細江英公薔薇刑32_1961
細江英公《薔薇刑 作品32》
1961年(printed later)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:36.7×54.8cm
シートサイズ:50.8×60.9cm(20×24インチ)
サインあり

本日3月18日は細江英公先生の90歳のお誕生日です(1933年3月18日生まれ)。
ますますのご健康をお祈りするとともに、あまりにも有名な細江先生の代表作をご紹介します。
被写体は作家の三島由紀夫。
ご存じのとおり小説『仮面の告白』や『金閣寺』など多数の代表作をもち、政治運動や文学界に大きな影響を与えました。
本作「薔薇刑」については、打林俊先生に本展のために書いていただいたテキストに詳しく書かれていますので、「怒号にさざめく現像液-細江英公の〈薔薇刑〉をめぐって」をぜひお読みください。

1961年9月、細江先生は当時28歳。
当時36歳だった三島由紀夫氏から突然撮影の依頼があったそうです。
依頼以前は一度会ったことがあるというだけの関係だったそうですが、三島氏が細江先生の「おとこと女」の写真が気に入っていたそうで、依頼してきたそうです。

「「それでは、ぼくの勝手で撮ればいいのですね?」と確認すると、氏は「そうですよ、ぼくは細江さんの被写体になるのですからね」と言った。「被写体」という言い方に私は驚いた。通常ならば「モデルになる」「撮ってもらう」とでも言うところを「被写体」という写真家側の用語を氏の口から聞いたときは「これで俺の勝ちだ」と思った。」
(『なんでもやってみよう●私の写真史』2005年、(株)窓社、p.194~195より引用)

「私が三五ミリカメラで二本(三六コマ×二本=七二コマ)撮影しても、「目を見開いてレンズを凝視してください。もっと強く、もっと強く」という無理な注文をつけても、氏は眼を大きく見開いたまま、まばたき一つしないで私の要求に応えてくれた。」
(『なんでもやってみよう●私の写真史』2005年、(株)窓社、p.195より引用)

20210213194725_00001 のコピー『薔薇刑』撮影風景
(『なんでもやってみよう●私の写真史』2005年、(株)窓社、p.197より引用)


●打林 俊先生によるギャラリートークもYouTubeにて公開しています。
映像制作:WebマガジンColla:J 塩野哲也


ジョナス・メカスの映像作品27点を収録した8枚組のボックスセット「JONAS MEKAS : DIARIES, NOTES & SKETCHES VOL. 1-8 (Blu-Ray版/DVD版)」を販売しています。
映像フォーマット:Blu-Ray、リージョンフリー/DVD PAL、リージョンフリー
各作品の撮影形式:16mmフィルム、ビデオ
制作年:1963~2014年
合計再生時間:1,262分
価格等については、3月4日ブログをご参照ください。

●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
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