ソウル発:スタッフSのKIAF/15レポート その2

読者の皆様こんにちわ。スタッフSこと新澤による今更ながらのKIAF/15レポートの第二信をお送りします。
(第一信はコチラ)
結論から言いまして、今回のフェア参加は中々の成果でした。
会場の一番奥という立地の心配をしていたのが馬鹿らしくなるほどの来客数に恵まれ、初日のプレビューで草間彌生が売約となったことを皮切りに、安藤忠雄、ナム・ジュン・パイク、秋葉シスイと野口琢郎の作品も次々と売約となり、サンタフェでの雪辱は果たせたのではないかと思います。
開場初日に売約となった草間彌生のかわりに別の版画作品を架け替え。
こちらも後日売約となり、草間作品は無事完売となりました。
今回のKIAFでは事務局が事前のプロモーションに大分力を入れており、三連休も重なったおかげで最後の三日は連日入口に長蛇の列ができるほど。会場内のツアーも企画されており、幾度となく案内人がブースにお客様を連れてきては作品と作家について説明していました。もっとも全てハングル語だったので自分には何を言っているかサッパリでしたが。
週末のエントランス風景。
列の終わりが見えない盛況ぶりでした。
会場内ツアー風景
賑やかな会場で説明を聞き逃さないよう、ガイドのマイク音声を拾えるイヤホンが用意されている周到っぷり。
お世話になっている現地の画廊曰く、近年の韓国ではミニマリズムが流行しているそうで、言われてみればシンプルな作品が多いように見受けられました。同時に、コンテンポラリのみならず、李禹煥やナム・ジュン・パイク、シャガールやミロなどの作品も年を追うごとに増えてきているように見えました。美術の流行り廃りを見通すということは、まだまだ自分には難しいです。













草間の版画作品《朝が来た》シリーズが二度に渡って注文をキャンセルされてしまい、変なジンクスが付いたらどうしようなどという阿保な心配もしましたが、三度目の正直で無事に売約となり(二度あることは三度あるではなくて一安心)、帰りの木箱の隙間をどのように埋めれば良いかという嬉しい悩みで終わることができました。
始まる前はどうなることかとハラハラしておりましたが、終わってみれば作品はコンスタントに売れ、その処理で適度に慌ただしく、一日の終わりには美味しい御飯に舌鼓を打つという、充実した日々でございました。
次のアートフェアは来年1月のART STAGE SINGAPOREですが、こちらも今回のように成功できるよう、頑張っていきたいと思います。
それでは、最後は恒例(?)の新澤セレクションによるKIAF/15出展作品のご紹介で締めさせていただきます。
SINMI GALLERY
Lee Hwa Jeon
"My pond"
色調を変えるのではなく、額の中に複数の薄紙を重ねることで深さを表現した作品。
相変わらず、こういったチョコチョコしたギミックが大好きな自分です。

GALLERY MEE
Moo Gil Woo
"Dencity 201501"
この写真だと大きさが分かりにくいですが、一つあたり高さ2m、幅1mある大作です。
韓紙を使って、文字通り密度のある街を作り出しています。

KUKJE GALLERY
Tracey Emin
"Holding y Face"
墨で書かれた大作かと思いきや、寄って見てみるとキャラコを組み合わせた巨大(幅2m以上)な刺繍作品。
Tracey Emin
"A Small Amouhnt of Excitement"
こちらは通常サイズのガッシュ作品。
BON GALLERY
KIM, Nam Yong
"The difference 1424"
平面的な寄木細工の作品なのですが、素材のテクスチャを利用することで奥行きがあるように錯覚させる作品。
よく見てみると必ずしもテクスチャが正確に噛み合っているわけではないのですが、ちゃんと奥行きを誤認できる辺り、人間の認識のファジーさがよく分かります。
GALLERY JINSUN
作家名不明
"Time"
傍目にはコンクリートを削りだして作ったオブジェのように見えますが、近寄って見ると材質はなんと紙。

上記の作品と同じ作者による壁掛け作品。
こちらは錆びた金属のように見えますが、これも100%紙製。

PEARL LAM GALLERIES
Ren Ri
" Yuansu Series II #6-27"
個人的な今回一推し作品。
蜂の生態に通じた作家が女王蜂のポジショニングとアクリルのキューブを回転させることによって完成する、なんともユニークなコラボレーション(?)作品。
全体の形は歪ながら、最小単位となるハニカム構造は均一。測りもなしにこんな構造を作り出せることに、生命の不思議を感じずにはいられません。
LEEAHN GALLERY
作家名不明
"Campus Paradise"
自他に認めるオタクな自分ですが、逆にオタクだからこそ慣れ親しんだものが美術と評価されていることに違和感を感じたり。
この作品、194×162cmの大作なのですが、何が驚愕ってこの作品に赤丸シールが貼ってあったことが今回一番の衝撃でした。誰がどこに飾るんだこの作品…
(しんざわ ゆう)

