こんにちわ、スタッフMです。
宮崎県立美術館にて開催された「生誕110年記念 瑛九展-Q Ei 表現のつばさ-」を観てきましたのでご報告のレポートです。
私は初めての宮崎の地でした。2021年11月26日~11月27日までの一泊二日で出張した宮崎は、東京に比べて暖かく、天気は快晴だったので、存分に瑛九作品と瑛九ゆかりの地を巡ることができました。社長命令が下り、スタッフ4人が交代で宮崎出張をすることになったため、私からは展覧会の中でも「瑛九が使っていた画材」を中心にご報告します。
「生誕110年記念 瑛九展-Q Ei 表現のつばさ-」
会期:2021年10月23日(土)~12月5日(日)※すでに会期は終了しました。
会場:宮崎県立美術館
宮崎県立美術館の外看板。
宮崎県立美術館の外観。

美術館2階の展示室入口。右に立っているのは宮崎県立美術館 学芸員の小林美紀先生。
展示室に入った瞬間、溜め息が出ました。
宮崎県立美術館が収蔵している約1000点の瑛九コレクションから約200点を展示しているということで、第1章では初期の油彩がこれでもかと壁に展示されています。
ここで注目なのが瑛九が使っていた画材の数々です。私はこれまで瑛九作品を扱っていながら画材の実物を見るのは初めてでした。
瑛九のメガネ。
水彩用の絵の具。カバーをよく見ると、「SHISEIDO」「東京資生堂繪具工業株式会社」とあります。化粧品で有名なあの資生堂が絵具を販売していたのですね。
ネットで調べると「資生堂では昭和の一時期、クレヨンや絵具などの描画製品の製造・販売を手がけ、子どもたちへ色に親しみ、描く楽しさを提案していた時代があり、新しい美術教育の流れを創った画期的な製品や、可愛らしいパッケージで“描いてみたい”と思わせるような製品を次々と生み出しました。」とあります。(資生堂企業資料館のHPより引用)
描画用の画筆。
右側の瓶はぺトロール(油絵絵具の粘度や濃度を調整する画溶液)。瓶の側面には魅力的な線画。美術館のリストには「瑛九作か。」と記載があり。
手前の5枚重なっているのはスパッタリング用の金網。
中央には使い込まれた絵具箱。
第2章の部屋ではフォトデッサンがメインの展示。
中央の木箱は、写真の焼き増し用複写機。
フォト・デッサン制作で使用した道具。
左の3本は、ペンライト。ナショナル製と思われる。単3乾電池2本で点灯すると思われる。
右は、ライト用カバー。光の量の調節のため、懐中電灯をこの筒に差し込んで使用した。
ペンライトの光が出る穴はそれぞれサイズが異なる。(ニードルポイント、1ミリ程度、3ミリ程度)
オレンジ色の缶は、「フィルム・印画紙用酸性硬膜定着剤フジフィックス」や「印画紙用現像剤コレクトール」など。

描画用のスプレーガン(KUMAKURA)。
第3章は版画作品の展示。
銅版画の原版。原版と刷られた版画を見比べることができました。原版を見ていると手作業による細かな線の凄みがより一層伝わってきます。
版画制作用の目立て用のロッカーやガリ版制作用の鉄筆など。
銅版画用のプレス機。
第4章では瑛九の関係者の証言や写真、書簡などが展示。瑛九は都夫人との会話や手紙のやりとりは国際語のエスペラント語を使っていました。
1921年に撮影された家族写真。瑛九は11歳。(中央で帽子を被っている少年)
瑛九が使っていた文房具や辞書など。
右側の青い柄の折り畳みカミソリは、フォト・デッサンや吹き付けの作品に使う型紙を切り抜くために使用したと思われる。
瑛九のメモ書きなのか、「QEi」のサインが読み取れる。
最後の第5章の部屋は瑛九晩年の油彩画が展示されています。左は「つばさ」。瑛九の絶筆となった油彩。200号の大作。画像クリックすると拡大します。
360度を瑛九作品に囲まれ、まさに「見渡す限り、瑛九。」。
出口には瑛九関連資料も展示。
展示を見終わる頃にはもう日が陰っていました。
瑛九が実際に使った画材は生々しく制作現場をリアルに想像することができ、この展覧会のおかげで瑛九がすこし近くなったような気分です。
こちらもご覧ください
ブログ2021年11月6日『宮崎県立美術館「生誕110年記念 瑛九展」』
(スタッフM)
●本日のお勧めは瑛九です。
瑛九 Q Ei
《風景》
1954年頃
板に油彩
23.7×33.0cm(F4)
サインありこちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●宮崎県立美術館「生誕110年記念 瑛九ーQ Ei 表現のつばさ」
会期=2021年10月23日~12月5日(終了)
瑛九
*11月6日のブログで尾立麗子による内覧会のレポートを掲載しましたが、社長命令でその後もスタッフ3人が宮崎に赴き、小林美紀先生からレクチャーを受けました。そのレポートは順次ブログに掲載します。
スタッフMのレポート/12月19日ブログ
スタッフIのレポート/12月21日ブログ
スタッフSのレポート/12月26日ブログ
●冬季休廊のお知らせ
ときの忘れものは、12月26日(日)~1月3日(月)まで冬季休廊いたします。
休廊中にいただいたメールには1月4日(火)以降に順次ご返信いたします。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
