ときの忘れものブログは年中無休、今年もご愛読ありがとうございました。
365日、年中無休で毎日更新できたのは多彩な執筆陣の皆様と読み続けてくださった読者の皆さんのおかげです。
ときの忘れもののブログに2023年にご寄稿、ご登場いただいた皆さんは43人(たぶん・・・)。
感謝をこめてご紹介いたします(五十音順、敬称略)。
●石原輝雄
「マン・レイになってしまった人」と自称する通りマン・レイの世界的コレクター。コレクションの成果は執筆、印刷、製本まですべてひとりでやる銀紙書房の刊本に結実しています。今年5月にはマン・レイの受容史『マン・レイと日本 1926~2022』を上梓され、ブログでも充実の刊行記を執筆していただきました。
●伊藤公象
1984年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展に日本代表として参加するなど、土を素材にした陶造形のパイオニアとして活躍されてきた伊藤公象先生。7月にブログの執筆をお願いをすると、卒寿を過ぎた今も「新作のドローイングやコラージュの制作をひたすら続けて」おり、「未発表の陶造形や新作の陶の小品、ドローイングは100数点、コラージュは30数点」に及ぶというエネルギッシュな近況を知らせてくださいました。
●稲川直樹
稲川先生に全5回の連載「磯崎新の住宅建築と勝山の二作品」をご執筆いただいたことは、誠に喜ばしい出来事でした。磯崎先生のアトリエで働かれていた稲川先生だからこその、貴重なエピソードや図版の数々。稲川先生が故・藤江秀一さんと担当され、3月に「福井県勝山・磯崎建築ツアー」でご案内いただいた「中上邸イソザキホール」についても、詳細に論じられています。
●今村創平
2006年から当ブログでお世話になっている今村先生には、今年アルヴァ・アアルトと二人の妻を追ったドキュメンタリー映画『アアルト』のレビュー記事をご執筆いただきました。映画は建築をどう映し出すのか、その撮影はアアルトの作風とどう響きあうのか……様々な角度から作品の魅力を鮮やかに照らし出すレビューは、千葉工業大学で建築史、建築理論を説かれている今村先生だからこそ執筆いただけた内容です。
●梅津元
「今、私は、猛烈に後悔している」。そんな書き出しに興味を惹かれ、リンクを開いてみると、気づけば一気に原稿を読み終えていました。梅津先生の書かれるグルーヴィーな文章を、瑛九ファンの皆様にはもちろん、瑛九とまだ出会われていない方にもぜひご一読いただきたく思います。現在第4回までを公開している連載「瑛九-フォト・デッサンの射程」では、10年前に当ギャラリーが開催した「第23回瑛九展」の伝説的なトークの内容をお読みいただけるほか、新年からは新たな話題も展開される予定です。
●王 聖美
WHAT MUSEUM学芸員を経て、現在は湯島の国立近現代建築資料館で研究を続けておられる王さん。
2019年から始まった連載エッセイ「気の向くままに展覧会逍遥」は12月18日の更新で第30回をむかえました。今春4月1日に開催した、ときの忘れもの主催の「群馬 磯崎建築ツアー」についても、素晴らしいレポート記事を執筆していただきました。
●大塚理司
「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」期間中、来場者をあっと驚かせたのが大塚理司先生のインスタレーションです。大量の竹をギャラリー内に持ち込み、その場でみるみる完成した作品は、ときの忘れものに新たな息吹を運んでくれました。令子社長も作品を観て「宇宙を感じる」と一言。会期中は大塚先生経由で初めてご来場くださったお客様も多数いらっしゃいました。
●太田岳人
亭主が大昔お世話になった上村清雄先生のお弟子さんで、イタリア未来派を専門とする気鋭の研究者である太田さん。「よりみち未来派」は、視覚的な芸術のお話のみならず音楽の話題を展開されたり、若き未来派愛好家へのインタビューを実施されたりと、「よりみち」の豊かさ・楽しさを教えてくれる連載エッセイです。
●大竹昭子
当ブログで120回以上続く人気連載「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」を執筆してくださっている大竹昭子先生。今年はその連載が赤々舎から書籍化されるというおめでたい出来事があり、iwao gallery とときの忘れものの2会場で刊行記念展を開催しました。
●鏑木あづさ
東京都現代美術館、埼玉県立近代美術館などで、美術の資料にまつわる業務を担当されてきた司書・アーキビストの鏑木先生。ときの忘れものとしては初となる関根伸夫先生の個展「関根伸夫展ー旅する人」に濃密なレビューを寄せてくださいました。「彼との出会いから少なくとも、一年間はまとまった絵画が描けなかった」。一文目から心をぐっと掴まれます。
●北川太郎
今年、ときの忘れものの庭を彩ってくれたのは北川太郎先生が制作された石の作品群でした。ブログに綴っていただいたイタリア、カッラーラでの在外研修での様子を読むと、毎日目にする作品への愛着がますますわいてきます。ギャラリーで作品をご覧いただいた方にぜひお読みいただきたいエッセイです。
●光嶋裕介
ときの忘れもの亭主と社長がふたりで西武池袋線に乗車していたときのこと。目の前のご婦人が光嶋さんの書籍『ここちよさの建築』(2023年、NHK出版)を読んでいるところに遭遇したそうです。当ブログではそんな人気書籍を、贅沢にも光嶋先生ご本人が紹介してくださっています。わかりやすく優しい口調で綴られた文章からは、書籍の魅力の片鱗をのぞいていただけるのではないでしょうか。
●小国貴司
ときの忘れものから歩いて数分、駒込を代表する古本屋さん「BOOKS青いカバ」の小国貴司さんは、他メディアでも連載をスタートさせるなどご多忙の中、今年も連載エッセイ「かけだし本屋・駒込日記」の執筆を継続してくださいました。「推敲はあえて(ほぼ)しない」という本連載に綴られた、嘘のない言葉をぜひお読みください。
●小林美紀
