橋本凌一のフォトエッセイ「メモランダム東京百景」

第9回「されど桜 2025」

21世紀も四半世紀  咲く桜に宿る予兆  盛者必衰  ソメイヨシノ老樹の伐採が進む  桜前線・早咲き・遅咲き・狂い咲きの標準はソメイヨシノ  そんな時代が終わる?  栄枯盛衰  そんな予感があるようなないような  かつては花といえば梅の時代  長きにわたる桜の時代  そんな時代が替わるような替わらぬような  そんな気分を抱かせて咲く桜

2025年3月22日
江戸川区江戸川の新川の新川橋たもと 10日後にはソメイヨシノで恒例「新川千本桜」の大喧騒 はや散り始めた河津桜 愛でる人影無し 風情有り

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2025年3月27日
上野「袴腰広場」(西郷像階段下) 何をするでもない人々密集 桜開花宣言済み 夏日の陽気 「うえの桜まつり UENO Cherry Blossom Festival 2025」(4月6日まで) 上野どこもがこんな感じ 今 平日の午後

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2025年3月30日
桜満開宣言の日曜日 北の丸公園 千鳥ヶ淵に面した石垣上は100mほどの桜幻想 雑踏を極める桜並木の対岸緑道の強力投光器群が創る副産物 逆光で足許が真っ暗 老樹の根っこだらけの小径をこわごわ辿る

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2025年4月1日
桜満開宣言 昨日の超有名桜名所「千鳥ヶ淵緑道」 北→南の一方通行規制 その最南端=専用出口 1人だって入らせぬバリケードと警備員による鉄壁の陣構え 真冬逆戻りの寒冷下でも観桜風流人は物凄い数

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2025年4月2日
桜満開宣言の30日(日)  午後7時半頃 市ヶ谷駅少し東の外濠公園土手上 パラパラの人通り スカスカの仮設ゴミ捨場 真冬並みの寒さで? だが そばの千鳥ヶ淵はあの賑わい 花見にも及んだ一極集中現象?

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2025年4月6日
「小松川千本桜」 荒川(幅500m)の高さ12mのスーパー堤防上 だからこその冷気 と風 ライトアップはおろか街灯1本無き潔さ 土曜日なのに人影ゼロの一刻 まさに値千金 盛りの花すべて我一人のもの

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2025年4月7日
復元トキワ荘 日曜日午後8時の静謐 我一人 カリカリカリ・・・・・・・Gペンとケント紙とが生み出す微音が幽く流れ続けているような春宵一刻 未だ人影ひとつ現れそうにない 「トキワ荘公園」の本名は「南長崎花咲公園」

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2025年4月8日
雑踏の千鳥ヶ淵 そのとなり 牛ヶ淵は静けさ充満 ここから士官たちは雪を花と見ただろう ずっと向こうに坐す賢きあたりの幻影も かな 九段会館(旧軍人会館)のペデストリアンデッキのようなテラスにて

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2025年4月9日
神田川 小滝橋の下流側 まさに目のまん前に太枝 猫のように撫でてあげられる花 自分と共に老いて来た樹 幾歳 伐採されるまでには対岸に届け!枝先 6月にはお前1本だけに小指の先ほどの実がなる不思議

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2025年4月10日
上野 花の宴の喧騒 暖かな水曜日 お山の桜通りがそぞろ歩きではなく雑踏なのはただ外国人が多数のゆえか? 超然とした域を少し後には鐘の音が包む 18:00直前 竹の台(その歴史を意識しつつ)にて臨む

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2025年4月11日
蔵前橋たもと さっき 左の石碑は「浅草御蔵跡」と 急な雨はシャワーが土砂降りに変っただけ グラスに安ワイン 花は容を喪ったことだろう 舞い散り続けるVSひと思いに落下してしまう いいのは? 注ぐ また注ぐ

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・連載・橋本凌一のフォトエッセイ「メモランダム東京百景」は毎月6日の更新です。次回更新は2025年6月6日です。どうぞお楽しみに。

