野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第1回
少しは強くなれました
箔画の野口琢郎です。
今年も秋にアートフェア、12月に個展でときの忘れものさんにお世話になります。
作家として活動を始めて13年程になりますが、初めは打たれ弱く、自分が何を作りたいのか、どうしていきたいのかもよく解らず、四代も続いていた西陣の家業を諦めたからこそ、作家で何とか家を守っていかなければというプレッシャーも強くありました。
でも、年を重ねる内に、たくさんの皆さんのお力を借り、家族や色々な人に支えてもらって、何とかこれでやっていけるという所まで来て、迷いが消え自分はこれで生きていくのだという覚悟ができたのかと思っています。
作品制作は毎年何か新たなものを生み出したいと努力しながらも、何もイメージも浮かばずにドドーンと落ちる時はありますが、
今までギリギリセーフでも何とかやってこれたという経験と、自分にしか解らないような進化でも毎年感じる事ができているので、何とかなる!と思えるようになりました。
あと、一年程前まで、籠って追い込んで制作して展覧会が終わると「燃え尽き期間」と呼んでいた無気力時期がよく来ていましたが、
ある時友人に、「お前の言う燃え尽き期間って、結局休みたいだけちゃうんか」と言われ目が覚めました。
自分は十分頑張ったのだから休みたい、だから勝手に「燃え尽き期間」だからと甘えて自らブレーカーを落としていたのだと気が付き、持つべきものは友だなと感謝しました。
今でも追い込んで展覧会が終わると少し疲れが出て、また自分を奮いたたせるのに少し時間がかかる事はありますが、昔のように自らブレーカーを落とす事は無く、かなりコントロールできるようになりました。
今年後半から来年の春にかけてハードな展示スケジュールですが、厳しい=大きなチャンス、全ての展示で最善を尽くします。
どうぞよろしくお願い致します。



画像は2014年作「I remember」(45×90cm)、先日行った沖縄旅で見た夕暮れと着色体験したシーサーです。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●野口琢郎作品のご紹介です

野口琢郎
「Azure」
2008年
箔画(木パネルに漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂)
65.2x140.0cm
サインあり
◆新連載・野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
少しは強くなれました
箔画の野口琢郎です。
今年も秋にアートフェア、12月に個展でときの忘れものさんにお世話になります。
作家として活動を始めて13年程になりますが、初めは打たれ弱く、自分が何を作りたいのか、どうしていきたいのかもよく解らず、四代も続いていた西陣の家業を諦めたからこそ、作家で何とか家を守っていかなければというプレッシャーも強くありました。
でも、年を重ねる内に、たくさんの皆さんのお力を借り、家族や色々な人に支えてもらって、何とかこれでやっていけるという所まで来て、迷いが消え自分はこれで生きていくのだという覚悟ができたのかと思っています。
作品制作は毎年何か新たなものを生み出したいと努力しながらも、何もイメージも浮かばずにドドーンと落ちる時はありますが、
今までギリギリセーフでも何とかやってこれたという経験と、自分にしか解らないような進化でも毎年感じる事ができているので、何とかなる!と思えるようになりました。
あと、一年程前まで、籠って追い込んで制作して展覧会が終わると「燃え尽き期間」と呼んでいた無気力時期がよく来ていましたが、
ある時友人に、「お前の言う燃え尽き期間って、結局休みたいだけちゃうんか」と言われ目が覚めました。
自分は十分頑張ったのだから休みたい、だから勝手に「燃え尽き期間」だからと甘えて自らブレーカーを落としていたのだと気が付き、持つべきものは友だなと感謝しました。
今でも追い込んで展覧会が終わると少し疲れが出て、また自分を奮いたたせるのに少し時間がかかる事はありますが、昔のように自らブレーカーを落とす事は無く、かなりコントロールできるようになりました。
今年後半から来年の春にかけてハードな展示スケジュールですが、厳しい=大きなチャンス、全ての展示で最善を尽くします。
どうぞよろしくお願い致します。



画像は2014年作「I remember」(45×90cm)、先日行った沖縄旅で見た夕暮れと着色体験したシーサーです。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●野口琢郎作品のご紹介です

野口琢郎
「Azure」
2008年
箔画(木パネルに漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂)
65.2x140.0cm
サインあり
◆新連載・野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
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