「ART OSAKA 2012」レポート1~新澤悠

ART OSAKA 2012、現地より第一信をお送りします。
展示準備があるので開催前日の木曜日に現地大阪へ。最早お約束となりつつある曇り空に辟易としつつ、品川で出展作家の一人である秋葉シスイさんと合流し、新幹線で一路大阪へ。今回は手持ちで作品を運んでいなかったせいか、雨には降られませんでした。
新大阪駅に到着したら、ローカル線に乗り換え大阪駅まで一駅。会場のホテルグランヴィア大阪は大阪駅の最寄り、というより直結しているので、まずは展示準備をすませてしまおうと会場であるホテル26階へ。フェア受付で事前配送していた作品と備品を受け取り、台車を借りて部屋まで運んだのですが、あっという間に部屋がダンボール箱で埋まってしまいました。さてここからどう片付けたものか、等と自分は途方に暮れていましたが、秋葉さんの指示で一旦全て梱包を解き、空箱は片っ端からバスルームに突っ込む事からスタート。
まずは大物である、ハ・ミョンウンさんの作品からとりかかったのですが、縦長の長方形の中に木製のボードを切り出したパーツを積層させた作品は重心が安定せず、重量もあることから浮かせて展示することは無理と結論し、L字形の価格表示用のプレートを縦置きにして土台とし、作品の上下にコマンドタブ、さらにテグスで元々ホテルの備品がかけてあったフックに固定とかなり念入りに設置しました。おかげでこの時点で時間は7時過ぎ。一旦休憩して晩ご飯にしようと外に出ました。
秋葉さんが大阪名物たこ焼きをご所望でしたので、ネットで調べた近所の居酒屋へ。労働の後はお腹が減るから仕方がない、と言い訳をしつつ、サクサクの串カツ、トロトロのたこ焼き、ふわふわのお好み焼きを存分に堪能しました。後ほど報告の電話が綿貫さんからあったので夕飯の内容を話したら、「自分の食いたいものに秋葉さんを付き合わせるんじゃない!」と怒られました。自分の日頃の行いが知れますね。慌てて秋葉さんのリクエストだったと言い返しましたが、どこまで信じてもらえたものか…
さて、お腹も一杯になったことだしもうひと頑張り! と部屋に戻ると、何やら景色に違和感が…
なんと4つあるハさんの作品の一つが壁から外れ、テグスでかろうじて浮いているという惨状が!
気付いた瞬間引き攣った悲鳴を上げてしまいました。秋葉さんゴメンナサイ。ともかく慌てて状態を確認し、致命的な問題はなさそうだと分かりホッと一息。展示方法の都合で毎晩取り外して床に置いておくワケにもいかないので、夜間はエアパッキンで包んでおくことに。毎回ブログのネタに困らないのは大変結構なのですが、もう少し平和というか自分の心休まるイベントであってほしいものです。
ともあれ、上記のトラブルに時間を取られ、この日は作品の位置決め以外はハさん以外の4作品の展示をした時点で23時を回ってしまい、宿泊先に撤収することに。午後の間はずっと降っていた雨もその頃には上がっていましたが、おかげで湿度がエライことになっており、加えて駅周辺にも関わらずやたらアップダウンが激しく、加えて道が斜めに交差しているせいで信号も遠かったりの三重苦で、ホテルに到着する頃には最早シャワーを浴びて寝ることしか考えられなくなっていました。
翌金曜日。ビュッフェスタイルの朝食で、朝から焼きそば、串カツ、お好み焼きがでていることにビビり、B級グルメ好きたるもの試してみねば! と意気込んだものの、やはり朝一でこれは辛いとすぐさま後悔しつつも普通の朝食で腹を満たし、残りの展示を片付けるべく会場へ。
また地上経路で向かうのは大変だったので調べたところ、地下商店街がホテル近くから大阪駅まで伸びていると分かり、本日はそちらを使ってみる事に。地下鉄駅もいくつかあるようで、地上よりも人が多い中、表記に従い歩いていくとアッサリ大阪駅に到着。昨日もこっち使ってれば良かった…と、朝からゲンナリしてしまいました。
気を取り直して展示室に向かい、展示準備を再開。一番手のかかる部分は既に終わっており、残りもどうするかは昨日のうちに決めていたので、昨日とは比べ物にならないスピードで作業は進み、プレビュー開始のアナウンスがあった頃には無事展示準備完了できました。以下がその展示風景です。
