スタッフSの海外ネットサーフィン No.38「Electronic Superhighway (2016-1966)」

Whitechapel Gallery


読者の皆様こんにちわ、ようやく春の陽気が感じられるようなったと思いきや、雨の間に間に初夏の日差しが肌を焼く今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。妙な蒸し暑さに家の外に出ている間は汗をかき通しなスタッフSこと新澤です。

20160426_wcg今回話題に挙げさせていただくのは、英国、ロンドンにあるWhitechapel Gallery(ホワイトチャペルギャラリー)です。1901年に開館したこのギャラリーは、公営美術館の先駆けの一つであり、現在も英国の近現代美術を牽引しつづける代表的なギャラリーの一つでもあります。1938年にピカソ、50年代から60年代にかけてはジャクソン・ポロックやマーク・ロスコの個展を開催し、現在は若手から巨匠の回顧展まで、常時複数の展覧会を開催する傍ら、ワークショップ、教育普及活動、美術ライターのレジデンス・プログラムなど、展示以外の活動も数多く主催しています。ちなみに名前こそホワイトチャペルを冠していますが、最寄り駅はその隣のアルドゲート・イーストだったりします。(左の画像を見ると、ギャラリーエントランスのすぐ隣がアルドゲート・イースト駅の入口です)

20160426_paik
Nam June Paik, "Internet Dream" (1994), video sculpture, 287 x 380 x 80 cm
ZKM | Collection c (2008) ZKM
Center for Art and Media Karlsruhe, Photo: Steffen Harms

そんな千葉にあるのに東京と名前に入っている夢の国のような事実はさておき、現在開催されている企画展の中から紹介するのは「Electronic Superhighway (2016-1966)」。今年の1月29日から始まり、来月の15日までまで開催しています。入場料は例によって寄付金の有と無しがあり、一般入場の寄付有りがGBP 13.50-(約¥2,200-)で、寄付無しがGBP 11.95-(約¥2,000-)。16歳以下は無料となっています。企画の名前である程度見当が付くかもしれませんが、今展覧会では、1960年代から今日までのテクノロジーを反映した作品を展示しています。その数実に100以上。ときの忘れものでも扱っており、来月ART BUSANでも出品するナム・ジュン・パイクを始め、50年の時の中から70名を超える作家の作品が出展されています。今展のタイトルである「Electronic Superhighway」も、パイクが1974年に造った言葉です。

通常こういった企画はその始まりから現在に至るまでを順に展示しますが、今回の企画展では最新から最古に遡る形で設営されており、映像、絵画、彫刻、写真、ドローイングを通して、新世紀のマルチメディアアートが1966年のExperiments in Art and Technology (E.A.T)からどのように至ったのかを遡って見ていくことができます。

以下の動画では展示作品の一部と、出展作家のリストを見ることができます。


(しんざわ ゆう)

Whitechapel Gallery 公式サイト(英語)
展覧会紹介ページ(英語)

●今日のお勧め作品は、ナム・ジュン・パイクです。
《作品》ナム・ジュン・パイク
《作品》

1996年
キャンバス・油彩
イメージサイズ:51.0x58.5cm
キャンバスサイズ:60.8x76.2cm
筆サインあり


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 ・「現代版画センターの記録」は随時更新します。
今までのバックナンバーの一部はホームページに転載しています。

●ときの忘れものは連休明けの5月10日から、オクヤナオミの個展を開催します。
OKUYA_DM_1200
オクヤナオミ展
会期:2016年5月10日(火)~5月28日(土)
*日・月・祝日休廊
本展では、パリ時代の油彩6点を中心にご覧頂きます。
同時期にアートフェア東京とアート釜山にも出展しますが、画廊は通常通り営業していますので、どうぞお出かけください。
(画面をクリックすると拡大します)

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