池田満寿夫(1934~1997)の代表作をご紹介いたします。
池田満寿夫
《化粧する女》
1964年
ドライポイント、ルーレット、エッチング
イメージサイズ:35.5 × 33.0cm
限定20部
Signed
*池田満寿夫旧蔵(熱海のアトリエに大切に保管されてきた作品です)
(部分拡大)


池田満寿夫は1934年に旧満州国で生まれ、1945年の終戦で母の故郷長野へ移り住み、1952年高校を卒業後に上京して版画家デビューしました。
1955年に画家の堀内康司らとグループ「実存者」を結成。
瑛九や久保貞次郎と知り合ってデモクラート美術家協会へ参加します。
1960年、62年、64年の東京国際版画ビエンナーレ展での連続受賞につづき、
1965年8月10日~9月19日まで1か月余にわたって、ニューヨーク近代美術館(MoMA)にて日本人で初の個展を開催。MoMAのサイトには、《化粧する女》が展示されている様子も確認できます。(クリックするとMoMAのサイトに繋がります)
展示は池田が1962年~1965年の4年間に制作した作品で構成されたそうです。

「ニューヨーク・タイムス紙 1965年8月8日付」に掲載されたジョン・キャナディ氏の記事によると、
「この展覧会は同美術館の版画部長W・S・リーバーマンにとっても冒険であるが、彼は池田の芸術を《リアルなものが特異なものとなりうるように、ありきたりのものが新奇なものとなりうる》という簡潔で適切な言葉で説明している。(略)自由奔放で変化に富みしかもよくコントロールされた作品のすぐれた技法は、版画を今日の絵画の水準にまで高めている。(略)彼の版画は目の高い美術愛好家に楽しい響きを与える。これはこの夏の展覧会として歓迎されるべきものである」
(『池田満寿夫・資料』(1973年、薔薇科社)96頁・97頁より再録引用)
(部分拡大)

(右下に自筆サインあり)

(左下に限定部数の記載あり)

1966年の第33回ヴェネツィア・ビエンナーレでは版画部門の国際大賞を受賞。
コミッショナーは久保貞次郎先生。絵画はオノサト・トシノブと靉嘔。彫刻は篠田守男でした。もちろんヴェネツィアでも《化粧する女》は展示されました。展示風景はこちらからご覧いただけます。(国際交流基金のサイトへ繋がります)
<出品経歴>
1964年 第4回東京国際版画ビエンナーレ展
1965年 ニューヨーク近代美術館個展
1965年 第8回サンパウロ・ビエンナーレ展
1966年 第33回ヴェニス国際ビエンナーレ展
ほか
池田満寿夫は日本を代表する版画家として東京とニューヨークを拠点に制作を続けるかたわら、小説家としても活躍し1977年には芥川賞を受賞。帰国後は、熱海市に居を構え、1997年に亡くなるまで作陶から立体造形への関心を深めるなど表現の幅を広げました。
本作《化粧する女》は、「2025コレクション展3/駒井哲郎、菅井汲、池田満寿夫」に出品しています。
ぜひ実物をご覧になってください。
(スタッフM)
◆「2025コレクション展3/駒井哲郎、菅井汲、池田満寿夫」
会期=2025年5月21日(水)~5月24日(土)11:00-19:00
※前回展DMで予告していた日程から会期が変更となりました
詳しい出品内容は5月20日のブログに掲載しました。
*画廊亭主敬白
売れなかった時代の池田満寿夫を応援したのは故郷長野ではなく、福井の人たちでした。
コレクター王国ともいえる福井の人々の中で、同世代なのが、勝山の荒井由泰さんです。
昨日久しぶりに来廊されました。お互い20代だった荒井さんとの50年は=現代版画センターからときの忘れものの全歴史をカバーしています。最初に買っていただいたのはメグゼッパーの銅版画でした。注文はニューヨークから。荒井さんが家業の繊維会社を継ぐ前に商社に修業に出ていて、ちょうどアメリカ勤務のときでした。
アメリカでスタートしたコレクションは西欧版画から始まり、長谷川潔、野田哲也から創作版画の恩地孝四郎に至ります。
帰郷した荒井さんは「アートフル勝山の会」を組織し、コレクションを通じて地域の文化活動にも尽力されてきました。
そのあたりのことは、ブログに連載をしていただいたので、お読みください。
一杯やろうとお誘いしたら、これから息子さんたちが喜寿のお祝いをしてくれるとのこと、すっかりおじいちゃんの穏やかな笑顔で駒込を後にされました。
本日の池田満寿夫についての解説文は松下賢太が担当しました。いつの間に大きくなって(笑)、もう亭主の出る幕ではありませんね。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