生まれも育ちも宮崎の小林美紀先生は、宮崎県立美術館の学芸員として「生誕100年記念瑛九展」を担当、続いて「生誕110年記念 瑛九展-Q Ei 表現のつばさ-」も担当された瑛九のエキスパートです。今年は1月に「瑛九の銅版画と原版」、6月に「10代で「瑛九」と出会った湯浅英夫」という2記事をご執筆いただいたほか、「第33回瑛九展/湯浅コレクション」カタログにも大谷省吾先生、工藤香澄先生と共に原稿を寄せていただきました。
●酒井実通男
知る人ぞ知る<椅子と西脇順三郎>のコレクター、酒井実通男さんが新連載「西脇順三郎をめぐる私のコレクション」を開始してくださったのは今年9月のこと。酒井さんによるメロディアスで感情の乗った文章を読むのが、今では毎月の楽しみになりました。新潟県長岡市から届けられる散歩や珈琲時間のお写真も見どころの一つです。
●佐藤圭多
プロダクトデザイナーであり、以前はときの忘れもののご近所さんでもあったポルトガル在住の佐藤さん。「大西洋のファサード -ポルトガルで思うこと-」は、日常生活を起点にしながらも哲学的な奥行きをもつ、美しい写真も見どころの連載エッセイです。
●佐藤研吾
秋の「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」で新作を制作してくださったほか、磯崎新のホワイトハウスで開催された展示にも参加されていた佐藤研吾さん。「大地について―インドから建築を考える―」は、福島県大玉村を拠点に、インド、東京、福島を往還しながら、建築や創作活動に取り組む佐藤さんの思考の跡が垣間見える連載エッセイです。
●塩見允枝子
東京藝術大学在学中から小杉武久らと「グループ・音楽」を結成し、ナム・ジュン・パイクの紹介で1964年に渡米してからはマチューナスが主導したフルクサスに参加した塩見先生。今年4月には1994年に神戸のジーベックで上演されたフルクサス・メディア・オペラの記録動画をYouTubeに載せたいという光栄なご相談をいただきました。少しお手伝いしただけですが、ぜひ多くの方々にご覧いただきたいと思います。
●東海林洋
ポーラ美術館の学芸員である東海林先生が2回にわけてご執筆くださったのは「香港訪問記」。活気あふれるArt Basel香港の様子と、大規模な近現代美術館「M+」の様子をレポートしてくださいました。「日本の近現代美術をアジアや世界の文脈のなかで相対化する必要性というものに本当の意味で気付かされた」という言葉は見過ごすことができません。
●杉山幸一郎
スイスのピーター・ズントーのアトリエ出身・建築家杉山幸一郎さんは2021年秋からスイス連邦工科大学デザインアシスタント、建築設計事務所atelier tsu所属。スイスから隔月で届けられる連載エッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は、「ブロッケンハウス」「民間防衛センター」など、日本では馴染みない文化や施設についても学ぶことができる内容で、好奇心を刺激されます。
●清家克久
今年7月、ときの忘れものでは清家克久さんのコレクションの中から23作家の26点を選び展示いたしました。ブログ連載「瀧口修造と作家たち―私のコレクションより―」の読者の方も多くいらっしゃったのでしょう、四国・宇和島から清家さんが上京された初日は「千客万来」の賑わいでした。
●髙木愛子
金沢の谷口吉郎・吉生記念金沢建築館で開催された「アニメ背景美術に描かれた都市」展。「ときの忘れものと、いったい何の関係が?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。ご縁をつないでくださったのは、亭主の旧友でもある平嶋彰彦さんの存在でした。ことの詳細と、展覧会の様子については髙木先生が執筆くださった克明なレポート記事をお読みください。
●田中龍也
群馬県立近代美術館の学芸員・田中先生には1月から4月にかけて開催された「アートのための場所づくり 1970年代から90年代の群馬におけるアートスペース」の詳細なレポート記事をご執筆いただきました。まだインターネットが発達していたとは言えない時代、作家たちが集い、作品を発表し、観客と交流する「場所」がどのような役割を果たしてきたのかをつぶさに検証する同企画。亭主の生まれ故郷でもある群馬で、美術をめぐる状況がどのように変化してきたのかを考える、良い機会をいただきました。
●丹下敏明
東京国立近代美術館で「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が開催された今年。2022年からスタートした連載「ガウディの街バルセロナより」もますますの注目を集めました。かつて「年に地球1周ぐらいの距離を車で走っていた」という丹下先生がこれまでに目にした景色を、貴重なお写真や図版と共に紹介してくださる原稿は必読の内容です。
●土渕信彦
西の石原輝雄さん(マン・レイ)と並び東の土渕信彦さんも有数の現代美術のコレクターであり、瀧口修造研究の第一人者です。このブログの常連執筆者でもある土渕さんへの絶大な信頼のもと、今年は千葉市美術館「『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」のレビューと、運命的な巡り合わせが印象的な青木宏追悼展レビューをご執筆いただきました。2024年の年明けすぐにも新たな記事を公開予定ですので、どうぞお楽しみに。
●戸田穣
ジャン=バティスタ・ピラネージ(1720-1778)の《牢獄》(1761年ピラネージの原作、1961年Bracons-Duplessisによる復刻)を一挙展示した8月の「幻想の建築 ピラネージ展」は想像以上の大反響でしたが、その時期のブログアクセス1位は、常に戸田先生に執筆いただいた全2回の解説でした。原稿内に「澁澤龍彦の著書を通じてピラネージの名前を知った人は多い」という旨の記載がありましたが、今後、戸田先生の原稿を通してピラネージを知る読者も続々と現れてくるでしょう。
●戸村茂樹
