「第22回 瑛九展」はお蔭様で好評で、若い方から年配の方までご覧いただいています。
昨日は、瑛九たちが結成したデモクラート美術家協会のメンバー加藤正先生が久しぶりに来廊されました。

瑛九作品を背に、86歳の加藤正先生(右)と亭主。
加藤正先生は瑛九と同郷、宮崎出身の画家で、学生時代の磯崎新先生と偶然汽車で出会い、磯崎先生を瑛九のもとに連れていった方です。
加藤先生がお帰りになった後、今度は宮崎から若くて美しい女性が来廊、瑛九が招いてくれたに違いない。
先週、マン・レイ、瀧口修造、谷中安規のそれぞれ名だたるコレクター3人が来廊されたことは書きましたが、そのお一人マン・レイイスト石原輝雄さんがご自身のブログで「第22回 瑛九展」についての感想を書いてくださいました。
<二階まで吹き抜けの個人宅のような空間で、亭主の綿貫さんから「瑛九」への熱い思いを、作品とともに聞いていると、幸せな感覚に包まれ、「瑛九とマン・レイって同じではないか」と強く感じた。よく知られたフォトデッサンだけではダメで、油彩や水彩、展覧会資料といった重層的な展示の仕方が、瑛九を蘇らせて、作家が生きていた時のお宅へお邪魔している気分といったところなのだ(マン・レイのフェルー街のアトリエも二層式だった)。光に魅せられた二人の純粋な好奇心。光の核であるような二つの個性は洋の東西も時代の相違も問わず、心の中を駆け巡っていく。マン・レイと出会う前に瑛九を知っていたら、きっと瑛九のコレクターになっていただろうと、確信させるような心の状態なのだ。(以下略)>
お褒めにあずかり恐縮です。
コレクターといえば、株式会社図書館流通センター相談役・石井昭氏が蒐集された絵画・工芸作品200点余りが筑波大学に寄贈され、その整理、研究が進むとともに公開もされています。
中央線・吉祥寺駅から直ぐのビルの中にある武蔵野市立吉祥寺美術館は美術館というより、少し大きめのギャラリーといった方がいい小粒な美術館ですが、小回りの良さを生かした好企画を連発しています。亭主も先年、草間彌生展でちょっとかかわりました。
同館でいま開催されているのは、チラシをご覧のように瑛九をはじめとして、加納光於、池田満寿夫、菅井汲、難波田史男、大沢昌助、桂ゆき、池田龍雄、猪熊弦一郎、奥山民枝、駒井哲郎、清宮質文、鶴岡政男、中村忠二、難波田龍起、深沢幸雄など<紙を支持体にした作品51点>による石井コレクション展です。
このラインナップ、泣けてきます。
筋がいいというか、品格のあるコレクションですね。
中でも瑛九作品は圧巻です。
筑波大学で開催された石井コレクションによる<瑛九作品をめぐるワークショップ>には亭主の参加させていただきました。
その成果は『石井コレクション研究1:瑛九』として刊行されています。
油彩、版画いずれも佳作揃いで、僭越ながら亭主好みであります。
「紙上の技法学 筑波大学所蔵石井コレクション」
会期:2012年1月7日(土)~2月19日(日)
1/25(水)は休館
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館
チラシ掲載作品は、瑛九「蟻のあしあと」1956年 リトグラフ
筑波大学が所蔵する石井コレクションは、株式会社図書館流通センター相談役・石井昭氏によって蒐集され、絵画・工芸あわせて200点余りにも及びます。絵画部門には平面芸術の技法を深く研究しながら前衛的な作品を発信し続けた瑛九や、ジャンルにとらわれぬ多才な芸術活動で脚光を浴びた池田満寿夫、上野駅の大壁画で知られる猪熊弦一郎などの巨匠が名を連ねています。また工芸部門には、江戸時代の有田焼から板谷波山や小山冨士夫まで、日本が生んだ逸品の他、明・清時代の景徳鎮陶磁、高麗青磁や朝鮮白磁など、東アジアの名品が揃っています。
筑波大学の研究・教育に資するものとして石井氏から寄贈されたことを受け、この貴重な作品群は適切な保存・修復処置が施された上で、同学により学術的な調査・研究が重ねられ、その成果は展示やワークショップにより積極的に発信されてきました。学外においてもこのコレクションへの評価は高まっており、2007年には茨城県つくば美術館で開催された日本近代洋画を概観する企画の一翼を担い、2011年には茨城県陶芸美術館の東洋陶磁展で工芸部門が一挙に公開されたばかりです。
県外初の石井コレクション展となる本展覧会では、絵画コレクションのうち、紙を支持体にした作品51点を選びました。キャンバスや板に比べ、紙は傷みやすくデリケートな素材であると同時に、誰にも親しみやすい素材です。そのバリエーションも豊富で、様々な顔料に柔軟に適応します。そのため数多の画家たちが様々な技法を試み、多くの表現手段を編み出してきました。そしてこれからも、豊かな表現世界が広がっていく無限の可能性を孕んでいるのです。その歴史の中から今回は20世紀後半の日本で生まれた色とりどりの作品をご紹介いたします。普段とくに意識されることのない、紙という身近な素材の懐の深さを改めて感じながら、さまざまな技法・材料を活かした多彩な表現を楽しんでいただければ幸いです。(同館ホームページより)
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ときの忘れものの瑛九のコレクション(第22回瑛九展で展示中)から紙を支持体とした作品をご紹介します。

