埼玉県立近代美術館で開催中の「版画の景色 現代版画センターの軌跡」は明日25日までです。
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版画の景色 現代版画センターの軌跡
会期:2018年1月16日 (火) ~ 3月25日 (日)
主催:埼玉県立近代美術館

●『月刊ギャラリー』で紹介されました
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『月刊ギャラリー 2018年3月号』P126~P129「新・学芸員の企画術 キュレーションの壺」コーナーで、埼玉県立近代美術館主任学芸員の梅津元さんのご紹介とともに、「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展を取り上げていただきました。
記事の前半では、1991年から埼玉県立近代美術館に勤める梅津さんが同館で最初に企画した写真と映像の展覧会「〈うつすこと〉と〈見ること〉」(1994年)についてや、展覧会を企画する上で常に心がけていることについて語られています。

後半は「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展に触れ、展示内容やどういったデザインのカタログが望ましいのかなど、展覧会が実現するまでの道のりについて語られています。

学芸員として私がやるべきことは、展示、カタログ、印刷物、会期中のイベントなどによって構成される〈展覧会という出来事〉を、どうやって組織するか、ということです。

この梅津さんの言葉を頭に入れて「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展を見ると、本展が作品の展示やスライドショー、展覧会カタログ、会期中のイベント等によって、当時の現代版画センターの熱気や時代性を追体験できるような、まさに〈展覧会という出来事〉として成立していることを改めて思わされます。

今日と明日お出かけになる皆様へ
最寄の駅はJR京浜東北線「北浦和」駅西口から、歩いて数分です。

展示点数(280点)が多いので、時間に余裕をもってお出かけください。
入り口にはいる前に、1974~1985年の年表パネルをご覧ください。1400項目ありますが、11年間に全国で開催されたイベントの記録です。
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順路はありません(迷子にならぬよう、会場で地図をもらってください)。

映像(スライド)コーナーが三箇所あります。各5~7分です。
通りすぎずにぜひご覧になってください。現代版画センターの全国での活動記録を当時の写真で再現しています。
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最後のメカス&ウォーホルのコーナーではメカスさんの映画も常時上映しています。
メカスファンは必見ですが、20分ほどかかります。

資料コーナーも三箇所あります。
1)機関誌(画譜、版画センターニュース1~105号の全バックナンバー)コーナー
2)会員報、支部報(秋田県大曲支部の佐藤功介さんが保管しておいてくれた)コーナー
3)出口付近に、11年間の年度別の全記録ファイルと、史上最強のウォーホルウォッチャーだった故・栗山豊さん収集のウォーホル資料のファイルの閲覧テーブルがあります。
いずれも手にとってご覧いただけます。

ご覧になった感想をぜひメールでお寄せください。
さしつかえなければ、ブログなどでご紹介させていただければ幸いです。

カタログは4部構成の密度の濃い内容です。ときの忘れもので扱っています。

社長と亭主は、明日25日(日)お昼から15時くらいまでは会場にいる予定です。
埼玉近美でのご観覧のあと、駒込の「ときの忘れもの」にお立ち寄りいただければ幸いです。
JR北浦和~田端で山手線に乗り換え、次の駅が最寄の駒込です。
(画廊は日曜、月曜、祝日が休みですが、最終日25日(日)は特別に開廊します

第一回東京オークション(1974年3月31日 東京・高輪プリンスホテル)
1974年3月31日_高輪プリンスホテル第一回オークション_1_51

盛岡支部結成記念オークション(1974年7月20日 MORIOKA第一画廊)
左から綿貫不二夫、尾崎正教、島州一
19740720全国縦断企画”版画への招待展”20171206114110_00003

全国同時展「島州一・関根伸夫クロスカントリー7500km」大曲展(1975年11月1日 秋田県大曲画廊)
1975年11月2日_大曲画廊_01関根伸夫先生と佐藤さんご一家。
大曲画廊は佐藤功介さん(大曲高校の美術教師、日本画家)と船木仁さん(歯科医、VOUの詩人)の二人が、佐藤さんの実家の土間を改造して現代版画センターの作品を展示するためだけに作った。
全国津津浦々に版画を届けたいという版画センターの夢の原点でした。

'77現代と声 一日だけの展覧会(1977年10月21日 東京渋谷・ヤマハエピュキュラス)
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第3回美学校シルクスクリーンシンポジウム(1982年3月~4月 東京・美学校、ギャラリー方寸)
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巨大地下空間とウォーホル展(1983年7月~8月 栃木県宇都宮市大谷町・屏風岩アートポイント)
大谷ウォーホル展3
会場構成:関根伸夫、撮影:村井修