岩手県盛岡を拠点に活動を続ける戸村茂樹先生。今年は「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」に寄せて、ステートメントをご執筆くださいました。先生が大切にされているという素描の時間をおすそわけいただくような作品群は、展示期間中たくさんのお客様をひきつけていました。
●中尾美穂
信州にあった池田満寿夫美術館で長年学芸員を務めた中尾美穂さんの連載エッセイ「ときの忘れものの本棚から」は、今年20回目に突入されました。1974年に32歳の若さで他界した難波田史男について、日本各地に点在するコレクションの存在や展覧会歴など、さまざまな角度から照らし出す特集「難波田史男:宇宙ステーションへの旅」は、読み応えたっぷりでありながら親しみやすさも感じられる、入門にぴったりの内容です。
●中村孝幸
「二晩通いました」。たった一言で充実感が伝わってくる中村孝幸さんのBar CoMbLeレポートは、倉俣史朗展の会期中に大きな反響を呼びました。静岡まで足を運んだうえで執筆くださった温かみのある文章は、多くの読者を静岡へといざなったことでしょう。まだCoMbLeに行かれたことのない方は、ぜひこちらの記事を旅のしおりにどうぞ。
●中村惠一
現代版画センターのシンポジウムに学生時代から参加していたという私たちの最も古い顧客の一人、中村惠一さん。今年4月には『美術ペン』167号に「美術資料のアーカイブについて」という論考を寄稿され、私どもの刊行したカタログについても言及してくださいました。いまにも春風が吹いてきそうな美しい写真と共に届けられた軽井沢高原文庫、軽井沢現代美術館の各レポート記事をぜひお読みください。
●仁添まりな
7月の「ART OSAKA 2023」と10月の「ART TAIPEI 2023」、11月の「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」と、たくさんの企画にご協力くださった仁添まりな先生。⼤学院博⼠課程では琉球絵画の花⿃画について研究され、休暇の際には⽣物学の研究者たちと⼭や海に⾏き、制作テーマとなる動植物の素材や資料を収集されているのだそう。思わずハっと息をのむような仁添作品の華やかな魅力を、来年も多くの方と共有できれば幸甚です。
●根岸文子
1993年からスペインに在住し、制作を続けられている根岸文子さん。今年は2度「Artists Recently」をご執筆くださり、スペイン・グラナダの美術学校で実施されたアートの講習や、同じくスペイン・アストゥリアス州で行われた夏の大イベント「Metropoli-Gijon」の様子を伝えてくださいました。ちなみにこの夏は、根岸さんの娘であるHさんがときの忘れものにアルバイトをしに来てくださり、スタッフは大助かりでした。この場を借りて改めて御礼を申し上げます。
●芳賀繁浩
2022年9月、アルベルゲ(巡礼宿)の開放性、平等性、相互性を運営の理念とし、日本における新しい巡礼路の建設を目指して活動する一般社団法人「日本アルベルゲ協会」 を立ち上げられた芳賀繁浩さん。1月には杉山幸一郎さんとの出会いから法人発足までをご寄稿いただきました。次いで「ふくしま浜街道トレイル開通までの歩み」を書いていただき新春早々に掲載予定です。ご多忙の中、ときには特急ひたちの中から原稿を送ってくださった芳賀さん、ありがとうございました。
●平澤広
岩手県花巻市にある萬鉄五郎記念美術館の館長・平澤先生には3月から4月にかけて行われた「追悼 大宮政郎展」の様子を伝えていただきました。展示では、最初期から最晩年の未発表の《降神》シリーズまで、約650点(!)にのぼる作品が紹介されたのだそう。写真を眺めているだけでも、エネルギーの片鱗が感じられるようでした。今年9月からは空調設備改修工事のため休館していた同館ですが、来年1月13日から再開、「師岡和彦展」がスタートするそうです。
●平嶋彰彦
『宮本常一 写真・日記集成』はじめ多くの書籍を手掛けた名編集者でもある平嶋彰彦さん(「平嶋彰彦がつくった本」参照)。今年は3年ぶりとなる個展「東京ラビリンス/カラー」を開催し、街歩きの中で撮影したカラー写真の中から、監修の大竹昭子先生が選出した20点をご覧いただきました。会期中は全日先生にご在廊いただいたこともあり、連日画廊で同窓会が開かれているかのような賑わいに。
●藤江民
藤江民先生は「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」の開催に合わせて、お住まいの富山県富山市からわざわざ駒込へと足を運んでくださいました。展示では「20年以上前から独自にやっている二つの手法が合体した」という新作はもちろん、2021年に制作された銅版画も大好評。コロナ禍を経て4年ぶりに開催した忘年会にもお越しいただき、喜びあふれる年の瀬となりました。
●松畑強
磯崎新のホワイトハウスとNYの「a83」、そしてオンライン上の「DISTANCE.media」を舞台に展開されたプロジェクト「往復書簡/Correspondence」。佐藤研吾さんも参加された同企画のレビュー記事を公開するにあたり、綿貫が真っ先に指名したのが松畑さんでした。書籍『建築とリアル』(1998年、鹿島出版会)では「『廃墟』磯崎新論へ」の項目を設け、コロンビア大学で学ばれた松畑さんが短期間で書き上げてくださったレポートは「流石」の一言です。
●三上 豊
第1号から第5号まで刊行した「版画掌誌ときの忘れもの」の編集も担当してくださった三上先生が今年、新連載をスタートしてくださいました。タイトルはずばり「今昔画廊巡り」。以前にも貸し画廊の記録集を制作されていた三上先生が、数十年前の画廊での体験と現在を橋渡ししてくださる贅沢なコンテンツです。
●村井威史
今年生誕100年を迎え、「『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容」展でも注目を浴びた大辻清司。その創作活動を「ほぼ網羅する唯一無二のコレクション」を持つのが、武蔵野美術大学 美術館・図書館です。村井威史先生が執筆してくださったレポート記事からは、アーカイブの整理/研究がいかに丁寧に行われてきたのかが伝わってきます。
