企画展と企画展の間、束の間の画廊の空白を使って、私たちが敬愛する瑛九(1911~1960)とオノサト・トシノブ(1912~1986)の油彩を倉庫から運んで並べてみました。
師匠・久保貞次郎によれば「絵は並べてみればそれぞれの強さと弱さがよくわかる」。


瑛九 Q Ei
「風景」
板に油彩
23.7×33.0cm(F4)
サインあり 油彩

オノサト・トシノブ
「二つの丸 グレーと黒」
1960年 油彩
22.3×27.4cm 裏にサインと年記
瑛九「風景」の制作年はおそらく1950年代半ば(1954~1956年頃)と推定されます。
二人は一つ違いの仲の良い盟友でした。
1950年代のオノサト作品の評価は近年ますます高騰しています。
絵柄によってはオノサト作品の方が高い。高いといってもそう大きくは違いません。
では、もっと後の時代の作品を、並べてみましょう。


瑛九
「林」
1959年 油彩
130.4×97.3cm(F60)
サイン・年記あり
※日本経済新聞社『瑛九作品集』128ページ所収

オノサト・トシノブ
「円の運行」
1974年 油彩
90.8x116.4cm(F50号)
サインあり
※練馬区立美術館『オノサト・トシノブ展』(1989年)出品作品
瑛九の「林」は最晩年の点描の傑作、回顧展には必ず出品されてきた文字通りの代表作です。
片やオノサトの「円の運行」も没後初めて開催された練馬区立美術館での回顧展に出品された70年代の代表作の一つです。
しかし、市場の評価は圧倒的に瑛九です。
おそらく現時点での瑛九作品の評価はオノサトの数十倍になるでしょう。
市場の評価というのは変遷するものですが、それにしてもオノサトの70年代以降の作品の低評価はファンとしては残念でなりません。
評価のますます高騰する瑛九ですが、連続企画「瑛九展」の第24回を10月に開催する予定です。久しぶりに瑛九版画の名作を集めた展示にしたいと考えています。
どうぞお楽しみに。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
■オノサト・トシノブ Toshinobu ONOSATO(1912-1986)
1912年長野県生まれ。その後群馬県桐生に移り住む。本名・小野里利信。津田青楓洋画塾に学ぶ。35年黒色洋画展を結成。38年自由美術家協会会員となる(~56年、以後無所属)。41年に一兵卒として出征、戦後のシベリア抑留を経て48年に帰国後は桐生のアトリエでひたすら円を描き続けた。64年・66年にはベニス・ビエンナーレに日本代表として出品。戦前、戦後と親友の瑛九とともに前衛美術の道を歩み続けた。86年永逝。
●瑛九展カタログのご案内
『第23回 瑛九展』図録
執筆:大谷省吾(東京国立近代美術館主任研究員)
図版:約30点掲載
カラー 24ページ
25.6x18.1cm(B5判)
価格:800円(税込)
※送料別途250円
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師匠・久保貞次郎によれば「絵は並べてみればそれぞれの強さと弱さがよくわかる」。


瑛九 Q Ei
「風景」
板に油彩
23.7×33.0cm(F4)
サインあり 油彩

オノサト・トシノブ
「二つの丸 グレーと黒」
1960年 油彩
22.3×27.4cm 裏にサインと年記
瑛九「風景」の制作年はおそらく1950年代半ば(1954~1956年頃)と推定されます。
二人は一つ違いの仲の良い盟友でした。
1950年代のオノサト作品の評価は近年ますます高騰しています。
絵柄によってはオノサト作品の方が高い。高いといってもそう大きくは違いません。
では、もっと後の時代の作品を、並べてみましょう。


瑛九
「林」
1959年 油彩
130.4×97.3cm(F60)
サイン・年記あり
※日本経済新聞社『瑛九作品集』128ページ所収

オノサト・トシノブ
「円の運行」
1974年 油彩
90.8x116.4cm(F50号)
サインあり
※練馬区立美術館『オノサト・トシノブ展』(1989年)出品作品
瑛九の「林」は最晩年の点描の傑作、回顧展には必ず出品されてきた文字通りの代表作です。
片やオノサトの「円の運行」も没後初めて開催された練馬区立美術館での回顧展に出品された70年代の代表作の一つです。
しかし、市場の評価は圧倒的に瑛九です。
おそらく現時点での瑛九作品の評価はオノサトの数十倍になるでしょう。
市場の評価というのは変遷するものですが、それにしてもオノサトの70年代以降の作品の低評価はファンとしては残念でなりません。
評価のますます高騰する瑛九ですが、連続企画「瑛九展」の第24回を10月に開催する予定です。久しぶりに瑛九版画の名作を集めた展示にしたいと考えています。
どうぞお楽しみに。
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■オノサト・トシノブ Toshinobu ONOSATO(1912-1986)
1912年長野県生まれ。その後群馬県桐生に移り住む。本名・小野里利信。津田青楓洋画塾に学ぶ。35年黒色洋画展を結成。38年自由美術家協会会員となる(~56年、以後無所属)。41年に一兵卒として出征、戦後のシベリア抑留を経て48年に帰国後は桐生のアトリエでひたすら円を描き続けた。64年・66年にはベニス・ビエンナーレに日本代表として出品。戦前、戦後と親友の瑛九とともに前衛美術の道を歩み続けた。86年永逝。
●瑛九展カタログのご案内
『第23回 瑛九展』図録執筆:大谷省吾(東京国立近代美術館主任研究員)
図版:約30点掲載
カラー 24ページ
25.6x18.1cm(B5判)
価格:800円(税込)
※送料別途250円
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