宮崎県立美術館で「生誕100年記念 瑛九展」が始まりました。

会期=2011年(平成23年)7月16日(土)~8月28日(日)

ときの忘れものも少しお手伝いさせていただいた関係で、7月15日の開会式にお招きいただきました。宮崎は初めてという社長のお供で亭主も久しぶりに九州に行ってまいりました。
先日も宮崎日日新聞に寄稿したように、亭主は宮崎には何度も通い、瑛九のご遺族や知人の皆さんにたくさんお目にかかることができ、それが画商としての大きな財産となりました。
瑛九展_讀賣新聞20110716_600
7月16日付・讀賣新聞宮崎版

瑛九展_宮崎日日新聞20110716_600
7月16日付・宮崎日日新聞

宮崎県立美術館のホームページには、今回の展覧会について以下のように紹介されています。
<本年2011年は、瑛九(えいきゅう・本名は杉田秀夫 1911~1960)の生誕100年となる記念の年です。昭和の戦前・戦後にかけて、美術の幅広い分野で前衛的で創造性に充ちた仕事を展開した瑛九の全貌を紹介する大回顧展を開催します。本展覧会では、これまでの年代順やジャンル別の構成ではなく、8つのトピックによって瑛九の人とその作品を紹介します。各トピックを、瑛九の特徴的な側面を照らし出す「光源」としてとらえ、異なる「光源」により、様々な角度から、瑛九の人と芸術の「全貌」を照らし出すことを試みます。>

宮崎瑛九展1昔、大学の敷地だったとかの広い公園に県立図書館とメディキット県民文化センターとにはさまれて堂々たる美術館がそびえています。この日は台風の影響なのか、東京より涼しくて空気も爽やかでした。

宮崎瑛九展2正面玄関美術館の玄関にて。

宮崎瑛九展3ポスターポスターでもお分かりの通り、今回は油彩偏重からフォトデッサンやコラージュなどに重点をおいた展示内容です。

宮崎瑛九展4開会式来賓開会式の来賓席。中央が瑛九のエスペラントの教え子の鈴木素直さん(宮崎瑛九の会)。

宮崎瑛九展5県知事挨拶する宮崎県知事の河野俊嗣さん。えらく気さくというか元気のいい方で、挨拶も原稿なし、自分の言葉で瑛九を語っていました。7月15日のご自身のブログ(河野しゅんじのブログ)でも開会式のことを書いておられます。なぜか県知事さんのブログに掲載されている瑛九のフォトデッサンはときの忘れもの旧蔵作品「フィルム(仮題)」(現在は屈指の瑛九コレクターであるMさん所蔵)です。
この作品は、2004年8月の「第15回瑛九展/1936年画家の出発」に出品展示したものです。
今回は主催者の要請でMさんが出品してくださいました。

宮崎瑛九展6青の中の丸亭主にとっては、1974年以来、扱い続けてきた瑛九作品。いくつもの作品と再会することができました。
先ずは1958年の油彩「青い中の丸」、亭主が1981年2月に渋谷区松濤に開いたギャラリー方寸の開廊記念展「瑛九ーその夢の方へ」に出品展示した作品です。そのときは全く売れませんでしたが、20年後にめでたく東京国立近代美術館に購入していただきました。

宮崎瑛九展8動物たち1956-57年の「動物たち」もときの忘れもの旧蔵作品で、いまは大阪の国立国際美術館の所蔵作品です。

宮崎瑛九展7フォトデッサン初期のフォトデッサン「虫(仮題)」も2004年8月の「第15回瑛九展/1936年画家の出発」に出品展示したものです。

宮崎瑛九展9鈴木素直さん新制の大宮高校時代に瑛九からエスペラント語を習った鈴木素直さんと。鈴木さんは瑛九とその後も親交を続け、没後はその顕彰に大きな役割を果たしてこられました。亭主が瑛九の関係者にたくさんお会いすることができたのも、みな鈴木さんの紹介によるものでした。瑛九の故郷への一泊の短い旅でしたが、美術館の担当者やご親戚の方にもお会いしてお話を伺うことができ、あらためて「瑛九の画商」としての元気をいただきました。

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ときの忘れものコレクションから瑛九作品をご紹介しましょう。

瑛九「作品-B」
瑛九「作品ーB(アート作品・青)」
1935年 油彩(ボード)
29.0×24.0cm(F3号)
※山田光春『私家版・瑛九油絵作品写真集』(1977年刊)No.19、

瑛九「逓信博物館A」
瑛九「逓信博物館 A
1941年 油彩
46.0×61.1cm
*「瑛九作品集」(日本経済新聞社)42頁所載

瑛九 黄色い点
瑛九「黄色い点
1957年  油彩
45.8×38.0cm(F8号)
サインあり

瑛九フォトデッサン
瑛九「作品
フォトデッサン
29.5×23.3cm

瑛九・水彩
瑛九「作品」
1954年 水彩 19.0×14.0cm
画面右下に鉛筆サインと年記

瑛九コンプレックス
瑛九「コンプレックス
1956年 銅版(作家自刷り)
23.2x18.2cm Ed.5
サインあり

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◆ときの忘れものは、2011年7月26日[火]―7月30日[土]「クレー、カンディンスキーと恩地孝四郎展」を開催します。
クレー、カンディンスキー、恩地展19世紀末から20世紀はじめにかけて巻き起こった新しい美術運動の中から生まれたクレー、カンディンスキーの版画作品と、それらの影響を受けながら日本で独自の抽象作品を制作した恩地孝四郎の作品、あわせて20点を出品します。

◆ときの忘れものは、2011年8月5日[金](プレス、招待客のみ)、6日[土]、7日[日]にウェスティンナゴヤキャッスル9Fで開催される「ART NAGOYA 2011」に出展します。
ときの忘れもののブースは908号室です。

◆ときの忘れものは、2011年8月8日[月]―8月15日[月]まで夏季休廊となります。夏休みをとるのは数年ぶりですので、営業日に関してどうぞお間違いのないようお願いいたします。

今月のWEB展は福田勝治展です。