宮崎県立美術館にて開催された「生誕110年記念 瑛九展-Q Ei 表現のつばさ-」を観てきましたのでご報告のレポートです。
私は初めての宮崎の地でした。2021年11月26日~11月27日までの一泊二日で出張した宮崎は、東京に比べて暖かく、天気は快晴だったので、存分に瑛九作品と瑛九ゆかりの地を巡ることができました。社長命令が下り、スタッフ4人が交代で宮崎出張をすることになったため、私からは展覧会の中でも「瑛九が使っていた画材」を中心にご報告します。
「生誕110年記念 瑛九展-Q Ei 表現のつばさ-」
会期:2021年10月23日(土)~12月5日(日)※すでに会期は終了しました。
会場:宮崎県立美術館
宮崎県立美術館の外看板。
宮崎県立美術館の外観。
美術館2階の展示室入口。右に立っているのは宮崎県立美術館 学芸員の小林美紀先生。
展示室に入った瞬間、溜め息が出ました。宮崎県立美術館が収蔵している約1000点の瑛九コレクションから約200点を展示しているということで、第1章では初期の油彩がこれでもかと壁に展示されています。
ここで注目なのが瑛九が使っていた画材の数々です。私はこれまで瑛九作品を扱っていながら画材の実物を見るのは初めてでした。
瑛九のメガネ。
水彩用の絵の具。カバーをよく見ると、「SHISEIDO」「東京資生堂繪具工業株式会社」とあります。化粧品で有名なあの資生堂が絵具を販売していたのですね。ネットで調べると「資生堂では昭和の一時期、クレヨンや絵具などの描画製品の製造・販売を手がけ、子どもたちへ色に親しみ、描く楽しさを提案していた時代があり、新しい美術教育の流れを創った画期的な製品や、可愛らしいパッケージで“描いてみたい”と思わせるような製品を次々と生み出しました。」とあります。(資生堂企業資料館のHPより引用)
描画用の画筆。
右側の瓶はぺトロール(油絵絵具の粘度や濃度を調整する画溶液)。瓶の側面には魅力的な線画。美術館のリストには「瑛九作か。」と記載があり。
手前の5枚重なっているのはスパッタリング用の金網。
中央には使い込まれた絵具箱。
第2章の部屋ではフォトデッサンがメインの展示。
中央の木箱は、写真の焼き増し用複写機。
フォト・デッサン制作で使用した道具。左の3本は、ペンライト。ナショナル製と思われる。単3乾電池2本で点灯すると思われる。
右は、ライト用カバー。光の量の調節のため、懐中電灯をこの筒に差し込んで使用した。
ペンライトの光が出る穴はそれぞれサイズが異なる。(ニードルポイント、1ミリ程度、3ミリ程度)
オレンジ色の缶は、「フィルム・印画紙用酸性硬膜定着剤フジフィックス」や「印画紙用現像剤コレクトール」など。
描画用のスプレーガン(KUMAKURA)。
第3章は版画作品の展示。
銅版画の原版。原版と刷られた版画を見比べることができました。原版を見ていると手作業による細かな線の凄みがより一層伝わってきます。
版画制作用の目立て用のロッカーやガリ版制作用の鉄筆など。
銅版画用のプレス機。
第4章では瑛九の関係者の証言や写真、書簡などが展示。瑛九は都夫人との会話や手紙のやりとりは国際語のエスペラント語を使っていました。
1921年に撮影された家族写真。瑛九は11歳。(中央で帽子を被っている少年)
瑛九が使っていた文房具や辞書など。
右側の青い柄の折り畳みカミソリは、フォト・デッサンや吹き付けの作品に使う型紙を切り抜くために使用したと思われる。
瑛九のメモ書きなのか、「QEi」のサインが読み取れる。
最後の第5章の部屋は瑛九晩年の油彩画が展示されています。左は「つばさ」。瑛九の絶筆となった油彩。200号の大作。画像クリックすると拡大します。
360度を瑛九作品に囲まれ、まさに「見渡す限り、瑛九。」。
出口には瑛九関連資料も展示。
展示を見終わる頃にはもう日が陰っていました。瑛九が実際に使った画材は生々しく制作現場をリアルに想像することができ、この展覧会のおかげで瑛九がすこし近くなったような気分です。
こちらもご覧ください
ブログ2021年11月6日『宮崎県立美術館「生誕110年記念 瑛九展」』
(スタッフM)
●本日のお勧めは瑛九です。
瑛九 Q Ei《風景》
1954年頃
板に油彩
23.7×33.0cm(F4)
サインありこちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●宮崎県立美術館「生誕110年記念 瑛九ーQ Ei 表現のつばさ」
会期=2021年10月23日~12月5日(終了)瑛九
*11月6日のブログで尾立麗子による内覧会のレポートを掲載しましたが、社長命令でその後もスタッフ3人が宮崎に赴き、小林美紀先生からレクチャーを受けました。そのレポートは順次ブログに掲載します。
スタッフMのレポート/12月19日ブログ
スタッフIのレポート/12月21日ブログ
スタッフSのレポート/12月26日ブログ
●冬季休廊のお知らせ
ときの忘れものは、12月26日(日)~1月3日(月)まで冬季休廊いたします。
休廊中にいただいたメールには1月4日(火)以降に順次ご返信いたします。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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