ときの忘れものの皆様
お元気ですか? スペインは地球温暖化でいつまでも暖かい日々が続いて心配だったのですが、ようやくコートのはおれる気候になりました。日本はいかがお過ごしですか? 綺麗な紅葉が楽しめているでしょうか? それとも、もうすっかりクリスマスのイルミネーションが始まったでしょうか?
夏、皆さんにお会いでき、日本での滞在も充実したものになりました。スペインに帰ってきたと同時に、バタバタとマドリッドでの私達の企画展の準備が始まり、スペインらしく最後の二週間で全てを集中的に終わらせることになりました。
展覧会は2023年2月19日まで開催されています。
根岸文子
KIMONO-JOYA展
会期:2022年10月4日~2023年2月19日まで
会場:マドリッド・マタデロ文化センター
主催:DIMAD

現在、マドリッド・マタデロ文化センターでDIMAD(マドリッド・デザイン財団)主催で私達(根岸文子、カルロス・ムニィス)の企画するKIMONO-JOYA展が開催されています。
マタデロ文化センターはマドリッドのアルガンスエラ地区にあります。アルガンスエラ地区は、近年の都市開発でマドリッド・リオと言われ、すぐ横を走っていたマドリッドの環状線M30号を地下に埋め込み、マンサナーレス河沿いの緑豊かな遊歩道の建設を経て新しく生まれ変わりました。マタデロという意味はスペイン語で食肉処理場です。20世紀の初めマンサナーレス河沿いのこの場所は、中心街から離れ、中央食肉処理場が建設されました。その後、マドリッドの街はどんどんと拡大し、今では、このアルガンスエラ地区もマドリッド市内の人気の住宅地に変化しました。1970年代から建物の老朽化のため、オフィスとして使われていき、80年代には公共の施設として使われるようになりました。90年代には、スペイン国立バレエ団が入り、2000年代には大きなマタデロ文化センターとして、これまであったモダン建築の建物を残しつつ複数の文化施設、飲食店が設置され、マドリッド市民の憩いの場として知られるようになりました。DIMAD(マドリッド・デザイン財団)がNISSANとマドリッド市と共に主催するJAPAN DESUという日本のデザインを紹介するイベントで、KIMONO-JOYA展はスペインと日本の文化交流の形としての展覧会として開催されました。



20世紀初頭のモダン建築様式で建てられたマタデロ・食肉処理場の外観をそのまま残してある文化センターです。



展覧会を主催するDIMADはマテデロ文化センター内にCENTRO DE DISENO/デザインセンターというスペースを有し、生活と関わり、社会に不可欠であるデザインの存在を普及させる目的でマドリッドで活動を行なっています。
デザインセンター以外のスペースでも、現代アートの展覧会や、コンテンポラリーな音楽、映像の展覧会、発表会やワークショップなどが随時行われています。

私達の企画した展覧会:KIMONO-JOYA展はマタデロ文化センター内のCASA DEL LECTOR/カサ・デ レクトルというヘルマン・サンチェス・ルイペレス財団という書籍、出版、読書を推進する財団の運営する会場で行われています。子供の読書を推進したり、出版業界のイベント、本、文芸に関わるワークショップや関連会社のワークスペーストして使われています。
KIMONO-JOYA展では日本の古い男性用の黒地の絹の羽織を題材とした作品の展示をしています。アーティストが日本へ抱く憧れや特別な思いを感じることができます。中でも、私の叔父である日本人和歌詩人・大河原淳行の和歌が作品と混じり合って現れます。文学推進を目的とした財団の会場にピッタリと合い、また作品を違う世界に誘い出すような詩の力とその広がっていく一つ一つの作品の世界をじっくりと楽しめる展覧会です。

2022年10月6日オープニングが開かれました。
左から:ヘルマン・サンチェス(ルイペレス財団ディレクター)、ルイス・ゴンザレス・マルティン(アーティスト)、カルロス・ムニィス(アーティスト)、根岸文子、イサベル・レオン(DIMAD会長)、グロリア・エスクリバノ(DIMAD)、ダビッド・バリエントス(NISSANコミュニケーション マネージャー)、ペドロ・ゴンザレス・トロバ(マドリッド市行政コーディネイター)。
*写真:アドリアン・バスケス













オープニングでは、マタデロ文化センター内のスペイン国立バレエ団に所属する日本人ダンサー・新田愛結花さんがコラボレーションで作品の前で、踊りを披露してくれました。1Fのスペースでは常時、彼女の踊りがビデオで上映されています。
パンデミックの収束を感じさせるスペイン・マドリッドの街は公共の乗り物、病院、薬局はマスク着用義務が残っておりますが、その他の生活はもとの生活にすっかり戻っています。
コンサート、祭り、イベントも以前のように開催され、そんなスペインは現在、小さな日本ブームが起こっています。パンデミックで遠い異国に行けないという思いが、スペインからは遠い国、日本への憧れとなったのでしょうか。
日本の開国の時代とパンデミック収束とが重なって見えてきたりもします。
そんなニュー・ジャポニスムの時代、自分の中に潜む大切なものを発見しつつ、それを大切に次世代に伝えられるようなアートを心がけていきたいと思っています。
(ねぎし ふみこ)
●根岸文子作品のご紹介
根岸文子
《行く川の流れ a》
2021年
絹にアクリル画
60x33cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆本日から「Tricolore 2022 ハ・ミョンウン、戸村茂樹、仁添まりな」を開催します
会期:12月9日(金)~12月23日(金)※日・月・祝日休廊
出品21点のデータと価格は12月4日ブログをご参照ください。


