第1回ときの忘れものエディション展~建築家たち
会期:2020年7月21日(火)~8月8日(土)
出品:安藤忠雄石山修武磯崎新光嶋裕介六角鬼丈
出品作品の展示風景と画像はホームページに掲載しました。価格等については遠慮なくお問合せください。


「開廊25周年 第1回ときの忘れものエディション展―建築家たち」の開催に際し、戸田 穣先生(昭和女子大学・環境デザイン学部環境デザイン学科 専任講師)に「建築家のドローイング」についてお話しいただきました。YouTubeときの忘れものチャンネルにて公開中です。


仕事を終えた深夜にひとり机に向かって絵を描いているという建築家・光嶋裕介さんは、ペン画、水彩、銅版画、シルクスクリーン、油彩画などさまざまなメディアに挑戦して、一貫して「幻想都市風景」を描いています。
本展では、ときの忘れものでエディションした銅版画とシルクスクリーンを展示しています。


鉛筆やクレヨンを持って
白い画用紙に絵を描くことは、
子供の頃から好きだった。
そして興味のあった銅版画を数年前からはじめた。
針を持って、
銅の板の上でカリカリ線を彫ることは
全く新しい体験だった。
彫ることと描くことは、似て非なる行為である。

持っている道具は違えど
利き腕の右手を使って
やっていることを見る分にはそっくりだ。
だけど、感触が全然違う。
率直に言うと抵抗力の違いだろう。
ペンのインクが紙に吸い取られ、
線が現われるのはプラスの感覚であり、
銅版画の彫っている感覚は、
物質に対してマイナスの働きをする。

この違いは大きい。
建築は何かを構築することが多いが、
彫刻や彫刻のように何かを削り取っていく行為に、
僕は建築家として無意識の内に惹かれているのかもしれない。
それはアルベルト・ジャコメッティが極限まで
人体をそぎ落としたようなものに対する強い憧れなのかもしれない。

(2012年03月22日ときの忘れものブログ 『光嶋裕介のエッセイ 第四便:「彫ることと描くことの違い」(IV/VIII)』より再録

09"Landscape at Night NO.001"
2008年
エッチング、アクアチント
イメージサイズ:12.0x30.0cm
シートサイズ :27.0x39.5cm
Ed.8+20 (Ⅰ/Ⅷ~Ⅷ/Ⅷ+1/20~20/20)
サインあり



17年前の学生時代、
ふらっと入った安藤忠雄展以来、ずっとここに通い続けています。
画廊主の綿貫さんとのご縁を頂き、
白井版画工房で銅版画をやらせてもらい、
石田さんと一緒にシルクスクリーンも制作させてもらっています。
このような最高の環境を得て、
私にできることは、ただひとつ。

自分が納得のいく作品をコンスタントに発表し続けること。

また、
新しい作品をみなさんにお見せできることを心より楽しみにしております。

(2015年08月21日ときの忘れものブログ 『光嶋裕介のエッセイ 「いつでも制作中」』より抜粋)


2013年に初めてシルクスクリーン制作に挑んだ光嶋裕介さん。
ウォーホルが度々使用した90×90cmのスクエアのカンバス9枚に、手彩色やコラージュなどでそれぞれ違う背景を作り、幻想都市風景をシルクスクリーンで刷ったユニークのシルクスクリーンです。
R0018283石田了一工房にて、光嶋裕介シルクスクリーン制作中


07"Urban Landscape Fantasia #1" (5)
2013年
カンバスにシルクスクリーン、手彩色
90.0×90.0cm
Ed.1
サインあり


光嶋裕介
建築家。1979年米国ニュージャージー州生。1987年に日本に帰国。以降、カナダ(トロント)、イギリス(マンチェスター)、東京で育ち、最終的に早稲田大学大学院修士課程建築学を2004年に卒業。同年にザウアブルッフ・ハットン・アーキテクツ(ベルリン)に就職。2008年にドイツより帰国し、光嶋裕介建築設計事務所を主宰。
神戸大学で客員准教授。早稲田大学などで非常勤講師。内田樹先生の凱風館を設計し、完成と同時に合気道入門(二段)。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの全国ツアーの舞台デザインを担当。最近作に公共建築《桃沢野外活動センター》がある。
著作に『幻想都市風景』、『みんなの家。』、『建築武者修行』、『これからの建築』など。2020年3月に『増補 みんなの家。』が筑摩書房より、文庫化される。

「開廊25周年 第1回ときの忘れものエディション展―建築家たち」
会期=2020年7月21日[火]―8月8日[土]*日・月・祝日休廊、予約制/WEB展
建築家たちDM
ときの忘れものはおかげさまで開廊25周年を迎えることができました。展覧会の企画と版画の版元として活動してこれたことへの感謝をこめて、今までエディションした建築家(安藤忠雄石山修武磯崎新光嶋裕介六角鬼丈)の版画を展示し、動画を撮影、YouTubeに公開しました。


「開廊25周年 第1回ときの忘れものエディション展―建築家たち」の開催に際し、戸田 穣先生(昭和女子大学・環境デザイン学部環境デザイン学科 専任講師)に「建築家のドローイング」についてお話しいただきました。YouTubeときの忘れものチャンネルにて公開中です。

*古今東西の建築家のドローイングについてはジョヴァンニ・バティスタ・ピラネージからル・コルビュジエまで15人を論じたブログの八束はじめ・彦坂裕のリレー連載「建築家のドローイング」も併せてお読みください。

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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