●百瀬寿

「キラキラ・ギラギラカラー」。そんなタイトルと共に百瀬先生が綴ってくださったのは、メタリックな色や和紙への愛着について。来年80歳を迎える先生のみずみずしい感性に、大いに触発されました。写真は今年6月、「第33回瑛九展/湯浅コレクション」を訪れてくださった際のショット。
●湯浅良介
建築家・槇文彦氏の発案のもとで始まったコンペティション/入選展「SDレビュー」に今年入選された建築家の湯浅良介さん。4月には、当ブログで初となる記事をご執筆くださいました。湯浅さんが過去に行った展覧会の記録本『Houseplaying No.01 Video』も、ギャラリーで扱わせていただきました。オンラインショップの在庫も残りわずかとなりましたので、よろしければご覧ください。
●渡辺貴子
山梨の富士吉田市で、家業である織物業の傍ら制作を続けられている渡辺さん。「Artists Recently」に寄せられた原稿を通して、今もなお新たな試みにチャレンジを続ける先生の意欲的な近況を知ることができました。こちらまで前に進むエネルギーをいただいたような気持ちです。
●井戸沼紀美
今年からときの忘れものスタッフになった井戸沼による映画連載「二十二日の半券」も、継続して更新中です。ジョナス・メカスさんの生誕100周年を記念して世界各地でイベントが行われた今年は、井戸沼も韓国の展示レポートや恵比寿映像祭での特集上映レポートなどを執筆しました。
その他、転載・再録させていただいた記事は下記となります。
・2023年01月25日 田中純「磯崎新論」
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53510811.html
・2023年01月27日 関根伸夫「<発想>について」第1回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509125.html
・2023年01月31日 関根伸夫「<発想>について」第2回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509126.html
・2023年02月03日 関根伸夫「<発想>について」第3回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509127.html
・2023年02月04日 関根伸夫「<発想>について」第4回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509128.html
・2023年02月05日 関根伸夫「<発想>について」第5回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509129.html
・2023年03月21日 山下裕二「葉栗剛 - ドメスティックな木彫をとりもどす」
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53515294.html
・2023年06月21日 田中純「東京大学教養学部美術博物館」改造計画案をめぐって
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53520089.html
・2023年12月02日 内間洋子 NY版画展 9月21日~12月23日
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53530626.html
・2023年12月03日 堀江敏幸「かぎりなく喪失を所有する薔薇ー倉俣史朗展」再録
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53531714.html
●現在、テーマ別に月一回、または隔月でエッセイを連載しているのは以下の皆さんです。
・ 大竹昭子のエッセイ「迷走写真館~一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
・ 小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」は毎月5日の更新です。
・ 佐藤研吾のエッセイ「大地について―インドから建築を考える―」は毎月7日の更新です。
・ 杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
・ 太田岳人のエッセイ「よりみち未来派」は隔月・偶数月の12日の更新です。
・ 平嶋彰彦のエッセイ 「東京ラビリンス」のあとさき は毎月14日の更新です。
・ 丹下敏明のエッセイ「ガウディの街バルセロナより」は隔月・奇数月16日の更新です。
・ 王聖美のエッセイ「気の向くままに展覧会逍遥」は隔月・偶数月18日の更新です。
・ 中尾美穂の連載エッセイ「ときの忘れものの本棚から」は隔月・奇数月の19日の更新です。
・佐藤圭多のエッセイ「大西洋のファサード -ポルトガルで思うこと-」は隔月・偶数月の20日更新です。
・ 井戸沼紀美のエッセイ「二十二日の半券」は隔月・奇数月の22日の更新です。
・ 酒井実通男のエッセイ「西脇順三郎をめぐる私のコレクション」は毎月23日の更新です。
・ 梅津元のエッセイ「瑛九-フォト・デッサンの射程」は毎月24日の更新です。
・ 三上豊のエッセイ「今昔画廊巡り」は毎月28日の更新です。
・ 植田実のエッセイは随時更新します。
以上、ブログ執筆者の皆さんをご紹介しました。
漏れはないと思うのですが、
長文、最後までお読みいただきありがとうございます。
みなさま良いお年をお迎えください。
(ブログ担当:いどぬま きみ)
●冬季休暇のお知らせ
2023年12月29日(金)~2024年1月4日(木)まで、冬季休暇のため休廊いたします。
新年の営業は2024年1月5日(金)からです。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