読者の皆様こんにちわ。スタッフSこと新澤による今更ながらのKIAF/15レポートの第二信をお送りします。
(第一信はコチラ)
結論から言いまして、今回のフェア参加は中々の成果でした。
会場の一番奥という立地の心配をしていたのが馬鹿らしくなるほどの来客数に恵まれ、初日のプレビューで草間彌生が売約となったことを皮切りに、安藤忠雄、ナム・ジュン・パイク、秋葉シスイと野口琢郎の作品も次々と売約となり、サンタフェでの雪辱は果たせたのではないかと思います。
開場初日に売約となった草間彌生のかわりに別の版画作品を架け替え。こちらも後日売約となり、草間作品は無事完売となりました。
今回のKIAFでは事務局が事前のプロモーションに大分力を入れており、三連休も重なったおかげで最後の三日は連日入口に長蛇の列ができるほど。会場内のツアーも企画されており、幾度となく案内人がブースにお客様を連れてきては作品と作家について説明していました。もっとも全てハングル語だったので自分には何を言っているかサッパリでしたが。
週末のエントランス風景。列の終わりが見えない盛況ぶりでした。
会場内ツアー風景賑やかな会場で説明を聞き逃さないよう、ガイドのマイク音声を拾えるイヤホンが用意されている周到っぷり。
お世話になっている現地の画廊曰く、近年の韓国ではミニマリズムが流行しているそうで、言われてみればシンプルな作品が多いように見受けられました。同時に、コンテンポラリのみならず、李禹煥やナム・ジュン・パイク、シャガールやミロなどの作品も年を追うごとに増えてきているように見えました。美術の流行り廃りを見通すということは、まだまだ自分には難しいです。













草間の版画作品《朝が来た》シリーズが二度に渡って注文をキャンセルされてしまい、変なジンクスが付いたらどうしようなどという阿保な心配もしましたが、三度目の正直で無事に売約となり(二度あることは三度あるではなくて一安心)、帰りの木箱の隙間をどのように埋めれば良いかという嬉しい悩みで終わることができました。
始まる前はどうなることかとハラハラしておりましたが、終わってみれば作品はコンスタントに売れ、その処理で適度に慌ただしく、一日の終わりには美味しい御飯に舌鼓を打つという、充実した日々でございました。
次のアートフェアは来年1月のART STAGE SINGAPOREですが、こちらも今回のように成功できるよう、頑張っていきたいと思います。
それでは、最後は恒例(?)の新澤セレクションによるKIAF/15出展作品のご紹介で締めさせていただきます。
SINMI GALLERY
Lee Hwa Jeon"My pond"
色調を変えるのではなく、額の中に複数の薄紙を重ねることで深さを表現した作品。
相変わらず、こういったチョコチョコしたギミックが大好きな自分です。

GALLERY MEE
Moo Gil Woo"Dencity 201501"
この写真だと大きさが分かりにくいですが、一つあたり高さ2m、幅1mある大作です。
韓紙を使って、文字通り密度のある街を作り出しています。

KUKJE GALLERY
Tracey Emin"Holding y Face"
墨で書かれた大作かと思いきや、寄って見てみるとキャラコを組み合わせた巨大(幅2m以上)な刺繍作品。
Tracey Emin"A Small Amouhnt of Excitement"
こちらは通常サイズのガッシュ作品。
BON GALLERY
KIM, Nam Yong"The difference 1424"
平面的な寄木細工の作品なのですが、素材のテクスチャを利用することで奥行きがあるように錯覚させる作品。
よく見てみると必ずしもテクスチャが正確に噛み合っているわけではないのですが、ちゃんと奥行きを誤認できる辺り、人間の認識のファジーさがよく分かります。GALLERY JINSUN
作家名不明"Time"
傍目にはコンクリートを削りだして作ったオブジェのように見えますが、近寄って見ると材質はなんと紙。

上記の作品と同じ作者による壁掛け作品。こちらは錆びた金属のように見えますが、これも100%紙製。

PEARL LAM GALLERIES
Ren Ri" Yuansu Series II #6-27"
個人的な今回一推し作品。
蜂の生態に通じた作家が女王蜂のポジショニングとアクリルのキューブを回転させることによって完成する、なんともユニークなコラボレーション(?)作品。
全体の形は歪ながら、最小単位となるハニカム構造は均一。測りもなしにこんな構造を作り出せることに、生命の不思議を感じずにはいられません。LEEAHN GALLERY
作家名不明"Campus Paradise"
自他に認めるオタクな自分ですが、逆にオタクだからこそ慣れ親しんだものが美術と評価されていることに違和感を感じたり。
この作品、194×162cmの大作なのですが、何が驚愕ってこの作品に赤丸シールが貼ってあったことが今回一番の衝撃でした。誰がどこに飾るんだこの作品…
(しんざわ ゆう)
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