大部屋入り口
大部屋展示スペース
壁には左からオノサト・トシノブ、ハ・ミョンウン、宮脇愛子。
ベッドの上には宮脇愛子の「マン・レイへのオマージュ」と真鍮の立体作品。
大部屋展示スペース別角度
正面にハ・ミョンウンとその下にカタログ各種。
大部屋展示スペースもう一枚
右上に尾形一郎 尾形優。
ハ・ミョンウン
<A master piece>シリーズ
左から"#A Rich Girl"、"#A Thinking Girl"、
"#A Sad Girl"、"#A Hairband Girl"
ハ・ミョンウン
<MINI>シリーズ
オノサトトシノブ
"Silk-103"
宮脇愛子
"UTSUROHI e"
宮脇愛子
『La Rencontre, c´est merveilleuse 宮脇愛子、私が出逢った作家たち』、
「作品」(長方形)、「作品(三角錐)」、「マン・レイへのオマージュ」
尾形一郎 尾形優
"Ocotlan 1-C"(左)
"Tepotzotlan 5-C"(右)
植田正治
<砂丘モードD>より「砂丘D」(右)
<妻のいる風景(III)>(中央右)
瑛九
「作品」(右)
"kiss"(左)
小部屋入り口
通路に草間彌生
小部屋展示スペース
秋葉シスイ
小部屋展示スペース別角度
秋葉シスイ
草間彌生
"Infinity Nets B"
草間彌生
「朝が来たA」(左)
「夜に読む本E」(右)
秋葉シスイ
「次の嵐を用意している」
秋葉シスイ
「今日」
秋葉シスイ
「次の嵐を用意している」
やはりと言いますか、草間彌生作品の人気はスゴく、今回も開始早々に2点がお買い上げとなりました。
売れているわけではありませんが、植田正治や瑛九作品も評判が良く、お客様が「おぉー」等と感嘆されている所を見ると嬉しいものです。
本日は自分と社長しかいないので(秋葉さんは夕方に帰京)他をゆっくり見て回ることはできませんでしたが、土曜、日曜は綿貫さんもいらっしゃるので、明日の記事では気になったギャラリーの展示をご紹介したいと思います。
そんなこんなで初日も無事終了。ART KYOTO 2012の時のように、西田画廊の西田さんをお招きしてレセプションへ。規模の差もあって会場は京都に比べてこじんまりしたものでしたが、お土地柄でしょうか、エネルギッシュで賑やかなレセプションでした。展示準備に追われて昼ご飯を食べ損ねたせいでスッカラカンのお腹を満たした後は、周りの方と歓談。韓国や台湾からもギャラリーが出展されており、BAMA 2012でお会いした、テグのSHILLA GALLERYのリさんもいらっしゃっており、Daegu Artfair 2012に参加予定があることもあって色々とお話させていただきました。
レセプション会場
ART KYOTO 2012に比べると規模こそ小さいものの、
活気は負けていません。
主催者の山口様のご挨拶
協賛者様ご紹介
奈良西田画廊の西田さん(左)、社長と
テグSHILLA GALLERYのリさん(右)
レセプション終了後は展示室の荷物を回収して宿泊先に直帰。本日は午後からどしゃ降りになったり小雨になったりと、降っては止んでの繰り返しでしたが、タイミング悪くホテルを出ると雨。まぁ地下道通るし関係ないか、と考えていたのですが、思わぬ所で難関が。大阪駅から地下に入ってすぐの部分は妙に空間が開けており、360度、あらゆる方面に通路が伸びているので、行き先が滅茶苦茶分かりづらいのです。なんとか地下商店街への入り口を見つければ、目印にしようと思っていたお店は文字通り軒並みシャッターが降りており、しかもそのシャッターが全て同じ見た目。こういうトコだけ足並み揃えるってどうなんだ…と呆れつつ、脇道の景色などを目印になんとか目的の階段まで到達。初日終了となりました。
明日からは一般公開、さてどうなりますやら。
(しんざわ ゆう)
◆ときの忘れものは「ART OSAKA 2012」に出展します。

会期:2012年7月7日[土]―7月8日[日]
会場:ホテルグランヴィア大阪