365日、年中無休で毎日更新できたのは多彩な執筆陣の皆様と読み続けてくださった読者の皆さんのおかげです。
ときの忘れもののブログに2023年にご寄稿、ご登場いただいた皆さんは43人(たぶん・・・)。
感謝をこめてご紹介いたします(五十音順、敬称略)。
●石原輝雄
「マン・レイになってしまった人」と自称する通りマン・レイの世界的コレクター。コレクションの成果は執筆、印刷、製本まですべてひとりでやる銀紙書房の刊本に結実しています。今年5月にはマン・レイの受容史『マン・レイと日本 1926~2022』を上梓され、ブログでも充実の刊行記を執筆していただきました。●伊藤公象
1984年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展に日本代表として参加するなど、土を素材にした陶造形のパイオニアとして活躍されてきた伊藤公象先生。7月にブログの執筆をお願いをすると、卒寿を過ぎた今も「新作のドローイングやコラージュの制作をひたすら続けて」おり、「未発表の陶造形や新作の陶の小品、ドローイングは100数点、コラージュは30数点」に及ぶというエネルギッシュな近況を知らせてくださいました。●稲川直樹
稲川先生に全5回の連載「磯崎新の住宅建築と勝山の二作品」をご執筆いただいたことは、誠に喜ばしい出来事でした。磯崎先生のアトリエで働かれていた稲川先生だからこその、貴重なエピソードや図版の数々。稲川先生が故・藤江秀一さんと担当され、3月に「福井県勝山・磯崎建築ツアー」でご案内いただいた「中上邸イソザキホール」についても、詳細に論じられています。●今村創平
2006年から当ブログでお世話になっている今村先生には、今年アルヴァ・アアルトと二人の妻を追ったドキュメンタリー映画『アアルト』のレビュー記事をご執筆いただきました。映画は建築をどう映し出すのか、その撮影はアアルトの作風とどう響きあうのか……様々な角度から作品の魅力を鮮やかに照らし出すレビューは、千葉工業大学で建築史、建築理論を説かれている今村先生だからこそ執筆いただけた内容です。●梅津元
「今、私は、猛烈に後悔している」。そんな書き出しに興味を惹かれ、リンクを開いてみると、気づけば一気に原稿を読み終えていました。梅津先生の書かれるグルーヴィーな文章を、瑛九ファンの皆様にはもちろん、瑛九とまだ出会われていない方にもぜひご一読いただきたく思います。現在第4回までを公開している連載「瑛九-フォト・デッサンの射程」では、10年前に当ギャラリーが開催した「第23回瑛九展」の伝説的なトークの内容をお読みいただけるほか、新年からは新たな話題も展開される予定です。●王 聖美
WHAT MUSEUM学芸員を経て、現在は湯島の国立近現代建築資料館で研究を続けておられる王さん。 2019年から始まった連載エッセイ「気の向くままに展覧会逍遥」は12月18日の更新で第30回をむかえました。今春4月1日に開催した、ときの忘れもの主催の「群馬 磯崎建築ツアー」についても、素晴らしいレポート記事を執筆していただきました。
●大塚理司
「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」期間中、来場者をあっと驚かせたのが大塚理司先生のインスタレーションです。大量の竹をギャラリー内に持ち込み、その場でみるみる完成した作品は、ときの忘れものに新たな息吹を運んでくれました。令子社長も作品を観て「宇宙を感じる」と一言。会期中は大塚先生経由で初めてご来場くださったお客様も多数いらっしゃいました。●太田岳人
亭主が大昔お世話になった上村清雄先生のお弟子さんで、イタリア未来派を専門とする気鋭の研究者である太田さん。「よりみち未来派」は、視覚的な芸術のお話のみならず音楽の話題を展開されたり、若き未来派愛好家へのインタビューを実施されたりと、「よりみち」の豊かさ・楽しさを教えてくれる連載エッセイです。●大竹昭子
当ブログで120回以上続く人気連載「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」を執筆してくださっている大竹昭子先生。今年はその連載が赤々舎から書籍化されるというおめでたい出来事があり、iwao gallery とときの忘れものの2会場で刊行記念展を開催しました。●鏑木あづさ
東京都現代美術館、埼玉県立近代美術館などで、美術の資料にまつわる業務を担当されてきた司書・アーキビストの鏑木先生。ときの忘れものとしては初となる関根伸夫先生の個展「関根伸夫展ー旅する人」に濃密なレビューを寄せてくださいました。「彼との出会いから少なくとも、一年間はまとまった絵画が描けなかった」。一文目から心をぐっと掴まれます。●北川太郎
今年、ときの忘れものの庭を彩ってくれたのは北川太郎先生が制作された石の作品群でした。ブログに綴っていただいたイタリア、カッラーラでの在外研修での様子を読むと、毎日目にする作品への愛着がますますわいてきます。ギャラリーで作品をご覧いただいた方にぜひお読みいただきたいエッセイです。●光嶋裕介
ときの忘れもの亭主と社長がふたりで西武池袋線に乗車していたときのこと。目の前のご婦人が光嶋さんの書籍『ここちよさの建築』(2023年、NHK出版)を読んでいるところに遭遇したそうです。当ブログではそんな人気書籍を、贅沢にも光嶋先生ご本人が紹介してくださっています。わかりやすく優しい口調で綴られた文章からは、書籍の魅力の片鱗をのぞいていただけるのではないでしょうか。●小国貴司
ときの忘れものから歩いて数分、駒込を代表する古本屋さん「BOOKS青いカバ」の小国貴司さんは、他メディアでも連載をスタートさせるなどご多忙の中、今年も連載エッセイ「かけだし本屋・駒込日記」の執筆を継続してくださいました。「推敲はあえて(ほぼ)しない」という本連載に綴られた、嘘のない言葉をぜひお読みください。●小林美紀
