綿貫不二夫さま 令子さま
メールありがとうございます。
おとといは、偶然、お会いできて、妻も僕も幸運でした。

現代版画センターのおかげで、アートが身近なものになった、
という人は、僕も含めてたくさんいらっしゃると思います。
1970年代の半ばから、10年とちょっとの期間に、こんなにすごいお仕事をされていたことに、改めて驚きました。感動しました。おふたりにとっては全力疾走の11年間だったと思います。
その後、また、しっかりと再出発されて現在があること、素晴らしいと思います。
現代版画センターのそのすごい歴史のいくつかのページに関わらせていただいたこと、
感謝しています。昨日、浪漫堂の若いディレクター達全員に
埼玉県立近代美術館に行くよう、話をしました。
以前にも、全社員に見学に行くよう勧めたのですが、
いまの人たちはなかなか出かけてくれません。
アートは僕らが子どもの頃よりも、もっと身近なものになりつつあると思うのですが、、。

先日、高崎のマンドリン部の話がでたときに、日本青少年文化センターのお話をしました。
僕が、そして浪漫堂が、40年以上関わり続けている文化活動です。
http://www.seibun.or.jp
この公益財団の活動の一つに「青少年劇場」という巡回型の音楽鑑賞会があります。
全国の交通の便の悪い学校、主に生徒数の少ない小学校中心ですが、
県や市区町村と予算を分担して、1時間ほどのコンサートを開催しています。
最盛期は年間で1,000回を超える公演を開催していたのですが、
いま、その回数は350くらいになってしまっています。
数年前、僕が呼びかけて、「青少年劇場を応援する会」を設立し、
そのメンバー20〜30名による交流会が、今日、浪漫堂の会議室で開催されます。
http://www.seibun.or.jp/entry/index.html
青少年劇場を開催している学校で、子どもたちのための版画展、など
開催できればいいなと思いました。
いつか、また相談させてください。
3/18(日)の埼玉県立近代美術館も伺います。

倉垣光孝

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*画廊亭主敬白
1974年春、渋谷区桜丘町の清桜ハイツという小さなマンションで現代版画センターはスタートしました。その少し後に隣の部屋に入居してきたのが浪漫堂さんでした。
早稲田の学生だった倉垣さんは仲間と「闇一族」という雑誌を作り、そのまま就職せずに浪漫堂という制作会社を設立します。「闇一族」を支援していたのが詩人の松永伍一先生です。
偶然ですが創立したばかりの私たちが頼ったのが一面識もない松永先生でした。機関誌「画譜」創刊号への原稿依頼の手紙を読んだ松永先生は旧知の倉垣さんと同じマンションだったので驚かれたようです。間もなくマンションの一室に松永先生が現れ、以後ずっと私たちと、そしてもちろん浪漫堂さんとの親交が続きました。
1983年6月23日_元永定正「日本芸術大賞」受賞を祝う会_51983年6月23日
元永定正さんの「日本芸術大賞」受賞を祝う会
会場:代官山ヒルサイドテラス
左から司会の倉垣光孝さん、中辻悦子さん(元永夫人)、元永定正先生、発起人の谷川俊太郎さん、金関寿夫さん、一柳慧さん

浪漫堂は大きく発展し、今では原宿に立派な自社ビルを持っています。
版画センターはいつも資金繰りに四苦八苦していましたが、その日の小切手の決済が危なくなるといつも助けてくれたのが浪漫堂さんでした。
版画センターはほんとうに多くの人たちの善意と友情で支えられていました。
ご紹介する4枚のポスターは、浪漫堂さんの制作によるものです。会場に展示されていますので、どうぞご覧になってください。

●1983年6月「元永定正 日本芸術大賞受賞記念展」ポスター デザイン・制作:浪漫堂
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●1983年ウォーホル全国展ポスター(KIKU)デザイン・制作:浪漫堂
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●1983年ウォーホル全国展ポスター(神話他)デザイン・制作:浪漫堂
03


●1983~84年「磯崎新全国展」ポスター デザイン・制作:浪漫堂
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於・埼玉県立近代美術館 撮影:タケミアートフォトス

◆埼玉県立近代美術館で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が開催されています。現代版画センターと「ときの忘れもの」についてはコチラをお読みください。
詳細な記録を収録した4分冊からなるカタログはお勧めです。ときの忘れもので扱っています。
会期:2018年1月16日(火)~3月25日(日)
埼玉チラシウォーホル600現代版画センターは会員制による共同版元として1974年~1985年までの11年間に約80作家、700点のエディションを発表し、全国各地で展覧会、頒布会、オークション、講演会等を開催しました。本展では45作家、約300点の作品と、機関誌等の資料、会場内に設置した三つのスライド画像によりその全軌跡を辿ります。

西岡文彦さんの連載エッセイ「現代版画センターという景色が始まりました(1月24日、2月14日、3月14日の全3回の予定です)。草創期の現代版画センターに参加された西岡さんが3月18日14時半~トークイベント「ウォーホルの版画ができるまでーー現代版画センターの軌跡」に講師として登壇されます。

光嶋裕介さんのエッセイ「身近な芸術としての版画について(1月28日ブログ)

荒井由泰さんのエッセイ「版画の景色―現代版画センターの軌跡展を見て(1月31日ブログ)

スタッフたちが見た「版画の景色」(2月4日ブログ)

毎日新聞2月7日夕刊の美術覧で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は永田晶子さん、見出しに<「志」追った運動体>とあります。

○埼玉県立近代美術館の広報誌 ソカロ87号1983年のウォーホル全国展が紹介されています。

○同じく、同館の広報誌ソカロ88号には栗原敦さん(実践女子大学名誉教授)の特別寄稿「現代版画センター運動の傍らでー運動のはるかな精神について」が掲載されています。

現代版画センターエディションNo.312 元永定正「おれおれまがり」
現代版画センターのエディション作品を展覧会が終了する3月25日まで毎日ご紹介します。
18元永定正 Sadamasa MOTONAGA
《おれおれまがり》
1979年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)
イメージサイズ:45.0×60.0cm
シートサイズ:50.0×65.5cm
Ed.150 サインあり

パンフレット_05
出品作家45名:靉嘔/安藤忠雄 /飯田善国/磯崎新/一原有徳/アンディ・ウォーホル/内間安瑆/瑛九/大沢昌助/岡本信治郎/小田襄/小野具定/オノサト・トシノブ/柏原えつとむ/加藤清之/加山又造/北川民次/木村光佑/木村茂/木村利三郎/草間彌生/駒井哲郎/島州一/菅井汲/澄川喜一/関根伸夫/高橋雅之/高柳裕/戸張孤雁/難波田龍起/野田哲也/林芳史/藤江民/舟越保武/堀浩哉 /堀内正和/本田眞吾/松本旻/宮脇愛子/ジョナス・メカス/元永定正/柳澤紀子/山口勝弘/吉田克朗/吉原英雄
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●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
20170707_abe06新天地の駒込界隈についてはWEBマガジン<コラージ12月号>をお読みください。18~24頁にときの忘れものが特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。