現代版画センターは会員制による共同版元として1974年~1985年までの11年間に約80作家、700点のエディションを発表し、全国各地で展覧会、頒布会、オークション、講演会等を開催しました。本展では45作家、約280点の作品と、機関誌等の資料、会場内に設置した三つのスライド画像によりその全軌跡を辿ります。
現代版画センターと「ときの忘れもの」についてはコチラをお読みください。


○<「現代版画センター」(1974-85年)は、版画というメディアの特性をつうじて当時の美術の一角を牽引したことで知られていますが、同センターが制作した作品と資料から、その活動の軌跡をたどる展覧会。
いろいろな版画作品があるもので、磯崎新の、幅が約5メートルもある作品も、「現代版画センター」で作られた版画だったとは!
そして、70年代~80年代の日本のアートシーンを知る上で、貴重な各種資料が見られて、とても勉強になりました。展覧会図録も充実してます。
見に行ったのは先週の日曜だったんですが、トークイベントが開催されるというので会場に行ってみたら、満席!
立ち見(聴き?)で、多くの作家との共同作業を担った刷師のお話を聞き、版画の世界が如何に奥深いかということもよくわかりました (^_^;)
3月25日 (日)までです。

(20180323/高石由美さんのfacebookより)>

○< 迫力というか、なんかやってやるんだ、みたいな野望を感じました。
(20180324/上掲高石由美さんへの岩田雅行さんの投稿より)>

○<埼玉県立近代美術館「版画の景色 現代版画センターの軌跡」
🎶なぜか知ら~ねど~
春分の日なのに雪が舞い散る、埼玉は北浦和にある埼玉県立近代美術館へとやって来ました。
企画展示室の入り口にたどり着くと、いきなり頭が痛くなりそうなくらい綿密で詳細な、1974年から1985年までの現代版画センターの活動を記した年表が目に飛び込んできます。ウウッ、まだ入ってもいないのに知恵熱が🤒

(20180322/岡田昌浩さんのtwitterより)>

○<寒い~。寒い中、埼玉県立近代美術館へ行く。
作品数が多く、見応えあった。
版画の、絵とはまた違う「刷った」感が好きなんだよね(印刷物好きだしな)。
天気のせいか人も少なく静かでみやすかった。

(20180321/mkstさんのtwitterより)>

○<先日、埼玉県立近代美術館に行ってきました。
なぜこの展覧会に出かけようと思ったのか。
美術には普段からそれなりに広い関心をいだいているのですが、
いくつかあまり気持ちの向かない分野や時代があり、その一つが70年代なのです。
今回の展示は、ちょうど70年代から80年代の作品で構成されており、
この気持ちの理由を確認できるかもしれないと考えたわけです。
ちなみに現代版画センターの活動時期は、私の中学・高校から大学の時期と重なっています。
展覧会は、版画作品展であると同時に現代版画センターの活動ドキュメントでもある、という野心的な試みだと感じました。
当時の熱気がひしひしと伝わってくると同時に、
時代を先取りした活動でもあったことを始めて知りました。

一方で、ドキュメントの部分は別のメディア(例えば書籍や映画など)にすると、まだまだ語れるだろうとも思いました。
作品にはコンセプチュアルアートの流れをくむものも多かった印象ですが、手技より思考を重視する姿勢がストレートに現れていてある種の気持ちよさを覚えました。
そしてこの実直な感じが70年代の一つの特徴だろうか?と考えた次第です。
私の気持ちが向かない理由は、はっきりとは判りませんでしたが、一つ手がかりを得たような気がしています。これからも70年代の作品をみてゆこうと思います。

(20180323/OYさんからのメールより)>

○<埼玉近美の現代版画センターの展覧会観た。シルクスクリーンの作品はほぼ岡部徳三氏の仕事っぽい気がするのですがどうなんだろう。もうちょっと展覧会の説明に徳三の名前出していいような気がするし、もっと掘り下げて欲しかったなんて思ったり。シルクスクリーンの作品はマジかっこいい。
脳内ダダ漏れの拙い感想への返信ありがとうございます。どれもこれも素晴らしい作品ばかりでした。恥かしながら現代版画センターの存在を知らなかったので勉強になりました。

(20180322/キムラマユミさんのtwitterより)>

○<遅ればせながら「版画の景色」に伺って参りました。詳細な記録と共に貴廊の全貌を知り、改めて多大なご功績を痛感しました。
(20180323/SSさんより>

○<ちょっと遠いかな、と躊躇しましたがお店の開店前に行ってきました。
我が家にずーっとある、引っ越す度にどこかに飾ってきた作品が靉嘔(樹)
現代版画センターのことも知りたいし、行かねばと。
ときの忘れものさん無しには成立しない展覧会。これぞ素晴らしい老舗の画廊の力!
25日まで。