●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊
お元気ですか? スペインは地球温暖化でいつまでも暖かい日々が続いて心配だったのですが、ようやくコートのはおれる気候になりました。日本はいかがお過ごしですか? 綺麗な紅葉が楽しめているでしょうか? それとも、もうすっかりクリスマスのイルミネーションが始まったでしょうか?
夏、皆さんにお会いでき、日本での滞在も充実したものになりました。スペインに帰ってきたと同時に、バタバタとマドリッドでの私達の企画展の準備が始まり、スペインらしく最後の二週間で全てを集中的に終わらせることになりました。
展覧会は2023年2月19日まで開催されています。
根岸文子
KIMONO-JOYA展
会期:2022年10月4日~2023年2月19日まで
会場:マドリッド・マタデロ文化センター
主催:DIMAD

現在、マドリッド・マタデロ文化センターでDIMAD(マドリッド・デザイン財団)主催で私達(根岸文子、カルロス・ムニィス)の企画するKIMONO-JOYA展が開催されています。
マタデロ文化センターはマドリッドのアルガンスエラ地区にあります。アルガンスエラ地区は、近年の都市開発でマドリッド・リオと言われ、すぐ横を走っていたマドリッドの環状線M30号を地下に埋め込み、マンサナーレス河沿いの緑豊かな遊歩道の建設を経て新しく生まれ変わりました。マタデロという意味はスペイン語で食肉処理場です。20世紀の初めマンサナーレス河沿いのこの場所は、中心街から離れ、中央食肉処理場が建設されました。その後、マドリッドの街はどんどんと拡大し、今では、このアルガンスエラ地区もマドリッド市内の人気の住宅地に変化しました。1970年代から建物の老朽化のため、オフィスとして使われていき、80年代には公共の施設として使われるようになりました。90年代には、スペイン国立バレエ団が入り、2000年代には大きなマタデロ文化センターとして、これまであったモダン建築の建物を残しつつ複数の文化施設、飲食店が設置され、マドリッド市民の憩いの場として知られるようになりました。DIMAD(マドリッド・デザイン財団)がNISSANとマドリッド市と共に主催するJAPAN DESUという日本のデザインを紹介するイベントで、KIMONO-JOYA展はスペインと日本の文化交流の形としての展覧会として開催されました。



20世紀初頭のモダン建築様式で建てられたマタデロ・食肉処理場の外観をそのまま残してある文化センターです。



展覧会を主催するDIMADはマテデロ文化センター内にCENTRO DE DISENO/デザインセンターというスペースを有し、生活と関わり、社会に不可欠であるデザインの存在を普及させる目的でマドリッドで活動を行なっています。
デザインセンター以外のスペースでも、現代アートの展覧会や、コンテンポラリーな音楽、映像の展覧会、発表会やワークショップなどが随時行われています。

私達の企画した展覧会:KIMONO-JOYA展はマタデロ文化センター内のCASA DEL LECTOR/カサ・デ レクトルというヘルマン・サンチェス・ルイペレス財団という書籍、出版、読書を推進する財団の運営する会場で行われています。子供の読書を推進したり、出版業界のイベント、本、文芸に関わるワークショップや関連会社のワークスペーストして使われています。
KIMONO-JOYA展では日本の古い男性用の黒地の絹の羽織を題材とした作品の展示をしています。アーティストが日本へ抱く憧れや特別な思いを感じることができます。中でも、私の叔父である日本人和歌詩人・大河原淳行の和歌が作品と混じり合って現れます。文学推進を目的とした財団の会場にピッタリと合い、また作品を違う世界に誘い出すような詩の力とその広がっていく一つ一つの作品の世界をじっくりと楽しめる展覧会です。

2022年10月6日オープニングが開かれました。
左から:ヘルマン・サンチェス(ルイペレス財団ディレクター)、ルイス・ゴンザレス・マルティン(アーティスト)、カルロス・ムニィス(アーティスト)、根岸文子、イサベル・レオン(DIMAD会長)、グロリア・エスクリバノ(DIMAD)、ダビッド・バリエントス(NISSANコミュニケーション マネージャー)、ペドロ・ゴンザレス・トロバ(マドリッド市行政コーディネイター)。
*写真:アドリアン・バスケス













オープニングでは、マタデロ文化センター内のスペイン国立バレエ団に所属する日本人ダンサー・新田愛結花さんがコラボレーションで作品の前で、踊りを披露してくれました。1Fのスペースでは常時、彼女の踊りがビデオで上映されています。
パンデミックの収束を感じさせるスペイン・マドリッドの街は公共の乗り物、病院、薬局はマスク着用義務が残っておりますが、その他の生活はもとの生活にすっかり戻っています。
コンサート、祭り、イベントも以前のように開催され、そんなスペインは現在、小さな日本ブームが起こっています。パンデミックで遠い異国に行けないという思いが、スペインからは遠い国、日本への憧れとなったのでしょうか。
日本の開国の時代とパンデミック収束とが重なって見えてきたりもします。
そんなニュー・ジャポニスムの時代、自分の中に潜む大切なものを発見しつつ、それを大切に次世代に伝えられるようなアートを心がけていきたいと思っています。
(ねぎし ふみこ)
●根岸文子作品のご紹介
根岸文子《行く川の流れ a》
2021年
絹にアクリル画
60x33cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆本日から「Tricolore 2022 ハ・ミョンウン、戸村茂樹、仁添まりな」を開催します
会期:12月9日(金)~12月23日(金)※日・月・祝日休廊
出品21点のデータと価格は12月4日ブログをご参照ください。


●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊
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