四国・宇和島に在住の清家克久氏は瀧口修造の熱心なコレクターであり、長年にわたり蒐集してきた瀧口とその関連作家たちについて、ときの忘れもののブログで「瀧口修造を求めて」(全12回)、「瀧口修造と作家たち ― 私のコレクションより ―」(全14回)を連載されてきました。
このたび清家氏のコレクションの中から23作家の26点を選び、展示するとともに、リスクの少ない中間落札方式で全点を頒布します。

出品作家は、瀧口修造加納光於駒井哲郎、ジャン・フォートリエ、アントニ・タピエス、アンリ・ミショー、浜口陽三、藤田嗣治、池田満寿夫靉嘔小山田二郎、古茂田守介、中川幸夫、八木一夫、吉原治良、松澤宥、ジョアン・ミロサム・フランシス、野中ユリ、マン・レイ、ポール・エリュアール、篠原佳尾、ヴォルスです。
順次、作品をご紹介してまいりますが、トップバッターは瀧口修造作品です。

No.1 瀧口修造「デカルコマニー(裏にも作品あり)」
01_瀧口修造A瀧口修造「無題(裏に作品あり)」
1960年代
紙にデカルコマニー
13.8×9.8cm


01_瀧口修造B裏の作品

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この作品は1985年に佐谷画廊で開催された「第5回オマージュ瀧口修造展」に出品され、同展カタログに図版が載っています。清家さんは〈この展覧会を見に行くことができず、やむなく知人を介して購入することになった〉そうです。
〈デカルコマニーは瀧口修造の代名詞と言っても過言ではないだろう。〉
〈デカルコマニーは紙と絵具の転写によって出来る「偶然性による影像の瞬間的定着」と言えるが、それは戦前にシュルレアリスムの影響を受けて瀧口が行っていた詩作(後に自ら「詩的実験」と名付けた)と通底している。〉
清家克久「瀧口修造と作家たち~私のコレクションより」第1回 瀧口修造のデカルコマニー より)

No.2 瀧口修造「デカルコマニー(サインあり)」
02_瀧口修造瀧口修造「無題」
1971
紙にデカルコマニー
19.7×13.5cm
台紙サイズ30.3×26.0cm
台紙に「鶴岡善久様 瀧口修造 一九七一年一月」為書あり、台紙にサインと年記あり

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稀少なサイン付きのデカルコマニーです。
〈作品の右下にSHUZO TAKIGUCHI ‘71のサインと裏面に毛筆で日付と献呈署名がある。元額の裏面に「所有者名・1971年出品」のシールが貼ってあるので新宿のバー「セバスチャン」で展示されたものだろう。1985年の佐谷画廊の展覧会にも出品され、カタログにも載っている。〉
清家克久「瀧口修造と作家たち~私のコレクションより」第1回 瀧口修造のデカルコマニー より)

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No.19 瀧口修造+ジョアン・ミロ
ミロ瀧口修造+ジョアン・ミロ
詩画集『ミロの星とともに』(平凡社発行)
1978
37.5×18.0cm
全幅576.0cm
外箱:47.0×45.5×6.0cm
Ed. 500
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〈瀧口修造の日本語の詩による本文の刷り見本をミロの許へ送り、ミロがそれに絵付けした画稿を元に日本の印刷技術の粋を尽くして完成したもので、ミロは「私の情熱を掻きたてた」と手紙に書き、途中から特装本(限定50部)のリトグラフまで制作するという熱の入れようだったことが瀧口のあとがきに紹介されている。〉
〈ジョアン・ミロの挿画の一部を表紙にした段ボール函に黒布織装の夫婦函が収められ、その中には本冊と瀧口のあとがき、仏文のテキスト、一枚刷りの奥付などが入っている。本冊は伸ばすと全長5m76cmの大作である。〉
清家克久「瀧口修造と作家たち~私のコレクションより」第14回 瀧口修造と詩画集 より)

「瀧口修造と作家たちー清家コレクション展(入札)」
会期=2023年7月7日[金]~7月15日[土] 11:00-19:00 ※日・月・祝休
353_a353_b出品作品の詳細と入札方法については6月27日のブログをご覧ください。


ジョナス・メカスの映像作品27点を収録した8枚組のボックスセット「JONAS MEKAS : DIARIES, NOTES & SKETCHES VOL. 1-8 (Blu-Ray版/DVD版)」を販売しています。
映像フォーマット:Blu-Ray、リージョンフリー/DVD PAL、リージョンフリー
各作品の撮影形式:16mmフィルム、ビデオ
制作年:1963~2014年
合計再生時間:1,262分
価格等については、3月4日ブログをご参照ください。

●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
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