生まれも育ちも宮崎の小林美紀先生は、宮崎県立美術館の学芸員として「生誕100年記念瑛九展」を担当、続いて「生誕110年記念 瑛九展-Q Ei 表現のつばさ-」も担当された瑛九のエキスパートです。今年は1月に「瑛九の銅版画と原版」、6月に「10代で「瑛九」と出会った湯浅英夫」という2記事をご執筆いただいたほか、「第33回瑛九展/湯浅コレクション」カタログにも大谷省吾先生、工藤香澄先生と共に原稿を寄せていただきました。●酒井実通男
知る人ぞ知る<椅子と西脇順三郎>のコレクター、酒井実通男さんが新連載「西脇順三郎をめぐる私のコレクション」を開始してくださったのは今年9月のこと。酒井さんによるメロディアスで感情の乗った文章を読むのが、今では毎月の楽しみになりました。新潟県長岡市から届けられる散歩や珈琲時間のお写真も見どころの一つです。●佐藤圭多
プロダクトデザイナーであり、以前はときの忘れもののご近所さんでもあったポルトガル在住の佐藤さん。「大西洋のファサード -ポルトガルで思うこと-」は、日常生活を起点にしながらも哲学的な奥行きをもつ、美しい写真も見どころの連載エッセイです。●佐藤研吾
秋の「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」で新作を制作してくださったほか、磯崎新のホワイトハウスで開催された展示にも参加されていた佐藤研吾さん。「大地について―インドから建築を考える―」は、福島県大玉村を拠点に、インド、東京、福島を往還しながら、建築や創作活動に取り組む佐藤さんの思考の跡が垣間見える連載エッセイです。●塩見允枝子
東京藝術大学在学中から小杉武久らと「グループ・音楽」を結成し、ナム・ジュン・パイクの紹介で1964年に渡米してからはマチューナスが主導したフルクサスに参加した塩見先生。今年4月には1994年に神戸のジーベックで上演されたフルクサス・メディア・オペラの記録動画をYouTubeに載せたいという光栄なご相談をいただきました。少しお手伝いしただけですが、ぜひ多くの方々にご覧いただきたいと思います。●東海林洋
ポーラ美術館の学芸員である東海林先生が2回にわけてご執筆くださったのは「香港訪問記」。活気あふれるArt Basel香港の様子と、大規模な近現代美術館「M+」の様子をレポートしてくださいました。「日本の近現代美術をアジアや世界の文脈のなかで相対化する必要性というものに本当の意味で気付かされた」という言葉は見過ごすことができません。●杉山幸一郎
スイスのピーター・ズントーのアトリエ出身・建築家杉山幸一郎さんは2021年秋からスイス連邦工科大学デザインアシスタント、建築設計事務所atelier tsu所属。スイスから隔月で届けられる連載エッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は、「ブロッケンハウス」「民間防衛センター」など、日本では馴染みない文化や施設についても学ぶことができる内容で、好奇心を刺激されます。●清家克久
今年7月、ときの忘れものでは清家克久さんのコレクションの中から23作家の26点を選び展示いたしました。ブログ連載「瀧口修造と作家たち―私のコレクションより―」の読者の方も多くいらっしゃったのでしょう、四国・宇和島から清家さんが上京された初日は「千客万来」の賑わいでした。●髙木愛子
金沢の谷口吉郎・吉生記念金沢建築館で開催された「アニメ背景美術に描かれた都市」展。「ときの忘れものと、いったい何の関係が?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。ご縁をつないでくださったのは、亭主の旧友でもある平嶋彰彦さんの存在でした。ことの詳細と、展覧会の様子については髙木先生が執筆くださった克明なレポート記事をお読みください。●田中龍也
群馬県立近代美術館の学芸員・田中先生には1月から4月にかけて開催された「アートのための場所づくり 1970年代から90年代の群馬におけるアートスペース」の詳細なレポート記事をご執筆いただきました。まだインターネットが発達していたとは言えない時代、作家たちが集い、作品を発表し、観客と交流する「場所」がどのような役割を果たしてきたのかをつぶさに検証する同企画。亭主の生まれ故郷でもある群馬で、美術をめぐる状況がどのように変化してきたのかを考える、良い機会をいただきました。●丹下敏明
東京国立近代美術館で「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が開催された今年。2022年からスタートした連載「ガウディの街バルセロナより」もますますの注目を集めました。かつて「年に地球1周ぐらいの距離を車で走っていた」という丹下先生がこれまでに目にした景色を、貴重なお写真や図版と共に紹介してくださる原稿は必読の内容です。●土渕信彦
西の石原輝雄さん(マン・レイ)と並び東の土渕信彦さんも有数の現代美術のコレクターであり、瀧口修造研究の第一人者です。このブログの常連執筆者でもある土渕さんへの絶大な信頼のもと、今年は千葉市美術館「『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」のレビューと、運命的な巡り合わせが印象的な青木宏追悼展レビューをご執筆いただきました。2024年の年明けすぐにも新たな記事を公開予定ですので、どうぞお楽しみに。●戸田穣
ジャン=バティスタ・ピラネージ(1720-1778)の《牢獄》(1761年ピラネージの原作、1961年Bracons-Duplessisによる復刻)を一挙展示した8月の「幻想の建築 ピラネージ展」は想像以上の大反響でしたが、その時期のブログアクセス1位は、常に戸田先生に執筆いただいた全2回の解説でした。原稿内に「澁澤龍彦の著書を通じてピラネージの名前を知った人は多い」という旨の記載がありましたが、今後、戸田先生の原稿を通してピラネージを知る読者も続々と現れてくるでしょう。●戸村茂樹
岩手県盛岡を拠点に活動を続ける戸村茂樹先生。今年は「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」に寄せて、ステートメントをご執筆くださいました。先生が大切にされているという素描の時間をおすそわけいただくような作品群は、展示期間中たくさんのお客様をひきつけていました。●中尾美穂
