“ときの忘れもの”今週のオークション 2009.05.29
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<<ギャラリーときの忘れものだより>>
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「小野隆生コレクション展」も明日までとなりました。小野先生の作品のなかでも重要なパートを占める「断片」シリーズ(支持体の板をモチーフの形に切り抜いた作品)を中心に11点を展示しています。画廊にいらして、「おお、こんなに大きかったんだ。」と驚かれるお客様も少なくありません。我々も展示の時にそう思いましたからよく分かります。毎日見ていても全く飽きることなく、確かな存在感を示してくれます。人物の作品など、服の部分はフラットなのに、首から上は急に立体的になります。決して細かく描き込んでいるわけではないのにリアルに見える不思議さ。一方、1976年ごろに描かれた「Il vangelo di S Giovanni」の異様なまでの描き込みは偏執的と言えます。そこから近作への画風の変遷に、常に我々は置いてきぼりを食わされそうになります。先んじることは無理ですが、何とかこれからも小野先生に付いて行きたいと思っています。
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<<今週の話題~収納 >>
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私を含めて、男性は物を集めたがる傾向があります。私くらいの年代(50代)なら、まずメンコに始まり、切手かコイン、そしてプラモデルという道を辿ったのではないでしょうか。で、今は本や美術作品。どなたも引越しをするときに、こんなに本があったのかと自分で驚いた経験がおありでしょう。ご他聞に洩れず私もそうであります。現在2LDKのマンションの一部屋が物置になっています。自分の部屋としてもらったのですが、部屋としての機能はまったく果たしておりません。コレクターの方の中には貸し倉庫に作品を預けていらっしゃる方もありますが、そうすると仕舞いっぱなしになるのは目に見えていますし、賃貸料がそこそこしますからその気になれないでいます。それが今日、地下鉄に乗っていて、東京メトロの貸し倉庫の広告を見かけました。南千住の駅からすぐで、1.7帖のスペースが月9,800円。ちょっと魅力的です。温度や湿度を調節しているようなところではなさそうですので、作品は無理ですが、本なら、と思ってしまいました。本気で迷っています。
(スタッフ 三浦次郎)
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<<今週のオークションから>>
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◎オノサト・トシノブ特集/日本の抽象美術の先駆者であり生涯円を描き続けた作家、オノサト・トシノブを特集します。