2025年11月26日(水)~12月20日(土)
11:00-19:00 日曜・月曜・祝日休廊
※11月28日(金)、29日(土)16~17時30分の間はイベント参加者以外はご入場いただけませんのでご留意ください。

6月に第二回目となる「塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」を開催し、塩見允枝子の新作やインスタレーションを中心に、塩見が永年所蔵されてきたフルクサスの作品や資料を展示しました。

塩見は東京芸術大学音楽学部楽理科在学中に、小杉武久氏らと「グループ・音楽」を結成。1964年にニューヨークへ渡り、ジョージ・マチューナスが提唱した、既存の表現方法にとらわれない前衛芸術運動「フルクサス」に参加しました。「フルクサス」は、「日常の中に“芸術”を見出す」という精神で1962年から活動がはじまり、靉嘔、ジョナス・メカス、ナム・ジュン・パイク、ジョーン・ケージ他、日本の女性作家からは塩見允枝子、オノ・ヨーコ、久保田成子、斉藤陽子など、世界各地の多くの作家を巻き込みました。
塩見は、帰国後も海外のフルクサスの催し物に参加する他、国内でもパフォーマンス、音楽作品の作曲、視覚詩など、ジャンルを超えた活動を現在も続けています。

この度、6月に開催した展覧会の全出品作品を掲載した作品集『塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション』を発行しましたので、刊行記念展を開催いたします。また、スペシャルエディション、特装版A 、特装版Bも販売いたします。

11月28日(金)、29日(土)1617時30分は「観客参加のフルクサス・パフォーマンス」の開催を予定しております(参加条件あり、要予約)。詳細はこちらをご覧ください。

■塩見允枝子(しおみ みえこ)
1938年岡山市生まれ。1961年東京芸術大学楽理科卒業。在学中より小杉武久氏らと「グループ・音楽」を結成し、即興演奏やテープ音楽の制作を行う。1963年ナム・ジュン・パイクによってフルクサスに紹介され、翌年マチューナスの招きでニューヨークへ渡る。1965年航空郵便による「スペイシャル・ポエム」のシリーズを開始し、10年間に9つのイヴェントを行う。一方、初期のイヴェント作品を発展させたパフォーマンス・アートを追求し、インターメディアへと至る。1970年大阪へ移住。以後、声と言葉を中心にした室内楽を多数作曲。 1990年ヴェニスのフルクサス・フェスティヴァルに招待されたことから欧米の作家達との交流が復活。
1992年ケルンでの「FLUXUS VIRUS」、1994年ニューヨークでのジョナス・メカスとパイクの共催による「SeOUL NYmAX」などに参加すると同時に、国内でも「フルクサス・メディア・オペラ」「フルクサス裁判」などのパフォーマンスや、「フルクサス・バランス」などの共同制作の視覚詩を企画する。
1995年パリのドンギュイ画廊、98年ケルンのフンデルトマルク画廊で個展。その他、欧米での幾つかのグループ展への出品やエディションの制作にも応じてきた。 2012年東京都現代美術館でのトーク&パフォーマンス「インターメディア/トランスメディア」で、一つのコンセプトを次々に異なった媒体で作品化していく「トランスメディア」という概念を提唱。 2022年にときの忘れものにて「塩見允枝子+フルクサス」を開催し、限定版カタログを刊行。2025年には「塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」を開催し、限定版作品集を刊行。
音楽作品やパフォーマンスの他に、視覚詩、オブジェクト・ポエムなど作品は多岐にわたり、国内外の多くの美術館に所蔵されている。現在、京都市立芸術大学・芸術資源研究センター特別招聘研究員。

【刊行物のご案内】12月末までは、税、送料サービスします。

1. 「作品集/塩見允枝子×フルクサス」スペシャルエディション 価格180,000円
《数の回路》 エディション35部
• 作品集『塩見允枝子× フルクサス from 塩見コレクション』
• 塩見允枝子《数の回路》 
 内容:小さな器×6、ダイス、マラカス、電子メトロノーム、リズム譜とインストラクション、フェルトマット
• 展覧会案内状にサインあり
•自筆サイン入り
•桐箱

2. 「作品集/塩見允枝子×フルクサス」特装版A  価格35,000円
「両国アートフェスティバル」 エディション35部
•作品集『塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション』
•両国アートフェスティバルDVD(芸術監督:山根明季子、会場:両国門天ホール)
 2024年8月に両国門天ホールで開催された第9回「両国アートフェスティバル」で発表された3曲を収録。初リリース。
•同スコアー 
•フェスティバルで使用されたピンポン球
•カード「Homage to John Cage」 1987年カール・ソルウェイ画廊で行なわれたPrepared Box for John Cageで塩見が作成した限定カード。自筆サイン入り
•アタッシュケース

