君島彩子のエッセイ
1.「多民族国家シンガポールを歩く」
シンガポールに着いて、一週間程が過ぎました。
一年中夏のシンガポールにも、雨季と乾季という季節があり、今は雨季が終わりかけで、徐々に暑くなっている時期です。
しかしながら度々、突然のスコールに見舞われるので、傘は手放す事が出来ません。
シンガポールは東京23区と同じくらいの大きさの小さな都市国家の中に様々な民族が暮らしているため、バスの中では様々な言語が飛び交い、ホーカーに行けば色々な国の料理を食べる事が可能です。
狭い国土を活かすために東京以上に高層ビルや高層団地が立ち並び、その多くが非常に凝ったデザインものです。
例えばマリーナ・ベイサンズのようにビルとビルがつながったデザインが多いのは、強い日差しと突然のスコールを避けるためでしょう。

このようなビルを見ていると、東京では実現しなかったメタボリズム的な都市が、シンガポールでならば実現するかもしれない、と思う事があります。
実際にシンガポールは都市の中にも緑が溢れ、熱帯ならではの花が一年を通し咲いています。高速道路沿いや歩道橋にまで花が植えられているのには驚きました。
更に、シンガポールでは多くの歴史的建造物を見る事が可能です。
イギリスの植民地だった時代のコロニアル様式の建造物が多く残され、今も生活の一部として使用されています。
また中国系とマレー系の文化が植民地下で西洋の文化と結びついて誕生したプラナカンの華やかな文化の意匠は、建築物にも見る事が出来ます。
白い壁に様々な色で装飾されたプラナカン建築は西洋とも東洋とも言えない独特の雰囲気があります。
この他にも中華系の装飾、イスラームのタイル装飾などが施された建築物など様々な民族の要素を取り入れた建築物があり、古今東西の建築を体感できます。

チャイナタウンには多くのプラナカン様式の建築物が今も現役で使用されています。
歴史の中で様々な文化が結びつき、現代のシンガポールを形成しています。
道を歩きながら建物を眺めているだけでも、シンガポールならでは空気を感じる事が出来ると思います。
(きみじまあやこ)
*画廊亭主敬白
ときの忘れものでは最も若い世代の君島彩子さんがシンガポールに滞在されています。出発前の慌しい日々を縫って近作(下記に掲載)を届けてくれたときに、アートマーケットでも近年注目を浴びているシンガポールに行くのだったらあちらの様子を書いて送って欲しいと依頼しました。
君島さんは紙に墨による人物画を描いています。
琳派の作品に多く使われる「たらしこみ」は、描いた絵が生乾きの状態で濃度の違う墨をたらす技法ですが、君島さんはそこから生まれるにじみの偶然性が、時に曖昧に、時にリアルに効果的に表現される作品を作っています。
夏にはときの忘れもので新作個展を予定していますのでどうぞご期待ください。

君島彩子「作品4」
2012年
墨・紙
33.6×22.8cm
サインあり

君島彩子「作品5」
2012年
墨・紙
33.6×22.8cm
サインあり

君島彩子「作品1」
2010年
墨・紙
34.0×23.5cm
サインあり

君島彩子「作品2」
2010年
墨・紙
34.0×23.5cm
サインあり

君島彩子「作品3」
2010年
墨・紙
34.0×23.5cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
1.「多民族国家シンガポールを歩く」
シンガポールに着いて、一週間程が過ぎました。
一年中夏のシンガポールにも、雨季と乾季という季節があり、今は雨季が終わりかけで、徐々に暑くなっている時期です。
しかしながら度々、突然のスコールに見舞われるので、傘は手放す事が出来ません。
シンガポールは東京23区と同じくらいの大きさの小さな都市国家の中に様々な民族が暮らしているため、バスの中では様々な言語が飛び交い、ホーカーに行けば色々な国の料理を食べる事が可能です。
狭い国土を活かすために東京以上に高層ビルや高層団地が立ち並び、その多くが非常に凝ったデザインものです。
例えばマリーナ・ベイサンズのようにビルとビルがつながったデザインが多いのは、強い日差しと突然のスコールを避けるためでしょう。

このようなビルを見ていると、東京では実現しなかったメタボリズム的な都市が、シンガポールでならば実現するかもしれない、と思う事があります。
実際にシンガポールは都市の中にも緑が溢れ、熱帯ならではの花が一年を通し咲いています。高速道路沿いや歩道橋にまで花が植えられているのには驚きました。
更に、シンガポールでは多くの歴史的建造物を見る事が可能です。
イギリスの植民地だった時代のコロニアル様式の建造物が多く残され、今も生活の一部として使用されています。
また中国系とマレー系の文化が植民地下で西洋の文化と結びついて誕生したプラナカンの華やかな文化の意匠は、建築物にも見る事が出来ます。
白い壁に様々な色で装飾されたプラナカン建築は西洋とも東洋とも言えない独特の雰囲気があります。
この他にも中華系の装飾、イスラームのタイル装飾などが施された建築物など様々な民族の要素を取り入れた建築物があり、古今東西の建築を体感できます。

チャイナタウンには多くのプラナカン様式の建築物が今も現役で使用されています。
歴史の中で様々な文化が結びつき、現代のシンガポールを形成しています。
道を歩きながら建物を眺めているだけでも、シンガポールならでは空気を感じる事が出来ると思います。
(きみじまあやこ)
*画廊亭主敬白
ときの忘れものでは最も若い世代の君島彩子さんがシンガポールに滞在されています。出発前の慌しい日々を縫って近作(下記に掲載)を届けてくれたときに、アートマーケットでも近年注目を浴びているシンガポールに行くのだったらあちらの様子を書いて送って欲しいと依頼しました。
君島さんは紙に墨による人物画を描いています。
琳派の作品に多く使われる「たらしこみ」は、描いた絵が生乾きの状態で濃度の違う墨をたらす技法ですが、君島さんはそこから生まれるにじみの偶然性が、時に曖昧に、時にリアルに効果的に表現される作品を作っています。
夏にはときの忘れもので新作個展を予定していますのでどうぞご期待ください。

君島彩子「作品4」
2012年
墨・紙
33.6×22.8cm
サインあり

君島彩子「作品5」
2012年
墨・紙
33.6×22.8cm
サインあり

君島彩子「作品1」
2010年
墨・紙
34.0×23.5cm
サインあり

君島彩子「作品2」
2010年
墨・紙
34.0×23.5cm
サインあり

君島彩子「作品3」
2010年
墨・紙
34.0×23.5cm
サインあり
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