(20180323/福井 淳子さんのfacebookより)>

西岡文彦さんの連載エッセイ「現代版画センターという景色は1月24日、2月14日、3月14日の全3回掲載しました。

光嶋裕介さんのエッセイ「身近な芸術としての版画について(1月28日ブログ)

荒井由泰さんのエッセイ「版画の景色―現代版画センターの軌跡展を見て(1月31日ブログ)

スタッフたちが見た「版画の景色」(2月4日ブログ)

倉垣光孝さんと浪漫堂のポスター(2月8日ブログ)

嶋﨑吉信さんのエッセイ~「紙にインクがのっている」その先のこと(2月12日ブログ)

大谷省吾さんのエッセイ~「版画の景色-現代版画センターの軌跡」はなぜ必見の展覧会なのか(2月16日ブログ)

植田実さんのエッセイ「美術展のおこぼれ 第47回(3月4日ブログ)

土渕信彦さんのエッセイ<埼玉県立近代美術館「版画の景色ー現代版画センターの軌跡」展を見て(3月8日ブログ)

現代版画センターに参加した刷り師たち(3月11日ブログ)

現代版画センターの生みの親 井上房一郎と久保貞次郎(3月13日ブログ)

○中村茉貴さんのエッセイ「美術館に瑛九を観に行く 第22回埼玉県立近代美術館」(3月20日ブログ)

塩野哲也さんの編集思考室シオング発行のWEBマガジン[ Colla:J(コラージ)]2018 2月号が展覧会を取材し、87~95ページにかけて特集しています。

毎日新聞2月7日夕刊の美術欄で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は永田晶子さん、見出しは<「志」追った運動体>。

○3月4日のNHK日曜美術館のアートシーンで紹介されました。

朝日新聞3月13日夕刊の美術欄で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は小川雪さん、見出は<版画に込めた情熱と実験精神>。

○月刊誌『建築ジャーナル』2018年3月号43ページに特集が組まれ、見出しは<運動体としての版画表現 時代を疾走した「現代版画センター」を検証する>。

○埼玉県立近代美術館の広報誌 ソカロ87号1983年のウォーホル全国展が紹介されています。

○同じく、同館の広報誌ソカロ88号には栗原敦さん(実践女子大学名誉教授)の特別寄稿「現代版画センター運動の傍らでー運動のはるかな精神について」が掲載されています。
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現代版画センターエディションNo.709 安藤忠雄「Scene II/CROSS」
現代版画センターのエディション作品を展覧会が終了する3月25日まで毎日ご紹介します。
20180324安藤忠雄
「Scene II Cross」
1984年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)
Image size: 38.0×38.0cm
Sheet size: 64.6×49.9cm
Ed.150  Signed

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出品作家45名:靉嘔/安藤忠雄 /飯田善国/磯崎新/一原有徳/アンディ・ウォーホル/内間安瑆/瑛九/大沢昌助/岡本信治郎/小田襄/小野具定/オノサト・トシノブ/柏原えつとむ/加藤清之/加山又造/北川民次/木村光佑/木村茂/木村利三郎/草間彌生/駒井哲郎/島州一/菅井汲/澄川喜一/関根伸夫/高橋雅之/高柳裕/戸張孤雁/難波田龍起/野田哲也/林芳史/藤江民/舟越保武/堀浩哉 /堀内正和/本田眞吾/松本旻/宮脇愛子/ジョナス・メカス/元永定正/柳澤紀子/山口勝弘/吉田克朗/吉原英雄

◆ときの忘れものは「植田正治写真展ー光と陰の世界ーPart Ⅱ」を開催しています。
会期:2018年3月13日[火]―3月31日[土] 11:00-19:00
※日・月・祝日休廊(但し3月25日[日]は開廊
昨年5月に開催した「Part I」に続き、1970年代~80年代に制作された大判のカラー作品や新発掘のポラロイド写真など約20点をご覧いただきます。
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●書籍・カタログのご案内
表紙植田正治写真展―光と陰の世界―Part II』図録
2018年3月8日刊行
ときの忘れもの 発行
24ページ
B5判変形
図版18点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:800円(税込)※送料別途250円

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植田正治写真展―光と陰の世界―Part I』図録
2017年
ときの忘れもの 発行
36ページ
B5判
図版33点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:北澤敏彦(DIX-HOUSE)
価格:800円(税込)※送料別途250円


●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
20170707_abe06新天地の駒込界隈についてはWEBマガジン<コラージ12月号>をお読みください。18~24頁にときの忘れものが特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。