3. 「作品集/塩見允枝子×フルクサス」特装版B 価格30,000円
「春の夜の天宮」 エディション35部
•作品集『塩見允枝子×フルクサスfrom 塩見コレクション』
•《春の夜の天宮》DVD (演奏:ロゼッタ、会場:京都市立芸術大学)
 2024年5月12日に京都市立芸術大学で開催された「変異するノーテーション」で発表された新曲を収録。初リリース。
•同スコアー
•大判カード「カシオペアに穴を開けた星座写真」自筆サイン入り
•ケース

4. 「作品集/塩見允枝子×フルクサス」限定版 価格3,500円
エディション365部

塩見作品をはじめフルクサス作家の作品・資料など約200点を掲載した作品集(B5判、122頁、日英併記)
発行日 2025年9月2日
発行元 有限会社ワタヌキ/ときの忘れもの 綿貫令子
テキスト 塩見允枝子
翻訳 川村サリー
編集・デザイン 柴田卓
資料作成 尾立麗子、松下賢太(ときの忘れもの)

【展示風景】

左上から John & Yoko “FluxfestPresentsJohn&Yoko”(うらわカタログp.42 No.61) 1970 紙に印刷 40.8×43.5cm 紙にオフセットリトグラフ サインなし
Fluxus Virus のポスター 1992 紙に印刷 59.2×42.0cm 展覧会・コンサートなどの主催者からの案内状  Fluxus,etc 1983 紙に印刷 55.9×43.2cm 
塩見允枝子《日蝕の昼間の偶発的物語 1》《日蝕の昼間の偶発的物語 2》《日蝕の昼間の偶発的物語 3》 1995 プラスチックに印刷 シートサイズ:42.0×59.4cm/フレームサイズ:42.0×59.4cm Ed.30 サインあり

デザイン:杉浦康平 インターメディアアートフェスティバル–1 1969 紙に両面印刷 78.0×44.5cm 塩見先生のサイン入り

左から塩見允枝子〈星座を観るための窓〉より《エリダヌス座を観るための窓》《ペガサス座を観るための窓》《みずがめ座を観るための窓》 2019 ミクスドメディア 34.5×42.3×5.0cm Ed.3 サインあり
塩見允枝子《影のイヴェント No.X(作家によるヴァージョン No.16)》1993 紙に透明フィルム、石 イメージサイズ:27.0×21.2cm/フレーム:31.6×25.6×1.9cm E.d 54/80 (裏面にA.P1/1) サインあり
塩見允枝子《フルクサス・バランス(Fluxus Balance Mieko Shiomi:Knud Pedersen )》 1993/2024 紙にコラージュ、紐、座金 シートサイズ:22.8×32.0cm/フレームサイズ:29.5×38.8cm サインあり

左から塩見允枝子《SHADOW EVENT – for an emu》 1992 シルクスクリーン シートサイズ:39.3×27.4cm A.P. 30 サインあり
塩見允枝子《バランス・ポエム 1》《バランス・ポエム 2》《バランス・ポエム 3》《バランス・ポエム 4》 1991 紙にコラージュ シートサイズ:28.7×39.6cm/フレームサイズ:42.0×59.4cm Ed.10 サインとナンバーあり

塩見允枝子 《ピアノの上のビリヤード》 2001/2024 写真紙にカラー イメージサイズ:29.7×21.0cm/フレームサイズ:31.5×23.0×1.0cm A.P  12部 サインあり

塩見允枝子 《音楽の小瓶#15 分解されたフーガ》2024 ミクストメディア(瓶にテープが入っています) Φ3.7×H10.2cm Ed.12 サインあり

左から 塩見允枝子《晩餐と白昼夢のための特選スパイス》 1995 ミクスドメディア 瓶高:16.2cm 箱サイズ:21.5×13.0×9.0cm Ed.12 サインとナンバーあり
斉藤陽子 《34. bull shit 08 Takako Saito 特集 1993 (写真の豊富な大判新聞 B3 8頁)》 ムディマ・ファウンデーション(ジーノ・ディマジオ主催)  1993 紙に印刷、8頁 49.0×34.2cm

塩見允枝子《晩餐と白昼夢のための特選スパイス》

 