瑛九「作品」
水彩
49.9x38.0cm
スタンプサインあり

瑛九「作品」
1937年 鉛筆・吹き付け
イメージサイズ:25.5x21.5cm
シートサイズ:28.5x25.0cm
サイン・年記あり

瑛九「離陸」
1957年 リトグラフ
イメージサイズ:32.0x21.0cm
シートサイズ:54.3x38.5cm
Ed.22(E.A.) サインあり

瑛九「森のドラマ」
1956年 リトグラフ
イメージサイズ:24.5x41.0cm
シートサイズ:38.6x54.5cm
Ed.20 サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは2012年1月13日[金]―1月21日[土]「第22回 瑛九展」を開催しています。
油彩、水彩、フォトデッサンの他に、久しぶりに版画(銅版、リトグラフ)も展示します。
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昨日は、瑛九たちが結成したデモクラート美術家協会のメンバー加藤正先生が久しぶりに来廊されました。

瑛九作品を背に、86歳の加藤正先生(右)と亭主。
加藤正先生は瑛九と同郷、宮崎出身の画家で、学生時代の磯崎新先生と偶然汽車で出会い、磯崎先生を瑛九のもとに連れていった方です。
加藤先生がお帰りになった後、今度は宮崎から若くて美しい女性が来廊、瑛九が招いてくれたに違いない。
先週、マン・レイ、瀧口修造、谷中安規のそれぞれ名だたるコレクター3人が来廊されたことは書きましたが、そのお一人マン・レイイスト石原輝雄さんがご自身のブログで「第22回 瑛九展」についての感想を書いてくださいました。
<二階まで吹き抜けの個人宅のような空間で、亭主の綿貫さんから「瑛九」への熱い思いを、作品とともに聞いていると、幸せな感覚に包まれ、「瑛九とマン・レイって同じではないか」と強く感じた。よく知られたフォトデッサンだけではダメで、油彩や水彩、展覧会資料といった重層的な展示の仕方が、瑛九を蘇らせて、作家が生きていた時のお宅へお邪魔している気分といったところなのだ(マン・レイのフェルー街のアトリエも二層式だった)。光に魅せられた二人の純粋な好奇心。光の核であるような二つの個性は洋の東西も時代の相違も問わず、心の中を駆け巡っていく。マン・レイと出会う前に瑛九を知っていたら、きっと瑛九のコレクターになっていただろうと、確信させるような心の状態なのだ。(以下略)>
お褒めにあずかり恐縮です。
コレクターといえば、株式会社図書館流通センター相談役・石井昭氏が蒐集された絵画・工芸作品200点余りが筑波大学に寄贈され、その整理、研究が進むとともに公開もされています。
中央線・吉祥寺駅から直ぐのビルの中にある武蔵野市立吉祥寺美術館は美術館というより、少し大きめのギャラリーといった方がいい小粒な美術館ですが、小回りの良さを生かした好企画を連発しています。亭主も先年、草間彌生展でちょっとかかわりました。
同館でいま開催されているのは、チラシをご覧のように瑛九をはじめとして、加納光於、池田満寿夫、菅井汲、難波田史男、大沢昌助、桂ゆき、池田龍雄、猪熊弦一郎、奥山民枝、駒井哲郎、清宮質文、鶴岡政男、中村忠二、難波田龍起、深沢幸雄など<紙を支持体にした作品51点>による石井コレクション展です。
このラインナップ、泣けてきます。
筋がいいというか、品格のあるコレクションですね。
中でも瑛九作品は圧巻です。
筑波大学で開催された石井コレクションによる<瑛九作品をめぐるワークショップ>には亭主の参加させていただきました。
その成果は『石井コレクション研究1:瑛九』として刊行されています。
油彩、版画いずれも佳作揃いで、僭越ながら亭主好みであります。
