野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第35回
新作制作
5月に入って本格的に新作の制作にとりかかりましたが、何を作りたいのか、構想に悩んでなかなか進まない日が続きました。
何か今までになかったものを作れないのか、そんな行き詰まり時に何故か作りたくなるのが、画面を盛り上げて作るモジャモジャとかブツブツとか、そんなちょっと変な作品。
数年前、何点か作った時はまだ手探りで、今見ると甘い所があるのですが、改善策も見えていました。
それでまず、構想がまとまらずグルグルしている頭の中を作ろうと思って、タイトル未定の渦作品の箔押しが完了、全面プラチナ箔、サイズは6号Mです。
渦を浮き立たせる所とフラットに見える所を作りました。何となく見える四角の影がこの先に見える新作のような感じです。
渦作品、地漆を塗った段階
渦作品
一点目がなかなかイイ感じになったので、この雰囲気で別のバージョンも作ってみようかと思い、次はまるで石を貼り付けたような凸凹の下地を作りました。
初めプラチナ箔でいこうと思っていたのですが、箔押しを始め隅っこで試したらちょっとイメージが違ったので金箔に変更、、ただ金箔だとちょっとキャラが濃すぎるかなと思っていたのですが、やはりちょっと濃くなりました、サイズは6号Mです。
仕上げ段階でもう少し変わるかもです、もしかしたらまたノコギリでぶった切って別の部品と合体してるかもですが。
凸凹作品、地漆を塗った段階
凸凹作品
次は海空系の作品、坂本龍一のピアノ曲の「Aqua」という曲を初めて聴いて頭に浮かんだ夜明けの海と空の風景を作りました、タイトル未定、サイズは15号Pです。
仕上げ段階で水平線にハイライトを入れて、空に鳥を入れるか考え中です。
ちなみにこの「Aqua」という曲、箔押し終わってから調べたら、娘の坂本美雨の為に作った「in aquascape」という曲で、歌詞を読んだらなんかピッタリのイメージでした、美しい曲です。
夜明けの海と空の作品
そんなこんなで、やっと構想もいくつかまとまりつつあり、箔押しの勘も戻ってきた感じです。
これから夏場にかけては漆の硬化も早く、テンポ良く仕事が進む時期なので、引き続き制作がんばります。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●今日のお勧め作品は野口琢郎です。
野口琢郎
「Landscape#37」
2016年
箔画(Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin, Clear acrylic paint on Wood panel)
65.2×53.0cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。
◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
新作制作
5月に入って本格的に新作の制作にとりかかりましたが、何を作りたいのか、構想に悩んでなかなか進まない日が続きました。
何か今までになかったものを作れないのか、そんな行き詰まり時に何故か作りたくなるのが、画面を盛り上げて作るモジャモジャとかブツブツとか、そんなちょっと変な作品。
数年前、何点か作った時はまだ手探りで、今見ると甘い所があるのですが、改善策も見えていました。
それでまず、構想がまとまらずグルグルしている頭の中を作ろうと思って、タイトル未定の渦作品の箔押しが完了、全面プラチナ箔、サイズは6号Mです。
渦を浮き立たせる所とフラットに見える所を作りました。何となく見える四角の影がこの先に見える新作のような感じです。
渦作品、地漆を塗った段階
渦作品一点目がなかなかイイ感じになったので、この雰囲気で別のバージョンも作ってみようかと思い、次はまるで石を貼り付けたような凸凹の下地を作りました。
初めプラチナ箔でいこうと思っていたのですが、箔押しを始め隅っこで試したらちょっとイメージが違ったので金箔に変更、、ただ金箔だとちょっとキャラが濃すぎるかなと思っていたのですが、やはりちょっと濃くなりました、サイズは6号Mです。
仕上げ段階でもう少し変わるかもです、もしかしたらまたノコギリでぶった切って別の部品と合体してるかもですが。
凸凹作品、地漆を塗った段階
凸凹作品次は海空系の作品、坂本龍一のピアノ曲の「Aqua」という曲を初めて聴いて頭に浮かんだ夜明けの海と空の風景を作りました、タイトル未定、サイズは15号Pです。
仕上げ段階で水平線にハイライトを入れて、空に鳥を入れるか考え中です。
ちなみにこの「Aqua」という曲、箔押し終わってから調べたら、娘の坂本美雨の為に作った「in aquascape」という曲で、歌詞を読んだらなんかピッタリのイメージでした、美しい曲です。
夜明けの海と空の作品そんなこんなで、やっと構想もいくつかまとまりつつあり、箔押しの勘も戻ってきた感じです。
これから夏場にかけては漆の硬化も早く、テンポ良く仕事が進む時期なので、引き続き制作がんばります。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●今日のお勧め作品は野口琢郎です。
野口琢郎「Landscape#37」
2016年
箔画(Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin, Clear acrylic paint on Wood panel)
65.2×53.0cm
サインあり
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