<名古屋に居ながらにして、米国が世界に誇るボストン美術館のコレクションを鑑賞できる姉妹館名古屋ボストン美術館は、使命を全うして、10月8日(月・祝)をもって閉館することとなりました。
20年間、当館をお支えいただいた皆様に感謝を込めて、最終展として「ハピネス~明日の幸せを求めて」を開催します。
美術の目指すところも究極的には人間の幸福感とは―、と問い返すところにあるように思います。この最終展をご覧いただき、その問い返しにそれぞれの思いを重ねていただける事を願っております。
これまで当館を愛し、ご支援いただいた皆様に心から熱くお礼申し上げます。どうぞ、名古屋ボストン美術館の最後の展覧会をお楽しみください。
名古屋ボストン美術館館長 馬場駿吉>
先日、「石神の丘美術館が25周年」と岩手の小さな町の美術館の健闘を称えたばかりですが、大都市名古屋の美術館が閉館となる残念なニュースです。
名古屋ボストン美術館には幾度か伺いましたが、亭主にとって一番印象の残る展覧会は、ボストンの名品ではなく、2008年に開催された館長の馬場駿吉先生のコレクション展でした。

2017年2月「ART NAGOYA 2017」にて
馬場駿吉先生(左)


馬場駿吉先生は人も知る駒井哲郎先生と親交厚かったコレクターです。
「一俳人のコレクションによる 駒井哲郎銅版画展~イメージと言葉の共振~」
会期:2008年4月26日~9月28日
会場:名古屋ボストン美術館
このときの名古屋ボストン美術館の案内には「名古屋在住の俳人で、芸術評論家としても活動している当館館長の馬場駿吉は、大学医学部の若き研究者だった1961年、市内の画廊が主催した個展で初めて駒井哲郎の作品を目にしました。そして、それまで味わったことのない衝動に駆られ、駒井の版画1点を購入します。それは馬場が生まれて初めて購入した美術品でした。その後、駒井自身とも知遇を得て、70点近くに及ぶ駒井作品のコレクションを築きました。馬場にとって彼の作品は現代美術への扉であると同時に、自らの俳句の源泉でもありま す。本展では、馬場の新旧の俳句を織り交ぜ、彼の目を通した駒井哲郎像、そして一俳人と銅版画家との領域を超えた響き合いを紹介します。」とあります。
因みに上記の名古屋<市内の画廊>とあるのは、鈴木佐平が経営していた「サカエ画廊」のことですが、今でもサカエ画廊のシールがついた作品が市場に出ることがあります。名古屋では先駆的な画廊でした。鈴木佐平については、中村稔著『束の間の幻影 銅版画家駒井哲郎の生涯』222ページには馬場駿吉先生の文章を引用して<名古屋市中区東田町にサカエ画廊を自営し、引き続き駒井作品を名古屋周辺へ熱心に紹介しつづけた慧眼の画商であったが、残念ながら経営上の破綻によってやがて画廊は閉ざされ、氏も消息を絶った>とあります。
この展覧会は駒井追っかけの亭主としては見逃すわけには行かず、名古屋まで遠征して出品作品一点づつを克明に見て、その限定番号をメモし、このブログで二回にわたり報告しました。
2008年9月16日ブログ「馬場駿吉コレクション~駒井哲郎を追いかけて第30回」
2008年9月22日ブログ「馬場駿吉宛書簡~駒井哲郎を追いかけて第31回」
1615年創業の名古屋の老舗百貨店・丸栄百貨店が6月30日に閉店したニュースにも驚きました。
駒井追っかけとしては、1958年(昭和33)4月に丸栄百貨店で開催された「駒井哲郎版画展」は忘れることのできない重要な展覧会でした。
65回で中断したままの「駒井哲郎を追いかけて」を再開し、丸栄百貨店のことも書かねばなりませんね。
●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

20年間、当館をお支えいただいた皆様に感謝を込めて、最終展として「ハピネス~明日の幸せを求めて」を開催します。
美術の目指すところも究極的には人間の幸福感とは―、と問い返すところにあるように思います。この最終展をご覧いただき、その問い返しにそれぞれの思いを重ねていただける事を願っております。
これまで当館を愛し、ご支援いただいた皆様に心から熱くお礼申し上げます。どうぞ、名古屋ボストン美術館の最後の展覧会をお楽しみください。
名古屋ボストン美術館館長 馬場駿吉>
先日、「石神の丘美術館が25周年」と岩手の小さな町の美術館の健闘を称えたばかりですが、大都市名古屋の美術館が閉館となる残念なニュースです。
名古屋ボストン美術館には幾度か伺いましたが、亭主にとって一番印象の残る展覧会は、ボストンの名品ではなく、2008年に開催された館長の馬場駿吉先生のコレクション展でした。

2017年2月「ART NAGOYA 2017」にて
馬場駿吉先生(左)


馬場駿吉先生は人も知る駒井哲郎先生と親交厚かったコレクターです。「一俳人のコレクションによる 駒井哲郎銅版画展~イメージと言葉の共振~」
会期:2008年4月26日~9月28日
会場:名古屋ボストン美術館
このときの名古屋ボストン美術館の案内には「名古屋在住の俳人で、芸術評論家としても活動している当館館長の馬場駿吉は、大学医学部の若き研究者だった1961年、市内の画廊が主催した個展で初めて駒井哲郎の作品を目にしました。そして、それまで味わったことのない衝動に駆られ、駒井の版画1点を購入します。それは馬場が生まれて初めて購入した美術品でした。その後、駒井自身とも知遇を得て、70点近くに及ぶ駒井作品のコレクションを築きました。馬場にとって彼の作品は現代美術への扉であると同時に、自らの俳句の源泉でもありま す。本展では、馬場の新旧の俳句を織り交ぜ、彼の目を通した駒井哲郎像、そして一俳人と銅版画家との領域を超えた響き合いを紹介します。」とあります。
因みに上記の名古屋<市内の画廊>とあるのは、鈴木佐平が経営していた「サカエ画廊」のことですが、今でもサカエ画廊のシールがついた作品が市場に出ることがあります。名古屋では先駆的な画廊でした。鈴木佐平については、中村稔著『束の間の幻影 銅版画家駒井哲郎の生涯』222ページには馬場駿吉先生の文章を引用して<名古屋市中区東田町にサカエ画廊を自営し、引き続き駒井作品を名古屋周辺へ熱心に紹介しつづけた慧眼の画商であったが、残念ながら経営上の破綻によってやがて画廊は閉ざされ、氏も消息を絶った>とあります。
この展覧会は駒井追っかけの亭主としては見逃すわけには行かず、名古屋まで遠征して出品作品一点づつを克明に見て、その限定番号をメモし、このブログで二回にわたり報告しました。
2008年9月16日ブログ「馬場駿吉コレクション~駒井哲郎を追いかけて第30回」
2008年9月22日ブログ「馬場駿吉宛書簡~駒井哲郎を追いかけて第31回」
1615年創業の名古屋の老舗百貨店・丸栄百貨店が6月30日に閉店したニュースにも驚きました。
駒井追っかけとしては、1958年(昭和33)4月に丸栄百貨店で開催された「駒井哲郎版画展」は忘れることのできない重要な展覧会でした。
65回で中断したままの「駒井哲郎を追いかけて」を再開し、丸栄百貨店のことも書かねばなりませんね。
●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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