが、仕事と噛み合っているからだ。ぼくはリラックスするより、働いている方が好きだ。都会では、木一本でさえ、人口が多いために、酸素と葉緑素をせっせと作りだすのに大忙しなんだからね。もしカナダに住んでいるのだったら、人ひとりに、木が何万本のような割合だから、木はハードに仕事する必要はない。タイムズ・スクエアの街路樹ときたら、何万という人々のために、酸素を作りださなきゃならない。木も良くご存知だ――木々を見てごらん。
―アンディ・ウォーホル」


ときの忘れものでは4月19日~5月6日の会期で「わが友ウォーホル」展を開催しますが、それに向けて、1988年に全国を巡回した『ポップ・アートの神話 アンディ・ウォーホル展』図録から“ウォーホル語録”をご紹介して行きます。
アンディ・ウォーホル『ポップ・アートの神話 アンディ・ウォーホル展』図録
1988年
30.0x30.0cm
56ページ
図版:114点収録
価格:3,150円(税込)※送料別途250円

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