Simon YOTSUYA writes on "Tamiko NISHIMURA Photo Exhibition Existence - Situation Theater 1968-69"
「実存 1968-69 状況劇場」
四谷シモン
68年、69年、『由比正雪』、『腰巻きお仙振袖火事』の時代は、世界中の若者の文化の一つとして、アンダーグラウンドの時代が到来していたんです。あらゆる物の価値観、たとえば、美術、演劇、政治的な事においても変革の時が来ていたと思います。その時代にちょうど青春とぶつかり合い、ある種の中心、台風の眼の位置にあった当時の状況劇場と、僕は運命的な出会いをしたんです。
唐十郎との出会いは、偶然友人が芝居に出る本番の日に、僕は芝居のしの字も知らなかったけれど、楽屋を訪ねてぼーっと見てたら、色白のぽっちゃりとした感じの人が近づいて来て、「申し訳ないが、このピンを私の髪の毛に打ってくれないか」って言ってきたんです。「ピンですか、いいですよ」と見ると手のひらにヘアピンが黒々と山のようにあるんです。僕は「エッ全部つけるんですか」と聞きました。ヘアピンをこんなに付けるなんて変だ、ただ事じゃない。僕はこの変な感じの人に会いたかったのかと、運命の出会いを心から感じてショックを受けたんです。
それから何十年という友情が僕と唐十郎の間で生まれました。状況劇場は、あの時代の演劇界において象徴的な存在でした。芝居とは劇場、小屋でやるものですが、日本の芝居そのものが、本来的に言えば河原から始まった。地べたで土ぼこりのするそこから、ある種の原初的な所から始まったということです。唐十郎の演出は、演じる役者の核について、麿赤児や、大久保鷹、それぞれをイメージしながら、当て書きをしていました。
『由比正雪』という芝居では、花園神社にテントを作りました。新宿西口公園のトラック劇場はかなり狭いところでしたし、もう本当に不可能ではないかということばかりやっていました。社会からみても、新聞の三面記事に載ったり、若者の心情に火をつけたり、全てがひとつのスキャンダラスな出来事でした。僕は元々役者志望ではなかったし、芝居なんかわかんない。そういう人間ではないのに、何故かああいう事ができてしまったんです。
よつやしもん(人形作家)
*『1968 - 69 状況劇場 実存』西村多美子写真集(グラフィカ編集室刊)より転載
*一部及び全体の無断転載引用を禁ずる
●「西村多美子写真展 実存―状況劇場1968-69」より、出品作品を順次ご紹介します。
出品作品の価格はコチラをご参照ください。
出品No.19)
西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(2)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.20)
西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(3)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.21)
西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(4)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.22)
西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(5)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.23)
西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(6)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.24)
西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(7)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものは2015年4月24日[金]―5月9日[土]「西村多美子写真展 実存―状況劇場1968-69」を開催しています(*会期中無休)。
昨年に続き第2回となる今回展もZEN FOTO GALLERYと同時開催とし、ときの忘れものでは1968-69年にかけてアングラ劇団「状況劇場」に毎週のように通い、唐十郎や麿赤児、四谷シモンなどの舞台を撮影した〈実存〉シリーズを展示します。
ZEN FOTO GALLERYでは〈猫が…〉をご覧いただきます。
●ギャラリートークのご案内
5月8日(金)18時より、ときの忘れものにて西村多美子さんと金子隆一さん(日本の写真評論家、写真史家、写真集コレクター)によるギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
※必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申込ください。
E-mail. info@tokinowasuremono.com
「実存 1968-69 状況劇場」
四谷シモン
68年、69年、『由比正雪』、『腰巻きお仙振袖火事』の時代は、世界中の若者の文化の一つとして、アンダーグラウンドの時代が到来していたんです。あらゆる物の価値観、たとえば、美術、演劇、政治的な事においても変革の時が来ていたと思います。その時代にちょうど青春とぶつかり合い、ある種の中心、台風の眼の位置にあった当時の状況劇場と、僕は運命的な出会いをしたんです。
唐十郎との出会いは、偶然友人が芝居に出る本番の日に、僕は芝居のしの字も知らなかったけれど、楽屋を訪ねてぼーっと見てたら、色白のぽっちゃりとした感じの人が近づいて来て、「申し訳ないが、このピンを私の髪の毛に打ってくれないか」って言ってきたんです。「ピンですか、いいですよ」と見ると手のひらにヘアピンが黒々と山のようにあるんです。僕は「エッ全部つけるんですか」と聞きました。ヘアピンをこんなに付けるなんて変だ、ただ事じゃない。僕はこの変な感じの人に会いたかったのかと、運命の出会いを心から感じてショックを受けたんです。
それから何十年という友情が僕と唐十郎の間で生まれました。状況劇場は、あの時代の演劇界において象徴的な存在でした。芝居とは劇場、小屋でやるものですが、日本の芝居そのものが、本来的に言えば河原から始まった。地べたで土ぼこりのするそこから、ある種の原初的な所から始まったということです。唐十郎の演出は、演じる役者の核について、麿赤児や、大久保鷹、それぞれをイメージしながら、当て書きをしていました。
『由比正雪』という芝居では、花園神社にテントを作りました。新宿西口公園のトラック劇場はかなり狭いところでしたし、もう本当に不可能ではないかということばかりやっていました。社会からみても、新聞の三面記事に載ったり、若者の心情に火をつけたり、全てがひとつのスキャンダラスな出来事でした。僕は元々役者志望ではなかったし、芝居なんかわかんない。そういう人間ではないのに、何故かああいう事ができてしまったんです。
よつやしもん(人形作家)
*『1968 - 69 状況劇場 実存』西村多美子写真集(グラフィカ編集室刊)より転載
*一部及び全体の無断転載引用を禁ずる
●「西村多美子写真展 実存―状況劇場1968-69」より、出品作品を順次ご紹介します。
出品作品の価格はコチラをご参照ください。
出品No.19)西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(2)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.20)西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(3)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.21)西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(4)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.22)西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(5)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.23)西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(6)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
出品No.24)西村多美子
「由比正雪 1968.06.02 明大和泉校舎」(7)
1968(Printed later)
Gelatin Silver Print / RC paper
Image size : 24.0x15.7cm
Sheet size : 25.4x20.3cm(六つ切り)
Ed.5 サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものは2015年4月24日[金]―5月9日[土]「西村多美子写真展 実存―状況劇場1968-69」を開催しています(*会期中無休)。
昨年に続き第2回となる今回展もZEN FOTO GALLERYと同時開催とし、ときの忘れものでは1968-69年にかけてアングラ劇団「状況劇場」に毎週のように通い、唐十郎や麿赤児、四谷シモンなどの舞台を撮影した〈実存〉シリーズを展示します。ZEN FOTO GALLERYでは〈猫が…〉をご覧いただきます。
●ギャラリートークのご案内
5月8日(金)18時より、ときの忘れものにて西村多美子さんと金子隆一さん(日本の写真評論家、写真史家、写真集コレクター)によるギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
※必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申込ください。
E-mail. info@tokinowasuremono.com
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