石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 Art in Box ーマルセル・デュシャンの《トランクの箱》とその後
会場:アーティゾン美術館 4階 展示室
会期:2022年10月25日[火] - 2023年2月5日[日]
開館時間:10:00ー18:00(毎週金曜日は20:00まで) *入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(1月9日は開館)、11月4日、12月28日ー1月3日、1月10日

同時開催
2022年11月5日[土]ー2023年2月5日[日]
パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂(6・5階 展示室)

アーティゾン美術館で現在開催中の「パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂」と「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 Art in Box ーマルセル・デュシャンの《トランクの箱》とその後」(会期=)を観に行きました。
今回は、美術館4階で開催中の特集コーナーをご紹介します。
本展は、「箱の中の芸術」に焦点を当て、マルセル・デュシャンと以後の展開を示そうとした特集コーナーです。デュシャンの《トランクの中の箱》を起点に、《グリーン・ボックス》(1934年)、《ホワイト・ボックス》(1966年)、《各階水道ガス完備》(1959年)や、デュシャンの近くにいたジョセフ・コーネルや、瀧口修造、岡崎和郎、山口勝弘、松澤宥、フルクサス塩見允枝子などの「箱の中の芸術」作品がメインとなり、展示されています。
幣ギャラリーから提供している塩見允枝子《音楽の小瓶"1~#14》は、1993年にケルンのフルデルトマルク画廊が主催した「サウンド・オブジェクト展」のために制作したシリーズ作品で、様々な音楽的コンセプトが小瓶の中に詰められています。
音楽の小瓶コンプリート版2
塩見允枝子
音楽の小瓶 #1~#14
1993年
ミクスドメディア
瓶高:8.0~9.5cm
アタッシェケースサイズ:12.0×42.5×34.0cm
Ed.2
各ボトルにサインとナンバー入り


リーフレット600展示会場で配布しているリーフレット


IMG_2990
マルセル・デュシャンの《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(グリーン・ボックス)》は、およそ1911年から1920年の間の手書きのメモ、素描、写真の複製など計94点が収められた作品です。

IMG_2987
マルセル・デュシャン《不定法にて(ホワイト・ボックス)》はデュシャンによるメモと紙片の複製を箱に収めた作品で、それぞれのフォルダーには「思索」「辞典と地図」「色彩」「ガラス作品に関して」「外観とアパリション」「透視法」「連続性」という名称が付いています。

IMG_2985
ジョセフ・コーネルのアッサンブラージュやコラージュは、シュールな物語を感じるような独特な世界観があり、魅了される作品です。

IMG_2982
左から、瀧口修造+岡崎和郎の《檢眼圖》、山口勝弘《ヴィトリーヌ》と《ヴィトリーヌ 昇天》
実験工房の結成に参加した山口勝弘の作品《ヴィトリーヌ》は、前面にモールガラスをはめることで屈折によって見え方が変化するというもの(フランス語でショー・ウィンドウの意味、瀧口修造によって名付けられる)。

この他、撮影不可でしたが、マルセル・デュシャンの《マルセル・デュシャンあるいはローズ・セラヴィの、または、による(トランクの箱)シリーズB》や、瀧口修造《漂流物 標本函》、フルクサスの「携帯できる美術館」となっている《Fluxkit》など、「箱の中の芸術」の世界を楽しめますので、会期中に是非お運びください。
おだち れいこ
~~~~~~~~~~~~~~~~
塩見允枝子+フルクサス SHIOMI Mieko+FLUXUS 限定版カタログ
塩見展表紙202208131280発行:2022年9月2日
塩見允枝子/作品点数:30点 図版点数:46図 挿図:12図(日英) 
フルクサス/9作家・作品点数:28点 図版点数:47図
出品:塩見允枝子、ジョージ・マチューナス、ナム・ジュン・パイク、靉嘔、斉藤陽子、アレン・ギンズバーグ、ジョナス・メカス、ヨーゼフ・ボイス、マース・カニングハム、ジョン・ケージ
執筆:塩見允枝子「フルクサスの回想」「主要作品解説」
編集・デザイン:柴田卓
写真:Colla: J 塩野哲也
資料作成:尾立麗子、松下賢太
翻訳:新澤悠、勝見美生
体裁:サイズ24.0cm×16.0cm、110頁、日本語・英語併記
日英併記の塩見允枝子テキスト「フルクサスの回想」、塩見允枝子作品の「主要作品解説」、塩見允枝子作品画像とフルクサスの作家たちの作品を掲載した限定版カタログです。
価格:限定版(365部) 3,300円 +送料250円
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください


*画廊亭主敬白
雑誌やネットで年間回顧がいくつも出ていますが、
@tsuki_zuki_さんのtwitterより再録させていただきます。

2022年よかった展覧会10
✴︎ミニマル/コンセプチュアル ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術展(愛知県美術館)
✴︎Viva Video! 久保田成子展(東京都現代美術館)
✴︎あいち2022(愛知)
✴︎KYOTOGRAPHIE(京都)
✴︎ゲルハルト・リヒター展(豊田市美術館)
✴︎ルートヴィヒ美術館展(国立新美術館)
✴︎コレクション1 遠い場所/近い場所(国立国際美術館)
✴︎塩見允枝子+フルクサス(ときの忘れもの)
✴︎荒川修作 展 A LINE IS A CRACK(岐阜現代美術館)
✴︎沖潤子 さらけでるもの(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館)

ときの忘れものの展示を評価してくださる方がいる、嬉しいですね。

12月28日(水)~2023年1月4日(水)まで冬季休廊中です。
新年の営業は2023年1月5日(木)からです。

●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