ART OSAKA 2012、現地より第一信をお送りします。
展示準備があるので開催前日の木曜日に現地大阪へ。最早お約束となりつつある曇り空に辟易としつつ、品川で出展作家の一人である秋葉シスイさんと合流し、新幹線で一路大阪へ。今回は手持ちで作品を運んでいなかったせいか、雨には降られませんでした。
新大阪駅に到着したら、ローカル線に乗り換え大阪駅まで一駅。会場のホテルグランヴィア大阪は大阪駅の最寄り、というより直結しているので、まずは展示準備をすませてしまおうと会場であるホテル26階へ。フェア受付で事前配送していた作品と備品を受け取り、台車を借りて部屋まで運んだのですが、あっという間に部屋がダンボール箱で埋まってしまいました。さてここからどう片付けたものか、等と自分は途方に暮れていましたが、秋葉さんの指示で一旦全て梱包を解き、空箱は片っ端からバスルームに突っ込む事からスタート。
まずは大物である、ハ・ミョンウンさんの作品からとりかかったのですが、縦長の長方形の中に木製のボードを切り出したパーツを積層させた作品は重心が安定せず、重量もあることから浮かせて展示することは無理と結論し、L字形の価格表示用のプレートを縦置きにして土台とし、作品の上下にコマンドタブ、さらにテグスで元々ホテルの備品がかけてあったフックに固定とかなり念入りに設置しました。おかげでこの時点で時間は7時過ぎ。一旦休憩して晩ご飯にしようと外に出ました。
秋葉さんが大阪名物たこ焼きをご所望でしたので、ネットで調べた近所の居酒屋へ。労働の後はお腹が減るから仕方がない、と言い訳をしつつ、サクサクの串カツ、トロトロのたこ焼き、ふわふわのお好み焼きを存分に堪能しました。後ほど報告の電話が綿貫さんからあったので夕飯の内容を話したら、「自分の食いたいものに秋葉さんを付き合わせるんじゃない!」と怒られました。自分の日頃の行いが知れますね。慌てて秋葉さんのリクエストだったと言い返しましたが、どこまで信じてもらえたものか…
さて、お腹も一杯になったことだしもうひと頑張り! と部屋に戻ると、何やら景色に違和感が…
なんと4つあるハさんの作品の一つが壁から外れ、テグスでかろうじて浮いているという惨状が!
気付いた瞬間引き攣った悲鳴を上げてしまいました。秋葉さんゴメンナサイ。ともかく慌てて状態を確認し、致命的な問題はなさそうだと分かりホッと一息。展示方法の都合で毎晩取り外して床に置いておくワケにもいかないので、夜間はエアパッキンで包んでおくことに。毎回ブログのネタに困らないのは大変結構なのですが、もう少し平和というか自分の心休まるイベントであってほしいものです。
ともあれ、上記のトラブルに時間を取られ、この日は作品の位置決め以外はハさん以外の4作品の展示をした時点で23時を回ってしまい、宿泊先に撤収することに。午後の間はずっと降っていた雨もその頃には上がっていましたが、おかげで湿度がエライことになっており、加えて駅周辺にも関わらずやたらアップダウンが激しく、加えて道が斜めに交差しているせいで信号も遠かったりの三重苦で、ホテルに到着する頃には最早シャワーを浴びて寝ることしか考えられなくなっていました。
翌金曜日。ビュッフェスタイルの朝食で、朝から焼きそば、串カツ、お好み焼きがでていることにビビり、B級グルメ好きたるもの試してみねば! と意気込んだものの、やはり朝一でこれは辛いとすぐさま後悔しつつも普通の朝食で腹を満たし、残りの展示を片付けるべく会場へ。
また地上経路で向かうのは大変だったので調べたところ、地下商店街がホテル近くから大阪駅まで伸びていると分かり、本日はそちらを使ってみる事に。地下鉄駅もいくつかあるようで、地上よりも人が多い中、表記に従い歩いていくとアッサリ大阪駅に到着。昨日もこっち使ってれば良かった…と、朝からゲンナリしてしまいました。
気を取り直して展示室に向かい、展示準備を再開。一番手のかかる部分は既に終わっており、残りもどうするかは昨日のうちに決めていたので、昨日とは比べ物にならないスピードで作業は進み、プレビュー開始のアナウンスがあった頃には無事展示準備完了できました。以下がその展示風景です。