池田満寿夫《化粧する女》
1964年
ドライポイント、ルーレット、エッチング
イメージサイズ:35.5 × 33.0cm
限定20部
Signed
*池田満寿夫旧蔵(熱海のアトリエに大切に保管されてきた作品です)
(部分拡大)


池田満寿夫は1934年に旧満州国で生まれ、1945年の終戦で母の故郷長野へ移り住み、1952年高校を卒業後に上京して版画家デビューしました。
1955年に画家の堀内康司らとグループ「実存者」を結成。
瑛九や久保貞次郎と知り合ってデモクラート美術家協会へ参加します。
1960年、62年、64年の東京国際版画ビエンナーレ展での連続受賞につづき、
1965年8月10日~9月19日まで1か月余にわたって、ニューヨーク近代美術館(MoMA)にて日本人で初の個展を開催。MoMAのサイトには、《化粧する女》が展示されている様子も確認できます。(クリックするとMoMAのサイトに繋がります)
展示は池田が1962年~1965年の4年間に制作した作品で構成されたそうです。

「ニューヨーク・タイムス紙 1965年8月8日付」に掲載されたジョン・キャナディ氏の記事によると、
「この展覧会は同美術館の版画部長W・S・リーバーマンにとっても冒険であるが、彼は池田の芸術を《リアルなものが特異なものとなりうるように、ありきたりのものが新奇なものとなりうる》という簡潔で適切な言葉で説明している。(略)自由奔放で変化に富みしかもよくコントロールされた作品のすぐれた技法は、版画を今日の絵画の水準にまで高めている。(略)彼の版画は目の高い美術愛好家に楽しい響きを与える。これはこの夏の展覧会として歓迎されるべきものである」
(『池田満寿夫・資料』(1973年、薔薇科社)96頁・97頁より再録引用)
(部分拡大)

(右下に自筆サインあり)

(左下に限定部数の記載あり)

1966年の第33回ヴェネツィア・ビエンナーレでは版画部門の国際大賞を受賞。
コミッショナーは久保貞次郎先生。絵画はオノサト・トシノブと靉嘔。彫刻は篠田守男でした。もちろんヴェネツィアでも《化粧する女》は展示されました。展示風景はこちらからご覧いただけます。(国際交流基金のサイトへ繋がります)
<出品経歴>
1964年 第4回東京国際版画ビエンナーレ展
1965年 ニューヨーク近代美術館個展
1965年 第8回サンパウロ・ビエンナーレ展
1966年 第33回ヴェニス国際ビエンナーレ展
ほか
池田満寿夫は日本を代表する版画家として東京とニューヨークを拠点に制作を続けるかたわら、小説家としても活躍し1977年には芥川賞を受賞。帰国後は、熱海市に居を構え、1997年に亡くなるまで作陶から立体造形への関心を深めるなど表現の幅を広げました。
本作《化粧する女》は、「2025コレクション展3/駒井哲郎、菅井汲、池田満寿夫」に出品しています。
ぜひ実物をご覧になってください。
(スタッフM)
◆「2025コレクション展3/駒井哲郎、菅井汲、池田満寿夫」
会期=2025年5月21日(水)~5月24日(土)11:00-19:00
※前回展DMで予告していた日程から会期が変更となりました
詳しい出品内容は5月20日のブログに掲載しました。*画廊亭主敬白
売れなかった時代の池田満寿夫を応援したのは故郷長野ではなく、福井の人たちでした。
コレクター王国ともいえる福井の人々の中で、同世代なのが、勝山の荒井由泰さんです。
昨日久しぶりに来廊されました。お互い20代だった荒井さんとの50年は=現代版画センターからときの忘れものの全歴史をカバーしています。最初に買っていただいたのはメグゼッパーの銅版画でした。注文はニューヨークから。荒井さんが家業の繊維会社を継ぐ前に商社に修業に出ていて、ちょうどアメリカ勤務のときでした。
アメリカでスタートしたコレクションは西欧版画から始まり、長谷川潔、野田哲也から創作版画の恩地孝四郎に至ります。
帰郷した荒井さんは「アートフル勝山の会」を組織し、コレクションを通じて地域の文化活動にも尽力されてきました。
そのあたりのことは、ブログに連載をしていただいたので、お読みください。
一杯やろうとお誘いしたら、これから息子さんたちが喜寿のお祝いをしてくれるとのこと、すっかりおじいちゃんの穏やかな笑顔で駒込を後にされました。
本日の池田満寿夫についての解説文は松下賢太が担当しました。いつの間に大きくなって(笑)、もう亭主の出る幕ではありませんね。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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