まだ蒸し暑い日が続いています。
この8月は、暑いうえに、ほんとうに忙しかった。
海外からの問合せが相次ぎ、実際に来日されるお客さまが何人もいらっしゃった。
円安効果なのかしら?

例年、お盆の時期に開催していた写真展も止めて、久しぶりに夏休みをとり、三日間ほど都心の某所にこもり、映画を観て歩きました。
事前チェックもせずにいきなり映画館に直行したせいで、少々重い内容でぐったりしたり、行ったら今日はやっていない(上映日ではない)といわれたりの失敗もありました。
最後の夜はノーテンキに楽しもうと『タイピスト』を観ました。初日だったので、最終回しか席が取れず夕食後に出かけたら偶然建築家の玄・ベルトー・進来さんご夫妻とお会いしました。
磯崎新アトリエのOBで、「仕事がぎっしりで夏休みも取れない、今夜はせめてもの女房孝行です」とおっしゃっていました。
パリ生まれなので、フランスと日本の二重国籍をもっていた時期があり「午前中は大使館でフランス大統領を選び、午後は日本の総選挙で投票」という珍しい経験をお持ちです。

先日、ご自身が関わった展覧会のご案内をいただきました。

Louis VUITTON のイベント、Timeless Muses(時を超えるミューズたち)の空間の1つ、Charlotte PERRIAND スペースのデザインを担当しましたので、
もしお時間があればおたちよりください。
9月23日まで、東京ステーションホテルの宴会ウイングにて、無料一般公開しています。

玄・ベルトー・進来

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新装なった東京駅にぜひお出かけください。

さて、ときの忘れものの秋のラインナップが固まりましたので、お知らせします。

■9月29日(日)ー10月8日(火) 臨時休廊(KIAF出展のため)

■10月3日(木)ー10月7日(月)韓国ソウルの「KIAF/13」に出展
光嶋裕介、野口琢郎、磯崎新、安藤忠雄、草間彌生、北郷悟、他
招待券が若干あります。ご希望の方はメールにてお申し込みください

■10月16日(水)ー10月23日(水)「菅原一剛写真展―Blue
写真家・菅原一剛は、大阪芸術大学の写真学科を卒業後、早崎治氏に師事し、商業写真を学びます。1986年にフランスに渡り、翌年フリーの写真家として活動を開始した菅原は、風景や植物、人物を被写体に数々のオリジナルプリントを制作してきました。近年は"光の温度"を写真にとらえる方法として湿板写真などを探求し、写真の古典技法とインクジェットプリントを組み合わせることで、今までにない、新しい写真の可能性に満ちた作品を制作しています。
デビューから約28年の間に制作された代表作を収録した菅原一剛写真集『Daylight | Blue』が、BNN新社より刊行(価格6,300円、2冊1組)されたのを機に、ギャラリー360°と、ときの忘れものの2会場で出版記念写真展を同時開催します。

■10月26日(土)ー10月29日(火)青山スパイラル「ウルトラ 006」に出展
光嶋裕介、秋葉シスイ、渡辺貴子

■10月26日(土)ー11月2日(土)「第24回瑛九展 瑛九と瀧口修造
1996年に第1回瑛九展を開催して以来のシリーズ企画、今回で24回目となります。
本展では瑛九の理解者の一人であった瀧口修造(没後は瑛九の会の呼びかけ人となる)との関係にスポットをあてます。
瀧口は、美術評論家・詩人として知られますが、タケミヤ画廊で瑛九らの展覧会を企画し若い作家をサポートする一方、自らデカルコマニーなど作品を制作しました。
また1954年には久保貞次郎・福島辰夫らによって瀧口修造の詩による版画集『スフィンクス』が刊行されました。
この詩画集には、瑛九はじめ、北川民次、泉茂、加藤正、利根山光人、青原俊子(内間)が挿画を制作し、デザイン・レイアウトは山城隆一が担当しました。
本展では、瑛九の油彩、水彩、版画とともに、詩画集『スフィンクス』を展示いたします。