信州にあった池田満寿夫美術館で長年学芸員を務めた中尾美穂さんの連載エッセイ「ときの忘れものの本棚から」は、今年20回目に突入されました。1974年に32歳の若さで他界した難波田史男について、日本各地に点在するコレクションの存在や展覧会歴など、さまざまな角度から照らし出す特集「難波田史男:宇宙ステーションへの旅」は、読み応えたっぷりでありながら親しみやすさも感じられる、入門にぴったりの内容です。●中村孝幸
「二晩通いました」。たった一言で充実感が伝わってくる中村孝幸さんのBar CoMbLeレポートは、倉俣史朗展の会期中に大きな反響を呼びました。静岡まで足を運んだうえで執筆くださった温かみのある文章は、多くの読者を静岡へといざなったことでしょう。まだCoMbLeに行かれたことのない方は、ぜひこちらの記事を旅のしおりにどうぞ。●中村惠一
現代版画センターのシンポジウムに学生時代から参加していたという私たちの最も古い顧客の一人、中村惠一さん。今年4月には『美術ペン』167号に「美術資料のアーカイブについて」という論考を寄稿され、私どもの刊行したカタログについても言及してくださいました。いまにも春風が吹いてきそうな美しい写真と共に届けられた軽井沢高原文庫、軽井沢現代美術館の各レポート記事をぜひお読みください。●仁添まりな
7月の「ART OSAKA 2023」と10月の「ART TAIPEI 2023」、11月の「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」と、たくさんの企画にご協力くださった仁添まりな先生。⼤学院博⼠課程では琉球絵画の花⿃画について研究され、休暇の際には⽣物学の研究者たちと⼭や海に⾏き、制作テーマとなる動植物の素材や資料を収集されているのだそう。思わずハっと息をのむような仁添作品の華やかな魅力を、来年も多くの方と共有できれば幸甚です。●根岸文子
1993年からスペインに在住し、制作を続けられている根岸文子さん。今年は2度「Artists Recently」をご執筆くださり、スペイン・グラナダの美術学校で実施されたアートの講習や、同じくスペイン・アストゥリアス州で行われた夏の大イベント「Metropoli-Gijon」の様子を伝えてくださいました。ちなみにこの夏は、根岸さんの娘であるHさんがときの忘れものにアルバイトをしに来てくださり、スタッフは大助かりでした。この場を借りて改めて御礼を申し上げます。●芳賀繁浩
2022年9月、アルベルゲ(巡礼宿)の開放性、平等性、相互性を運営の理念とし、日本における新しい巡礼路の建設を目指して活動する一般社団法人「日本アルベルゲ協会」 を立ち上げられた芳賀繁浩さん。1月には杉山幸一郎さんとの出会いから法人発足までをご寄稿いただきました。次いで「ふくしま浜街道トレイル開通までの歩み」を書いていただき新春早々に掲載予定です。ご多忙の中、ときには特急ひたちの中から原稿を送ってくださった芳賀さん、ありがとうございました。●平澤広
岩手県花巻市にある萬鉄五郎記念美術館の館長・平澤先生には3月から4月にかけて行われた「追悼 大宮政郎展」の様子を伝えていただきました。展示では、最初期から最晩年の未発表の《降神》シリーズまで、約650点(!)にのぼる作品が紹介されたのだそう。写真を眺めているだけでも、エネルギーの片鱗が感じられるようでした。今年9月からは空調設備改修工事のため休館していた同館ですが、来年1月13日から再開、「師岡和彦展」がスタートするそうです。●平嶋彰彦
『宮本常一 写真・日記集成』はじめ多くの書籍を手掛けた名編集者でもある平嶋彰彦さん(「平嶋彰彦がつくった本」参照)。今年は3年ぶりとなる個展「東京ラビリンス/カラー」を開催し、街歩きの中で撮影したカラー写真の中から、監修の大竹昭子先生が選出した20点をご覧いただきました。会期中は全日先生にご在廊いただいたこともあり、連日画廊で同窓会が開かれているかのような賑わいに。●藤江民
藤江民先生は「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」の開催に合わせて、お住まいの富山県富山市からわざわざ駒込へと足を運んでくださいました。展示では「20年以上前から独自にやっている二つの手法が合体した」という新作はもちろん、2021年に制作された銅版画も大好評。コロナ禍を経て4年ぶりに開催した忘年会にもお越しいただき、喜びあふれる年の瀬となりました。●松畑強
磯崎新のホワイトハウスとNYの「a83」、そしてオンライン上の「DISTANCE.media」を舞台に展開されたプロジェクト「往復書簡/Correspondence」。佐藤研吾さんも参加された同企画のレビュー記事を公開するにあたり、綿貫が真っ先に指名したのが松畑さんでした。書籍『建築とリアル』(1998年、鹿島出版会)では「『廃墟』磯崎新論へ」の項目を設け、コロンビア大学で学ばれた松畑さんが短期間で書き上げてくださったレポートは「流石」の一言です。●三上 豊
第1号から第5号まで刊行した「版画掌誌ときの忘れもの」の編集も担当してくださった三上先生が今年、新連載をスタートしてくださいました。タイトルはずばり「今昔画廊巡り」。以前にも貸し画廊の記録集を制作されていた三上先生が、数十年前の画廊での体験と現在を橋渡ししてくださる贅沢なコンテンツです。●村井威史
今年生誕100年を迎え、「『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容」展でも注目を浴びた大辻清司。その創作活動を「ほぼ網羅する唯一無二のコレクション」を持つのが、武蔵野美術大学 美術館・図書館です。村井威史先生が執筆してくださったレポート記事からは、アーカイブの整理/研究がいかに丁寧に行われてきたのかが伝わってきます。●百瀬寿

