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<<ギャラリーときの忘れものだより・・・「小野隆生展」始まる!>>

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20日よりイタリア在住の画家・小野隆生さんの個展が始まりました。小野さんは1971年にイタリアに渡って以来、彼の地で独特な肖像画を描き続けています。それは、モデルを使わないで、自分の持つ人物のイメージをキャンバスに表現していながら、その作品の肖像は存在感を持って迫ってきます。人物画を描く画家は多くいますが、これだけ正面切ってこちらを見返す人物を描く画家は小野さん以外に思い当たりません。ぜひ、画廊で小野さんの肖像画と見つめ合ってください。きっと清清しさを感じることでしょう。2月4日までです。

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<<今週の話題・・・クリムトの行方>>

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ウィーンのベルヴェデーレ宮殿にあるオーストリア・ギャラリーに展示されている「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像I」を含む5点のクリムト作品の所有権を争う裁判で、国は元の所有者の遺族に返還せよという判決がくだされました。これらの作品は、第二次世界大戦のときに絵のモデルの親族であった所有者からナチス・ドイツによって接収され、戦後、国が管理していたものでした。判決は当然と言えば当然ですが、作品の行方が気になります。時価総額210億円といわれる作品ですので、オークションなどに出される可能性もあるでしょうけど、最終的にはいままでのように誰もが鑑賞できるようであってほしいと願うばかりです。

                    (ときの忘れものスタッフ 三浦次郎)