「紙上の技法学 筑波大学所蔵石井コレクション」
会期:2012年1月7日(土)~2月19日(日)
1/25(水)は休館
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館
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チラシ掲載作品は、瑛九「蟻のあしあと」1956年 リトグラフ
筑波大学が所蔵する石井コレクションは、株式会社図書館流通センター相談役・石井昭氏によって蒐集され、絵画・工芸あわせて200点余りにも及びます。絵画部門には平面芸術の技法を深く研究しながら前衛的な作品を発信し続けた瑛九や、ジャンルにとらわれぬ多才な芸術活動で脚光を浴びた池田満寿夫、上野駅の大壁画で知られる猪熊弦一郎などの巨匠が名を連ねています。また工芸部門には、江戸時代の有田焼から板谷波山や小山冨士夫まで、日本が生んだ逸品の他、明・清時代の景徳鎮陶磁、高麗青磁や朝鮮白磁など、東アジアの名品が揃っています。
筑波大学の研究・教育に資するものとして石井氏から寄贈されたことを受け、この貴重な作品群は適切な保存・修復処置が施された上で、同学により学術的な調査・研究が重ねられ、その成果は展示やワークショップにより積極的に発信されてきました。学外においてもこのコレクションへの評価は高まっており、2007年には茨城県つくば美術館で開催された日本近代洋画を概観する企画の一翼を担い、2011年には茨城県陶芸美術館の東洋陶磁展で工芸部門が一挙に公開されたばかりです。
県外初の石井コレクション展となる本展覧会では、絵画コレクションのうち、紙を支持体にした作品51点を選びました。キャンバスや板に比べ、紙は傷みやすくデリケートな素材であると同時に、誰にも親しみやすい素材です。そのバリエーションも豊富で、様々な顔料に柔軟に適応します。そのため数多の画家たちが様々な技法を試み、多くの表現手段を編み出してきました。そしてこれからも、豊かな表現世界が広がっていく無限の可能性を孕んでいるのです。その歴史の中から今回は20世紀後半の日本で生まれた色とりどりの作品をご紹介いたします。普段とくに意識されることのない、紙という身近な素材の懐の深さを改めて感じながら、さまざまな技法・材料を活かした多彩な表現を楽しんでいただければ幸いです。(同館ホームページより)
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ときの忘れものの瑛九のコレクション(第22回瑛九展で展示中)から紙を支持体とした作品をご紹介します。

瑛九「作品」
水彩
49.9x38.0cm
スタンプサインあり

瑛九「作品」
1937年 鉛筆・吹き付け
イメージサイズ:25.5x21.5cm
シートサイズ:28.5x25.0cm
サイン・年記あり

瑛九「離陸」
1957年 リトグラフ
イメージサイズ:32.0x21.0cm
シートサイズ:54.3x38.5cm
Ed.22(E.A.) サインあり

瑛九「森のドラマ」
1956年 リトグラフ
イメージサイズ:24.5x41.0cm
シートサイズ:38.6x54.5cm
Ed.20 サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは2012年1月13日[金]―1月21日[土]「第22回 瑛九展」を開催しています。
油彩、水彩、フォトデッサンの他に、久しぶりに版画(銅版、リトグラフ)も展示します。こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから


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