「作品集/塩見允枝子×フルクサス」スペシャルエディション 《数の回路》 

「作品集/塩見允枝子×フルクサス」特装版A 「両国アートフェスティバル」

「作品集/塩見允枝子×フルクサス」特装版B「春の夜の天宮」 

YokoOno, GeorgeMaciunas “Asshole Wallpaper”(うらわカタログp.34 No.38) c. 1973 紙に印刷 56.5×43.5cm

靉嘔 《母の花III》 1995 カンヴァスにアクリル イメージサイズ:72.8×60.7cm(F20)/フレームサイズ:91.8×79.4×5.5cm サインあり

左から ジョン・ケージ Fontana Mix(Orange/Tan) 1982 シルクスクリーン(刷り:岡部徳三)、紙、フィルム3枚組 56.7×76.5cm Ed.97 サインあり
アンディ・ウォーホル 《KIKU 1》 ※現代版画センター・エディション 1983年 シルクスクリーン(刷り:石田了一) イメージサイズ:50.0×66.0cm/シートサイズ:50.0×66.0cm Ed.300 サインあり

ジョナス・メカス 《ヨーコ・オノ》 2009 CIBA print 35.4×27.5cm サインあり

 

【イベントのご案内】
「作品集/塩見允枝子×フルクサス」刊行記念イベント
観客参加のフルクサス・パフォーマンス
日程:2025年11月28日(金)16時開演
       11月29日(土)16時開演
※参加条件あり、要予約

「作品集/塩見允枝子×フルクサス」刊行記念イベントとして、「観客参加のフルクサス・パフォーマンス」を開催します。本イベントは、塩見允枝子先生が作品集刊行記念のためにプログラムを考えてくださいました。参加条件がございますので、下記の概要をご覧ください。

写真提供:ジーベック 《フルクサス・メディア・オペラ》より


「作品集/塩見允枝子×フルクサス」刊行記念イベント
観客参加のフルクサス・パフォーマンス
プログラム作成:塩見允枝子

1.       《ドリップ・ミュージック:セカンド・ヴァージョン》 ジョージ・ブレクト
2.       《ウォーター・ミュージック:ヴァージョン2012/2025》 塩見允枝子
3.       《コンポジション1960 #10》 ラ・モンテ・ヤング
4.       《コンステレーションNo.6》 ディック・ヒギンズ
5.       《アドリアノ・オリヴェッティへの追悼》 ジョージ・マチューナス
6.       《5人の演奏者の為の10のアレンジメント》 エメット・ウィリアムズ
7.       《Op.444》 エリック・アンダーセン 
8.       《天空へ向かって》 (エコー装置) 塩見允枝子 献呈新作・初演

これらの作品は全て、誰にでも直ぐにできる簡単な行為で成り立っています。
当日は、司会者が演奏の手順を丁寧に説明致しますので、どうぞ安心してご参加下さいませ。
簡易楽器や音の出る小物体をご持参頂けますと、一層楽しい体験となることでしょう。
プログラム1.と 7.以外は、全員での演奏となります。(所要時間:90分前後)

観客参加のフルクサス・パフォーマンス
会場:ときの忘れもの
開催日時:11月28日(金)16時開演
               11月29日(土)16時開演
司会進行:川崎槙耶、柴山真太朗
出演:参加者
定員:各回15名
参加費:無料
参加条件:「作品集/塩見允枝子×フルクサス」スペシャルエディション特装版A特装版Bのご注文者
申込み:要予約
主催:ときの忘れもの

■川崎槙耶(かわさき まや)
ピアニスト、実験音楽パフォーマー。東京藝術大学附属高校及び東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。学内にて同声会賞を受賞。演奏行為の拡張、作品と演奏の新たな関係性をテーマに作品制作や公演の企画制作、ピアノ演奏、パフォーマンスを行う。2024年に作曲家の柴山真太朗氏とユニット「CreativeMMCP」を結成し主催公演を企画制作。そのほか「両国アートフェスティバル」など多くの実験音楽公演に出演。

■柴山真太朗(しばやま しんたろう)
作曲家、演奏家。愛知県立芸術大学作曲科を経て、東京芸術大学作曲科を卒業。学内にて同声会賞を受賞し、同大学院修士課程を修了。第36回現音作曲新人賞を受賞。これまでに作曲を山本裕之、鈴木純明の各氏に師事。現在、昭和音楽大学にて非常勤講師を務め、作曲家の近藤譲氏の後任として楽式論の授業を担当。