<青山に有ったギャラリー「ときの忘れもの」さんが、なんと駒込にお引越し。こんなに素敵なギャラリーがご近所にできる、なんたる幸運。すでに当店を何度もご利用いただいております。外苑前の本屋にいた私が、駒込の古本屋で再会。うれしいです。>
(BOOKS 青いカバさんのtwitterより)
引越しして幾日も経たないのに次々と不思議なご縁が。
お披露目の日時が決まりました。
日時:2017年7月7日(金)12時~19時(ご都合の良い時間にお出かけください)
当日お越しになれない方は、翌日8日(土)も11時~18時まで、営業していますのでお出かけください(日曜、月曜、祝日は休廊です)。
さて、先日は珍しい恩地孝四郎のリトグラフ「Poeme Winter」をご紹介しましたが、本日は恩地本来の木版作品をご紹介しましょう。
恩地孝四郎
『新東京百景』より《たけばし内》
1932年 木版
イメージサイズ:18.0×24.0cm
シートサイズ:20.0×26.0cm
版上サインあり
※『恩地孝四郎版画集』には未収録(1975年 形象社)
1923(大正12)年9月の関東大震災により首都東京を壊滅な打撃を受けます。江戸の名残はもちろん、文明開化の煉瓦の銀座も殆どが焼失してしいました。その後の数年はいたるところで工事の槌音が高く響き、東京は大変貌をとげます。震災復興といわれる新しい東京の街を8人の版画家が描いたのが『新東京百景』です。
1928(昭和3)年の秋に前川千帆(1888~1960)、藤森静雄(1891~1943)、恩地孝四郎(1891~1955)、逸見享(1895~1944)、平塚運一(1895~ )、川上澄生(1895~1972)、深沢索一(1896~1946)、諏訪兼紀(1897~1932)の卓上社を結成した八人がそれぞれの分担を決めて制作にとりかかります。
版元の中島重太郎により、翌年から1932(昭和7)年の完成まで足掛け五年をかけて100点ちょうどが刊行された連作ですが、木版のもつ柔らかな線と色彩によって1920年代の大都会の夜と昼の情景が、あるいは復興で整備された街並が情趣豊かに競作され、小品ながら近代の風景版画の傑作といえるでしょう。
こういう多人数による連作は出来に凸凹が生じ、全部がいいとは限らない。
ところがこの『新東京百景』はメンバーも最年長の前川千帆から最年少の諏訪兼紀までいずれも詩情豊かな表現力を持ち、それぞれが得意の腕を振るった、珍しく成功した大連作です。当時の創作版画ブームが背景にあり、各人の創作を後押ししたのでしょう。
創作版画の一つの頂点を示したこの連作、恩地孝四郎の作品は市場でも高く評価されていますが、中の一点《たけばし内》だけなぜか1979年に形象社から刊行された『恩地孝四郎版画集』には収録されていません。そのとき恩地家になかったのか、何らかの理由で漏れてしまったのか不思議ですね。
この連作が画集や雑誌で紹介されるとき使われているのは専ら東京都現代美術館の完全セットです。
残念なことに状態が悪い、シミだらけです。
幸運にも亭主は、1970年代に完璧なセット、それもコンディション抜群のものをイギリスのコレクターH氏に売ることができました。
亭主にとっては会心の仕事でした。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。
◆ただいま引越し作業中
6月5日及び6月16日のブログでお知らせしたとおり、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
電話番号も変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531

営業時間も7月1日から11時~18時に変更します。
JR及び南北線の駒込駅南口から約10分、名勝六義園の正門からほど近く、東洋文庫から直ぐの場所です。

(BOOKS 青いカバさんのtwitterより)
引越しして幾日も経たないのに次々と不思議なご縁が。
お披露目の日時が決まりました。
日時:2017年7月7日(金)12時~19時(ご都合の良い時間にお出かけください)
当日お越しになれない方は、翌日8日(土)も11時~18時まで、営業していますのでお出かけください(日曜、月曜、祝日は休廊です)。
さて、先日は珍しい恩地孝四郎のリトグラフ「Poeme Winter」をご紹介しましたが、本日は恩地本来の木版作品をご紹介しましょう。
恩地孝四郎『新東京百景』より《たけばし内》
1932年 木版
イメージサイズ:18.0×24.0cm
シートサイズ:20.0×26.0cm
版上サインあり
※『恩地孝四郎版画集』には未収録(1975年 形象社)
1923(大正12)年9月の関東大震災により首都東京を壊滅な打撃を受けます。江戸の名残はもちろん、文明開化の煉瓦の銀座も殆どが焼失してしいました。その後の数年はいたるところで工事の槌音が高く響き、東京は大変貌をとげます。震災復興といわれる新しい東京の街を8人の版画家が描いたのが『新東京百景』です。
1928(昭和3)年の秋に前川千帆(1888~1960)、藤森静雄(1891~1943)、恩地孝四郎(1891~1955)、逸見享(1895~1944)、平塚運一(1895~ )、川上澄生(1895~1972)、深沢索一(1896~1946)、諏訪兼紀(1897~1932)の卓上社を結成した八人がそれぞれの分担を決めて制作にとりかかります。
版元の中島重太郎により、翌年から1932(昭和7)年の完成まで足掛け五年をかけて100点ちょうどが刊行された連作ですが、木版のもつ柔らかな線と色彩によって1920年代の大都会の夜と昼の情景が、あるいは復興で整備された街並が情趣豊かに競作され、小品ながら近代の風景版画の傑作といえるでしょう。
こういう多人数による連作は出来に凸凹が生じ、全部がいいとは限らない。
ところがこの『新東京百景』はメンバーも最年長の前川千帆から最年少の諏訪兼紀までいずれも詩情豊かな表現力を持ち、それぞれが得意の腕を振るった、珍しく成功した大連作です。当時の創作版画ブームが背景にあり、各人の創作を後押ししたのでしょう。
創作版画の一つの頂点を示したこの連作、恩地孝四郎の作品は市場でも高く評価されていますが、中の一点《たけばし内》だけなぜか1979年に形象社から刊行された『恩地孝四郎版画集』には収録されていません。そのとき恩地家になかったのか、何らかの理由で漏れてしまったのか不思議ですね。
この連作が画集や雑誌で紹介されるとき使われているのは専ら東京都現代美術館の完全セットです。
残念なことに状態が悪い、シミだらけです。
幸運にも亭主は、1970年代に完璧なセット、それもコンディション抜群のものをイギリスのコレクターH氏に売ることができました。
亭主にとっては会心の仕事でした。
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。
◆ただいま引越し作業中
6月5日及び6月16日のブログでお知らせしたとおり、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
電話番号も変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531

営業時間も7月1日から11時~18時に変更します。
JR及び南北線の駒込駅南口から約10分、名勝六義園の正門からほど近く、東洋文庫から直ぐの場所です。

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