※この連載は橋本さんのFacebook投稿により構成されています。「徘徊日=投稿日」ではないため、日付と文中の曜日が異なる場合がございますこと、あらかじめご了承ください。

●本日のお勧め作品は舟越直木です。
舟越直木《1997.APRIL 7》 (1)舟越直木「1997.APRIL 7
1997年 ドローイング
マットサイズ:82.0×66.0cm
サインあり
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。

*画廊亭主敬白
本日5月6日は舟越直木さんの命日です(2017年5月6日死去)。まだ64歳という早すぎる死でした。
<父は彫刻家・舟越保武、兄は舟越桂という芸術家一家に生まれ、父や兄につづき自然と創作の世界に入った舟越直木は、彫刻と絵画の間を自在に行き来し、形式にとらわれない、みずみずしさと神話性に満ちた多様な作品を生み出した。(求龍堂のサイトより)>
ときの忘れものでは2000年6月に「OJun・舟越直木展」、2003年2月には個展「舟越直木展」を開催しました。
20170724_舟越直木32000年6月「O Jun・舟越直木展」にて
O Junさん(左)と舟越直木さん(右)
直木さんが三つ年上でしたが、仲のよいお二人の希望で実現した二人展でした。
20180518171332_00001自作を頭の上に載せてポーズをとる直木さん(2000年6月15日 撮影:杉田和美)
於:青山・ときの忘れもの(一軒家時代)

2018年04月24日ブログ|北村淳子「最初と最後ー舟越直木さんのことを少しだけ」

連休は皆さんにはいかがお過ごしされたでしょうか。
社長はこまごまと溜まっていた家事の整理に追われ、役立たずな亭主は枕元に積んでおいたあれこれの本を読んで過ごしました。
偶然手にした葉室麟の文庫本の巻末解説で縄田一男が藤沢周平がシュトルムの全作品を読んだと知り驚きました(藤沢ファンには周知のことなのでしょうが)。「みずうみ」は亭主にとっては青春の書、その流れで今までまったく縁のなかった葉室麟の小説を「BOOKS青いカバ」に駆け込んでありったけを買い込み読み耽りました。

明日7日(水)からは「2025コレクション展2/瀬木愼一旧蔵作品他」を開催します。
◆「2025コレクション展2/瀬木愼一旧蔵作品他
会期:2025年5月7日(水)~5月10日(土) 11:00-19:00
collection2_表面瀬木愼一先生(1931~2011)は、1950年代から岡本太郎、花田清輝らの「夜の会」に参加、海外美術の紹介やテレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」に出演するなど、幅広い批評活動を展開し、美術市場の調査・研究にも積極的に携わり、他の批評家にはない独自の存在感を発揮されました。瀬木先生のもとには必然的に多くの作品が集まり、貴重な資料群は没後に国立新美術館に収蔵されています。
今回、瀬木先生とU氏の旧蔵コレクションを4日間のみの特別価格にて頒布します。
瀬木先生自身が制作された珍しい陶芸作品などもあり、是非この機会に皆様のコレクションに加えていただければ幸いです。詳しい出品内容は5月4日ブログに掲載しました。
出品作品:宮脇愛子、岡本一平、望月菊磨、草間彌生谷川晃一、吹田文明、吉仲太造、吉田勝彦、利根山光人、脇田愛二郎、松崎真一、針生鎮郎、橋場信夫、筆塚稔尚、井上公雄、鶴岡義雄、篠原有司男、山高登、大沢昌助吉原英雄、岩渕俊彦、藤森静雄、元永定正磯辺行久、永井勝、村瀬雅夫、中村義孝、平塚運一、オノサト・トシノブ、瀬木愼一、 ナイマン、サミュエル・マーティン、J.F.ケーニング、Julius Bissier、Jean Deyrolle、他

●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は原則として休廊ですが、企画によっては開廊、営業しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。