「キラキラ・ギラギラカラー」。そんなタイトルと共に百瀬先生が綴ってくださったのは、メタリックな色や和紙への愛着について。来年80歳を迎える先生のみずみずしい感性に、大いに触発されました。写真は今年6月、「第33回瑛九展/湯浅コレクション」を訪れてくださった際のショット。
●湯浅良介
建築家・槇文彦氏の発案のもとで始まったコンペティション/入選展「SDレビュー」に今年入選された建築家の湯浅良介さん。4月には、当ブログで初となる記事をご執筆くださいました。湯浅さんが過去に行った展覧会の記録本『Houseplaying No.01 Video』も、ギャラリーで扱わせていただきました。オンラインショップの在庫も残りわずかとなりましたので、よろしければご覧ください。●渡辺貴子
山梨の富士吉田市で、家業である織物業の傍ら制作を続けられている渡辺さん。「Artists Recently」に寄せられた原稿を通して、今もなお新たな試みにチャレンジを続ける先生の意欲的な近況を知ることができました。こちらまで前に進むエネルギーをいただいたような気持ちです。●井戸沼紀美
今年からときの忘れものスタッフになった井戸沼による映画連載「二十二日の半券」も、継続して更新中です。ジョナス・メカスさんの生誕100周年を記念して世界各地でイベントが行われた今年は、井戸沼も韓国の展示レポートや恵比寿映像祭での特集上映レポートなどを執筆しました。その他、転載・再録させていただいた記事は下記となります。
・2023年01月25日 田中純「磯崎新論」
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53510811.html
・2023年01月27日 関根伸夫「<発想>について」第1回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509125.html
・2023年01月31日 関根伸夫「<発想>について」第2回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509126.html
・2023年02月03日 関根伸夫「<発想>について」第3回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509127.html
・2023年02月04日 関根伸夫「<発想>について」第4回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509128.html
・2023年02月05日 関根伸夫「<発想>について」第5回
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53509129.html
・2023年03月21日 山下裕二「葉栗剛 - ドメスティックな木彫をとりもどす」
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53515294.html
・2023年06月21日 田中純「東京大学教養学部美術博物館」改造計画案をめぐって
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53520089.html
・2023年12月02日 内間洋子 NY版画展 9月21日~12月23日
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53530626.html
・2023年12月03日 堀江敏幸「かぎりなく喪失を所有する薔薇ー倉俣史朗展」再録
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53531714.html
●現在、テーマ別に月一回、または隔月でエッセイを連載しているのは以下の皆さんです。
・ 大竹昭子のエッセイ「迷走写真館~一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
・ 小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」は毎月5日の更新です。
・ 佐藤研吾のエッセイ「大地について―インドから建築を考える―」は毎月7日の更新です。
・ 杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
・ 太田岳人のエッセイ「よりみち未来派」は隔月・偶数月の12日の更新です。
・ 平嶋彰彦のエッセイ 「東京ラビリンス」のあとさき は毎月14日の更新です。
・ 丹下敏明のエッセイ「ガウディの街バルセロナより」は隔月・奇数月16日の更新です。
・ 王聖美のエッセイ「気の向くままに展覧会逍遥」は隔月・偶数月18日の更新です。
・ 中尾美穂の連載エッセイ「ときの忘れものの本棚から」は隔月・奇数月の19日の更新です。
・佐藤圭多のエッセイ「大西洋のファサード -ポルトガルで思うこと-」は隔月・偶数月の20日更新です。
・ 井戸沼紀美のエッセイ「二十二日の半券」は隔月・奇数月の22日の更新です。
・ 酒井実通男のエッセイ「西脇順三郎をめぐる私のコレクション」は毎月23日の更新です。
・ 梅津元のエッセイ「瑛九-フォト・デッサンの射程」は毎月24日の更新です。
・ 三上豊のエッセイ「今昔画廊巡り」は毎月28日の更新です。
・ 植田実のエッセイは随時更新します。
以上、ブログ執筆者の皆さんをご紹介しました。
漏れはないと思うのですが、
長文、最後までお読みいただきありがとうございます。
みなさま良いお年をお迎えください。
(ブログ担当:いどぬま きみ)
●冬季休暇のお知らせ
2023年12月29日(金)~2024年1月4日(木)まで、冬季休暇のため休廊いたします。
新年の営業は2024年1月5日(金)からです。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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