■2013年11月13日(水)ー11月23日(土)「ボブ・ウィロビー写真展―ハリウッド・スペシャル
オードリー・ヘップバーン、エリザベス・テイラー、マリリン・モンロー、ジェームス・ディーン、ジーン・セバーグ、ソフィア・ローレンなど、数々のスターが主演するハリウッド映画のメイキング・シーンを撮影してきた「スペシャル」フォトグラファー、ボブ・ウィロビー(1927-2009)の遺作写真を約30点ご覧いただきます。
2009年12月、フランス・ベニスの自宅で82歳の生涯を終えたウィロビーは、映画会社や雑誌社の社員ではなく、世界中のマスコミに資料を提供する大手スタジオが雇った「スペシャル」とよばれる初のフリーの写真家で、『ライフ』や『ルック』など大手雑誌と映画製作スタジオの仲介者でもあり、ハリウッド全盛期の1950年代初期にこの特殊な職種を最初に開拓したパイオニアでした。
1954年に映画「スタア誕生」で撮影したジュディ・ガーランドのポートレート写真が『ライフ』誌の表紙を飾り、ウィロビーは一躍名を馳せます。以降、オードリー・ヘップバーンの出演作のほか、「バージニア・ウルフなんかこわくない」「卒業」「ローズマリーの赤ちゃん」「カンカン」「チップス先生さようなら」など100を越える映画のメイキングを撮影しました。
ウィロビーは、映画製作の歴史的な時代の記録において、理想的なピクチャー・ストーリーを組み込む才能がありました。また、舞台の内外を問わず、数多くの俳優やディレクターたちの撮影の合間に見せる無防備な、あるいはドラマ性の高い瞬間を捉え続けました。
『ライフ』、『ルック』、『ヴォーグ』、『ハーパース・バザー』など複数の雑誌の映画ページを並行して担当し、50年代から70年代初頭までの約20年間に彼の作品が印刷物に掲載されない週はなかったといいます。
さらに、いくつかの技術開発にも携わり、今日では日常的に使われている35mmスチルカメラで使用する静音装置もその一つです。当時、撮影現場においてカメラを無線操作するただ一人の写真家で、それによりほかの写真家では状況的に、あるいは物理的に撮影できない作品を生み出すことを可能としました。ほかにも、特製のブラケットを使用することで、パナビジョンカメラの上や頭上に自身のスチルカメラを配置できるようにしました。
ハリウッドの映画芸術科学アカデミーは、彼の功績を称えて大規模な回顧展を開催し、2004年にはスチルフォトにおける多大な功績によりニューヨークでルーシーアワードを受賞しました。
A110_James Dean Script

ボブ・ウィロビー
A226 - Audrey Hepburn in her hotel room in L.A., on her first trip to Hollywood after filming "Roman Holiday," 1953.
1953年
ゼラチンシルバープリント
40.6×30.5cm (12×16 in.)
A120_Audrey Studio Car

ボブ・ウィロビー
A110 - James Dean going over his script on the Warner Bros. set of "Rebel Without a Cause," 1955.
1955年
ゼラチンシルバープリント
30.5×40.6cm (12×16 in.)

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■ボブ・ウィロビーBob WILLOUGHBY(1927-2009)
1927年アメリカ・ロサンゼルスで生まれる。12歳のときに父からもらったカメラで写真を撮り始める。高校卒業後、ハリウッドのカメラマンたちの助手として修業し、かたわらジャズを対象に写真修業をした。南カリフォルニア大学の夜間部で写真を学び、専門学校でデザインを学習。やがて演劇や文化イベントを手がけるようになり、雑誌のために映画関連の撮影が増えた。オードリー・ヘプバーン出演作のほか、「地上より永遠に」「スタア誕生」「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」「卒業」など30年あまりの間に120本ほどの映画でスチル写真を撮り、『ライフ』『ヴォーグ』など世界的な雑誌に提供している。写真集として、『プラチナの時代』(1974)、『ロサンゼルスのジャズ』(1990)、『ハリウッド・スペシャル』(1993)などがある。彼の写真は、数多くの国の美術館に展示されている。2009年12月フランス・ベニスに永逝(享年82)。

最後に、このブログの閲覧者がつい先日累計40万件に達しました。
毎日必ず読んでくださる方がいるということは亭主はもちろん、執筆者の皆さんにとっても大きな励みになり、あらためて御礼申し上げる次第です。
これからも皆さんに楽しんでいただけるよう、ブログの充実に努めたいと思います。