明日、7月1日は瀧口修造の命日です(1903年[明治36]12月7日 - 1979年[昭和54]7月1日没)。
画廊では昨日から「夏のコレクション展~瑛九、瀧口修造、オノサト・トシノブ」を開催中ですが、ときの忘れものが長年扱ってきた三人の作家のうち、瀧口修造は生前は前衛美術運動を主導した美術評論家、詩人として高名でしたが、自らも創作する作家としての評価が高まったのはむしろ没後といっていいかも知れません。
14左から
"II-2"
デカルコマニー、水彩、紙
イメージサイズ:13.6×9.9cm
シートサイズ :13.6×9.9cm

"IV-03"
1961年
紙に水彩
イメージサイズ:9.7×9.0cm
シートサイズ:12.3×9.0cm
額裏にサイン・年記あり

"Ⅲ- 27"
デカルコマニー
イメージサイズ:12.3×9.0cm
シートサイズ:19.2×13.1cm
Ⅲ- 26と対

"Ⅱ-30"
デカルコマニー
イメージサイズ:11.2×7.5cm
シートサイズ :19.3×13.2cm
※Ⅱ-29と対

20《短冊デッサン》(V-08)
1962年
紙に水彩、インク
イメージサイズ:21.0×33.5cm
シートサイズ:29.0×37.5cm
裏面にタイトルと年記あり

作家としての評価に大きく貢献した展覧会があります。
1986年12月9日~1987年3月2日にパリ ポンピドゥー・センターで開催された「前衛芸術の日本 1910-1970展 Japon des Avant-gardes 1910-1970」です。
総合コミッショナーはマルセイユの総美術館館長(展覧会準備中にポンピドゥー・センターから異動)ジェルマン・ヴィアットと美術史家高階秀爾(現在は大原美術館館長)でした。
瑛九、瀧口修造、オノサト・トシノブがともに展示されました。

前衛芸術の日本1986年図録1前衛芸術の日本 1910-1970展 Japon des Avant-gardes 1910-1970」図録
美術、写真、映像、建築、工芸、デザイン、ファッションなどの日本における1910年から1970年までの歴史的展開を、700点以上の作品、資料によって提示し、 戦前と戦後の前衛芸術の連続性と断絶を一望した画期的な展覧会でした。二分冊・厚さ4.5cmの超弩級のカタログ。
前衛芸術の日本1986年図録2

出品されたのが下記作品。2020年10月29日のブログ「名作は旅をする~瀧口修造の場合」で詳しくご紹介しました。
ときの忘れもので展示したあと、現在は東北地方の某コレクターの所蔵です。
takiguchi_water_1962_01 瀧口修造
《作品》

 1962年 水彩
 イメージサイズ:27.0×17.5cm
 額装サイズ:40.0×30.5×1.5cm
 サインあり
*「前衛芸術の日本 1910-1970展 Japon des Avant-gardes 1910-1970」出品作品
*海藤日出男旧蔵

takiguchi_water_1962_05 額裏にパリ・ポンピドゥーセンター「前衛芸術の日本 1910-1970」展出品シール添付

●瀧口修造の紹介ページ
前衛芸術の日本図録320-321P瀧口修造320ページからは一章を設けて瀧口修造が紹介されています。

前衛芸術の日本図録322-323P瀧口修造


前衛芸術の日本図録324-325P瀧口修造


前衛芸術の日本図録326-327P瀧口修造


●オノサト・トシノブの紹介ページ
前衛芸術の日本図録120-121Pオノサト・トシノブ120~121ページ。
左ページがオノサト・トシノブ、
右ページは山口長男

●瑛九の紹介ページ
前衛芸術の日本1986年図録136-137頁同図録136~137ページ
瑛九は「赤の中の小さな白」(1937年 油彩、東京国立近代美術館所蔵)はじめ、デッサン4点、フォトデッサン8点、コラージュ2点の計15点が出品されました。

前衛芸術の日本1986年図録138-139頁
同図録138~139ページ。
左は瑛九、右は岡本太郎

またわが瑛九にとっては海外の大きな美術館で展示された初めての展覧会であり、オノサト、瀧口とともに展示されました。

富山県美術館で7月13日まで「瀧口修造コレクション 瀧口修造の肖像Part 1 松澤宥・加納光於・合田佐和子」が開催中。瀧口修造と三人の交流をふりかえる展示がされています。

夏のコレクション展~瑛九、瀧口修造、オノサト・トシノブ」(予約制)を開催しています
魔法陣会期=2021年6月29日(火)~7月10日(土)*日・月・祝日は休廊
※観覧をご希望の方は事前にメールまたは電話にてご予約ください。

●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。