スタッフSの海外ネットサーフィン No.111

Ettore Sottsass. La Parola (The Word)
La Triennale di Milano


 読者の皆様こんにちは。春の訪れが肌に感じられるようになってきたと思いきや、終日の雨で体が心から冷える今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。暖かくなるにつれ舞い散る花粉に日々涙と鼻水で枕を濡らしております、スタッフSこと新澤です。

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La Parola, installation view, foto Gianluca Di Ioia, © Triennale MIlano

 今回ご紹介するのはイタリア・ミラノのTriennale di Milano。ミラノやナポリといえばファッションで有名ですが、家具などのデザインでも名が知れています。元は1920年代にモンツァで始まった国際装飾美術展が1930年代に開催地をミラノに移し、以来90年に渡りTriennale di Milanoは地域の文化と経済交流の原動力として活動を続けています。そんなTriennale di Milanoで4月2日まで開催されているのが上に書いた、イタリアン・デザインに対する世界的な評価を高めた一人として知られるオーストリア=ハンガリー帝国生まれのイタリア人建築家にしてインダストリアルデザイナー、エットレ・ソットサスの「Ettore Sottsass. La Parola (The Word)」です。ときの忘れものでは直接の扱いはありませんが、倉俣史朗が参加したメンフィスの主宰者という縁がある作家です。現在開催されている展覧会は「Struttura e colore (Structure and Color)」と「Il calcolo (Calculation)」に続く、三回目のエットレ・ソットサス展で、その内容は、タイトル通り「文字」をテーマとしており、ドローイング、オブジェ、文章、未発表作品のセレクションを通して、ソットサスの独自性を表現しています。上記の他にもリスト、説明、告白、日記、コメント、物語、雑誌、マニフェスト、同人誌、記事、スピーチ、会議、レビュー等、ソットサスに関わる様々な「文字」を通じて、この作家の多様性を知ることができます。

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La Parola, installation view, foto Gianluca Di Ioia, © Triennale MIlano

 また、現在常設展でもソットサスが展示されており、こちらは1960年代にデザインされた個人住宅「Casa Lana」が再現されています。ミラノ在住の版画家ジョバンニ・ラナの邸宅を再現した展示で、こちらの展示は4月30日までの開催となっています。実寸大で再現された、60年前に設計されたとは思えないデザインと色使いは、是非とも実見してみたい「作品」です。向こう一月にミラノを訪れる予定がある方は是非おでかけください。

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Casa Lana set up in Triennale Milano © Triennale Milano

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左)Casa Lana © Triennale Milano
右)Casa Lana di Ettore Sottsass © Triennale Milano – foto Delfino Sisto Legnani e Alessandro
(しんざわ ゆう)

展覧会公式ページ(英語)
ソットサス常設展「Casa Lana」公式ページ(英語)
美術館公式ページ(英語)

●本日のお勧め作品はエットレ・ソットサスです。
ソットサスポスターエットレ・ソットサス
(佐田建設グループ 佐田住宅センター)ポスター
c.1980年
オフセット
73.0×51.5cm
※中央縦に折目あり
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