大部屋入り口
大部屋展示スペース壁には左からオノサト・トシノブ、ハ・ミョンウン、宮脇愛子。
ベッドの上には宮脇愛子の「マン・レイへのオマージュ」と真鍮の立体作品。
大部屋展示スペース別角度正面にハ・ミョンウンとその下にカタログ各種。
大部屋展示スペースもう一枚右上に尾形一郎 尾形優。
ハ・ミョンウン<A master piece>シリーズ
左から"#A Rich Girl"、"#A Thinking Girl"、
"#A Sad Girl"、"#A Hairband Girl"
ハ・ミョンウン<MINI>シリーズ
オノサトトシノブ"Silk-103"
宮脇愛子"UTSUROHI e"
宮脇愛子『La Rencontre, c´est merveilleuse 宮脇愛子、私が出逢った作家たち』、
「作品」(長方形)、「作品(三角錐)」、「マン・レイへのオマージュ」
尾形一郎 尾形優"Ocotlan 1-C"(左)
"Tepotzotlan 5-C"(右)
植田正治<砂丘モードD>より「砂丘D」(右)
<妻のいる風景(III)>(中央右)
瑛九「作品」(右)
"kiss"(左)
小部屋入り口通路に草間彌生
小部屋展示スペース秋葉シスイ
小部屋展示スペース別角度秋葉シスイ
草間彌生"Infinity Nets B"
草間彌生「朝が来たA」(左)
「夜に読む本E」(右)
秋葉シスイ「次の嵐を用意している」
秋葉シスイ「今日」
秋葉シスイ「次の嵐を用意している」
やはりと言いますか、草間彌生作品の人気はスゴく、今回も開始早々に2点がお買い上げとなりました。
売れているわけではありませんが、植田正治や瑛九作品も評判が良く、お客様が「おぉー」等と感嘆されている所を見ると嬉しいものです。
本日は自分と社長しかいないので(秋葉さんは夕方に帰京)他をゆっくり見て回ることはできませんでしたが、土曜、日曜は綿貫さんもいらっしゃるので、明日の記事では気になったギャラリーの展示をご紹介したいと思います。
そんなこんなで初日も無事終了。ART KYOTO 2012の時のように、西田画廊の西田さんをお招きしてレセプションへ。規模の差もあって会場は京都に比べてこじんまりしたものでしたが、お土地柄でしょうか、エネルギッシュで賑やかなレセプションでした。展示準備に追われて昼ご飯を食べ損ねたせいでスッカラカンのお腹を満たした後は、周りの方と歓談。韓国や台湾からもギャラリーが出展されており、BAMA 2012でお会いした、テグのSHILLA GALLERYのリさんもいらっしゃっており、Daegu Artfair 2012に参加予定があることもあって色々とお話させていただきました。
レセプション会場ART KYOTO 2012に比べると規模こそ小さいものの、
活気は負けていません。
主催者の山口様のご挨拶
協賛者様ご紹介
奈良西田画廊の西田さん(左)、社長とテグSHILLA GALLERYのリさん(右)
レセプション終了後は展示室の荷物を回収して宿泊先に直帰。本日は午後からどしゃ降りになったり小雨になったりと、降っては止んでの繰り返しでしたが、タイミング悪くホテルを出ると雨。まぁ地下道通るし関係ないか、と考えていたのですが、思わぬ所で難関が。大阪駅から地下に入ってすぐの部分は妙に空間が開けており、360度、あらゆる方面に通路が伸びているので、行き先が滅茶苦茶分かりづらいのです。なんとか地下商店街への入り口を見つければ、目印にしようと思っていたお店は文字通り軒並みシャッターが降りており、しかもそのシャッターが全て同じ見た目。こういうトコだけ足並み揃えるってどうなんだ…と呆れつつ、脇道の景色などを目印になんとか目的の階段まで到達。初日終了となりました。
明日からは一般公開、さてどうなりますやら。
(しんざわ ゆう)
◆ときの忘れものは「ART OSAKA 2012」に出展します。

会期:2012年7月7日[土]―7月8日[日]
会場:ホテルグランヴィア大阪
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