某月某日、新潮社の装幀部から連絡がありました。
「小説家の朝吹真理子さんの文庫本を出すことになった。ついては著者の強い希望で瀧口修造先生の作品(デカルコマニー)を使いたい」というご依頼でした。
朝吹さんは2009年のジョナス・メカス展のおり吉増剛造さんのトークに参加されたこともあり、親しみを感じておりその文才には注目しておりました。
今回文庫本になったのは2010年に第20回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した『流跡』。次の『きことわ』で第144回芥川賞(平成22年度下半期)を受賞して一躍時の人になりました。
朝吹さんが希望されたのは、今年1月の「瀧口修造展-Ⅰ」に出品された下の作品(両面に作品あり)の片面でした。

瀧口修造
「Ⅱ-11」
デカルコマニー、紙
13.6×9.9cm
裏面
早速、著作権継承者の方に話をつなぎました。
私たちが展示販売した作品ですが、著作権は作家またはご遺族に属しますから、直接新潮社がご遺族に相談され、了解を得て、このたび刊行されました。

朝吹真理子『流跡』
2014年
新潮社
141ページ
15.1x10.7cm
『流跡』は流れゆく水の記憶であり、記憶の忘却の記録でもある。テクストはその欠落と忘却をも含みこんだとき、はじめて真にテクストを構成するという真理を、われわれはここで想起すべきであろう。
四方田犬彦(同書の帯より)

カバー装画:瀧口修造

2009年9月5日
ジョナス・メカス新作写真展にて
吉増剛造さん(中央)の左が朝吹真理子さん

2009年9月5日
中央椅子に座っているのが左から吉増さん、メカスさんの子息・セバスチャン、大野慶人さん。
吉増さんの斜め右上が朝吹さん

トークの後の二次会で。
左からセバスチャン、吉増さん、朝吹さん。
立っているのは井桁裕子さん。
朝吹さんのますますのご活躍を期待しています。
次回企画、「第25回 瑛九展 瑛九と久保貞次郎」に瀧口作品を数点出品しますので、どうぞお楽しみに。
◆ときの忘れものは2014年6月11日[水]―6月28日[土]「第25回 瑛九展 瑛九と久保貞次郎」を開催します(*会期中無休)。

大コレクター久保貞次郎は瑛九の良き理解者であり、瑛九は久保の良き助言者でした。
遺された久保コレクションを中心に、瑛九と時代を共にし、久保が支持した作家たちー北川民次、オノサト・トシノブ、桂ゆき、磯辺行久、靉嘔、瀧口修造、駒井哲郎、細江英公、泉茂、池田満寿夫らの油彩、水彩、オブジェ、写真、フォトデッサン、版画などを出品します。
また5月17日に死去した木村利三郎の作品を追悼の心をこめて特別展示します。
「小説家の朝吹真理子さんの文庫本を出すことになった。ついては著者の強い希望で瀧口修造先生の作品(デカルコマニー)を使いたい」というご依頼でした。
朝吹さんは2009年のジョナス・メカス展のおり吉増剛造さんのトークに参加されたこともあり、親しみを感じておりその文才には注目しておりました。
今回文庫本になったのは2010年に第20回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した『流跡』。次の『きことわ』で第144回芥川賞(平成22年度下半期)を受賞して一躍時の人になりました。
朝吹さんが希望されたのは、今年1月の「瀧口修造展-Ⅰ」に出品された下の作品(両面に作品あり)の片面でした。

瀧口修造
「Ⅱ-11」
デカルコマニー、紙
13.6×9.9cm
裏面早速、著作権継承者の方に話をつなぎました。
私たちが展示販売した作品ですが、著作権は作家またはご遺族に属しますから、直接新潮社がご遺族に相談され、了解を得て、このたび刊行されました。

朝吹真理子『流跡』
2014年
新潮社
141ページ
15.1x10.7cm
『流跡』は流れゆく水の記憶であり、記憶の忘却の記録でもある。テクストはその欠落と忘却をも含みこんだとき、はじめて真にテクストを構成するという真理を、われわれはここで想起すべきであろう。
四方田犬彦(同書の帯より)

カバー装画:瀧口修造

2009年9月5日
ジョナス・メカス新作写真展にて
吉増剛造さん(中央)の左が朝吹真理子さん

2009年9月5日
中央椅子に座っているのが左から吉増さん、メカスさんの子息・セバスチャン、大野慶人さん。
吉増さんの斜め右上が朝吹さん

トークの後の二次会で。
左からセバスチャン、吉増さん、朝吹さん。
立っているのは井桁裕子さん。
朝吹さんのますますのご活躍を期待しています。
次回企画、「第25回 瑛九展 瑛九と久保貞次郎」に瀧口作品を数点出品しますので、どうぞお楽しみに。
◆ときの忘れものは2014年6月11日[水]―6月28日[土]「第25回 瑛九展 瑛九と久保貞次郎」を開催します(*会期中無休)。

大コレクター久保貞次郎は瑛九の良き理解者であり、瑛九は久保の良き助言者でした。
遺された久保コレクションを中心に、瑛九と時代を共にし、久保が支持した作家たちー北川民次、オノサト・トシノブ、桂ゆき、磯辺行久、靉嘔、瀧口修造、駒井哲郎、細江英公、泉茂、池田満寿夫らの油彩、水彩、オブジェ、写真、フォトデッサン、版画などを出品します。
また5月17日に死去した木村利三郎の作品を追悼の心をこめて特別展示します。
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