今日の夕方はときの忘れものに。現在開催中なのはオクヤナオミ氏の個展。1930年生まれで、1965年から1982年までパリに住んで制作活動をしていた作家さんだそう。
 作品はいずれも平面作品で、幾何学図形を少ない色数で塗り分けるシンプルなもの。塗り面は特に筆跡などが強調されているわけでもない。ごくシンプルでモダンな作品のはずなのに、見ていて何故か心がざわざわする。何というか、大きく引き延ばした昆虫の写真を見ているような、というか、古代の宗教遺跡を見ているような、というか、自分の知らないルールに基づく存在を目の前に突きつけられている感じ。シンプルな幾何学図形ではっきりした色使いという面ではドイツや北欧のデザインと変わらないはずなのに、こんなに印象が違うのは何故だろう。
 今日はご主人が在廊でいろいろなお話を伺うことができた。出展者から見たアートフェア東京の裏話や、世界のアートシーンが大規模アートフェアを中心としたものに急速に変わってきているという話。いつも本当にありがたく、勉強になる。

(林光一郎さんのLuv Pop TYO (Pop U NYC跡地)より)
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5月10日に静かに始まったオクヤナオミ展、28日に静かに幕を閉じました。
ご来場のみなさん、作品をお買い上げいただいたお客様には心より御礼を申し上げます。

亭主はあいにく最終日には群馬県伊勢崎まで出かけ故S先生の遺品の整理のお手伝い、昨日は木場の東京都現代美術館のコレクション展へ。今日は朝から倉庫で次回企画のための「南画廊」関連作品と資料の探索作業。
このところリハビリ中心で引きこもりがちだったのですがようやく活動再開、年寄りの冷や水にならぬよう、慎重に社会復帰を目指しております。

ところで上野の山の若冲展はたいへんな騒ぎでした。
常連のUさんに「ワタヌキさんに券をもらったけれど、あんなに並ばなきゃいけないのじゃ見られないよ」と嘆かれました。
同じ上野のこちらは上野の森美術館で「ブータン しあわせに生きるためのヒント」展がはじまりました。

20160521ブータン展20160521ブータン展 裏
「ブータン しあわせに生きるためのヒント」展
会期:5月21日[土]~7月18日[月]
会場:上野の森美術館
   〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2
時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)

本展は、日本・ブータン外交関係樹立30周年記念事業として開催されるもので、「ブータン王国国立博物館」、「ブータン王立織物博物館」、「ブータン王立テキスタイルアカデミー」の全面協力により、各施設に所蔵されているブータン仏教に関する仏像、仏画(掛軸)、法典、宗教楽器、織物など、貴重な文化資料を日本で初めて公開します。さらに日本でも人気のあるブータン王室のロイヤルコレクションから、国王の衣装・装飾品なども初公開。これらを含む展示品約140 点をご紹介します。(同展HPより転載)

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福井県勝山市という人口3万人足らずの小さな町で1970年代から「アートフル勝山の会」を主宰し、現代美術をサポートするコレクター運動を繰り広げてきた荒井由泰さんと勝山の人たちのことはこのブログで幾度となくご紹介してきました(北陸の里に現代美術の輪 その後)。
長年の夢だったブータン訪問を終えた荒井さんに旅の思い出をご執筆していただきましたのでこちらもどうぞご一読ください。

荒井由泰のエッセイ
「いとしの国ブータン紀行」第1回
「いとしの国ブータン紀行」第2回
「いとしの国ブータン紀行」第3回
「いとしの国ブータン紀行」第4回
「いとしの国ブータン紀行」最終回

*ご自身優れたコレクターでもある荒井さんが11回にわたってこのブログで連載した「マイコレクション物語」もたいへん好評でした(全11回の目次はコチラ)。

経済発展ばかりを「しあわせ」の指標にしてきた私たち、そろそろ立ち止まって「しあわせに生きるためのヒント」を探したいですね。

●今日のお勧め作品は南桂子です。
RIMG0494_600南桂子 Keiko MINAMI
"LITTLE FLOWER GIRL"

銅版 1958
イメージサイズ:38.6×29.7cm
シートサイズ:56.3×37.8cm
Ed.50 Signed
*レゾネNo.80(2011年 NHKサービスセンター)

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