本日10日は小林美香さんのエッセイ「写真のバックストーリー」の更新日なのですが、小林さんが超多忙なため休載となりました。
というわけでピンチヒッターの亭主の駄文にお付き合い願います。
小林さんのエッセイ、次回25日の更新をお楽しみに。

柳澤紀子展~浜松市美術館と平野美術館で

先日久しぶりに社長と仲良く浜松に行き、浜松市美術館平野美術館とで同時開催されている「柳澤紀子展 -転生の渚-」を見てきました。

20130223柳澤紀子展


柳澤紀子先生は浜松市出身。東京藝大油画科を卒業。
現在静岡県掛川市にアトリエを構え、ルーマニアやイスラエルの美術館などで個展を開催するなど内外で精力的に活躍してきました。
現代の人間・身体の在り様を問いかける個性的な作品群の原点は藝大で駒井哲郎に学んだ「版による表現」であり、今回も学生時代に手がけた銅版の原版なども展示されていました。

今回の展覧会では、平野美術館では初期から近作まで主に版画作品を中心に展示。
浜松市美術館ではドローイング大作などが展示されています。
20130223柳澤紀子展 表20130223柳澤紀子展 裏

「柳澤紀子展 -転生の渚-」
会期:2013年2月23日(土)~3月31日(日) 
午前9時30分~午後5時
※休館日:月曜日
主催:浜松市・公益財団法人平野美術館

亭主は現代版画センター時代に柳澤先生の銅版作品をいくつかエディションしました。
中でも思い出深いのは、岡田隆彦さんとの詩画集の制作でした。

◆岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』
表紙奥付

岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』
岡田隆彦:詩8篇
柳澤紀子:版画(銅版+手彩色)8点
刷り:山村兄弟版画工房
装幀:五十嵐恵子
発行日:1984年5月23日
発行者:綿貫不二夫、原勝雄
発行所:現代版画センター、浜松アートデューン
印刷・製本:クリキ企画印刷株式会社

サイン岡田隆彦サイン

I
I 詩

I
また海へ出るのだ、
荒れ狂う心をしずめるために。
おれの小舟よ、涙をぬぐえ!
行方知れずの母よ、
おれはいま、波を押しかえす。

II
II 詩

II
自分を洗っている海へ。
(語るなかれ) 海へ。
時が結晶してゆく、
したたかな器官のような
石のごとく物言わぬかたちへ
泳ぎついて、おれはつかむ。

III
III 詩

III
港の灯はクイーンズ・ネックレス。
船は和音を静かに食べている。
青い風は嗚呼、若い草を吹く。
溺れてしまいたい、だが
必ず浮上する。

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柳澤紀子展は、今月末までの会期なので、お近くの方、ぜひお出かけください。