twitterでeditusさんが<ときの忘れものにて「宮脇愛子新作展」レセプション。宮脇さんにお会いするのは網谷さんの葬送の会以来かな。お元気そうでうれしかったです。それにしてもアート、建築界の錚々たる顔ぶれが勢揃いでした>と発信してくださいましたが、一昨日12月7日、土曜日の午後3時という中途半端な時間にもかかわらず、宮脇先生の長いキャリアと幅広い交友を反映してときの忘れものの歴史でもかつてないほどの大勢のお客様がレセプションに出席されました
美術界からは93歳の野見山暁治さんはじめ、河口龍夫さん、若江漢字さん、島根紹さん、土屋公雄さん、空閑俊憲さん、鈴木杜幾子さん、中谷芙二子さん、千葉成夫さん、小林美香さん、土渕信彦さん、原游さん、井桁裕子さん、永井桃子さん、黒田亮子さん、元池田満寿夫美術館館長の宮澤壮佳さん、カスヤの森現代美術館の若江はる子さん、軽井沢ルヴァン美術館の木田三保さん、川崎市岡本太郎美術館の村田慶之輔さん、大阪市立近代美術館建設準備室の三井知行さん、
建築界からは、槙文彦さん、長谷川逸子さん、八束はじめさん、吉松秀樹さん、鈴木博之さん、青木宏さん、大野幸さん、藤江和子さん、植田実さん、玄・ベルトー・進来さん、山本理顕さん、川村純一さん、・・・・
ワンピース倶楽部代表の石鍋博子さん、美術出版者の元編集者の上甲ミドリさん、作曲家の高橋悠治さん、笙奏者の宮田まゆみさんなどなど多彩な人々が集いました(亭主の記憶をもとに記しましたが、漏れている方も多数)。
展覧会は14日まで開催していますので、ぜひお出かけください。

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「…もしかすると、この時が頂点かもしれない。桑原写真が写真の写真たる頂点かもしれない」(荒木経惟)
昭和の戦前、戦後、東京の町並みやそこに暮らす人たちの姿を飾り気のない目でとらえ、膨大な写真を残した桑原甲子雄 (くわばらきねお)は100年前の今日、1913年12月9日東京市下谷車坂町(現東京都台東区東上野)に生まれ、94歳の誕生日を迎えた翌日、2007年12月10日に死去しました。
さて、生誕百年を迎え、再評価の著しい桑原甲子雄の写真集が毎日新聞社から刊行されたのでご紹介します。
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桑原甲子雄写真集
『私的昭和史 上巻 東京戦前篇』
『私的昭和史 下巻 満州紀行 東京戦後篇』

著者:桑原甲子雄  編者:伊藤愼一・平嶋彰彦
毎日新聞社
各巻3,990円

アマチュア写真家として出発し、後には写真雑誌の編集、写真評論にも活躍した桑原ですが、家業は質屋、写真家の濱谷浩とは同じ町内の幼なじみ。質屋の手伝いの合間に東京の街を歩き回り、和服の懐からライカC型を取り出して街と人々を撮り続けました。
1936(昭和11)年の2・26事件の翌日には、戒厳令下の皇居周辺や日比谷界隈に出かけ隠し撮りをし、貴重な記録を残しています。

この写真集を編集したのは、亭主と毎日新聞で同期の平嶋彰彦です。
亭主は数年で飛び出しちゃいましたが、写真部に入った平嶋はちゃんと定年まで勤め上げ、その後も次々と素晴らしい写真集を編集している。
こつこつやる人は違うなあ。
宮本常一が撮った昭和の情景』上下巻と、『1960年代の東京 路面電車が走る水の都の記憶』(写真:池田信)についてはこのブログでも紹介しましたが、『宮本常一 写真・日記集成』(全2巻・別巻1 2005年)、『パレスサイドビル物語―ビルに歴史あり』(2006年)も平嶋君の仕事です。
どれも大部で、売れるはずのない渋い内容ですが、それを出し続けるわが毎日新聞も偉いが、あの寡黙な(飲むとしゃべるが)平嶋がよくも上司を口説き落としたものだと、頭が下がります。
どうぞ本屋さんで見かけたら、買ってください。