7月18日、植田実先生とコレクターのS氏と一緒に、世田谷美術館「金山康喜のパリ 1950年代の日本人画家たち」展のオープニング・レセプションに出席して参りました。
私は、金山康喜さんのお名前もこの展覧会で初めて知り、今回初めて作品を拝見しました。
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世田谷美術館
「金山康喜のパリ 1950年代の日本人画家たち」
会期:2015年7月18日~9月6日


オープニング・レセプションでは、まず酒井館長のあいさつを拝聴しました。
金山康喜さん(1926-1959)は1950年代初頭にパリに留学して画業に精を出されるさなか、一時帰国中に33歳の若さで急逝されました。パリのアトリエに残されていた作品は、当時パリで親交のあった野見山暁治さんら画家たちにより日本に送られたそうです。野見山暁治さんが「金山康喜展を開催しないと死んでも死にきれない」ということで、今回の企画展が実現したそうです。
作品が行方不明にならずに、半世紀以上が経った今、こうしてたくさんの作品をお披露目できたことに、亡き金山さんも喜んでいることと思います。

そして、金山康喜さんの妹さんのあいさつでは、金山康喜さんの若かりし頃の思い出―子どもの頃から手先がとても器用だったこと、大音量で音楽を聴きながら絵を描いていたこと、お父様が「絵では食べてはいけないよ」と言うので大学では経済学を専攻し、1950年代初頭に経済学を学ぶという名目で芸術の都パリに渡ったこと―を伺うことができました。
実際には、パリで絵画への情熱が再燃し、画業に励んだそうです。

本展では、金山康喜さんの初期の作品から亡くなる直前(未完の作品もあり)の作品が約70点展示されていました。その中でも最も目を引くのは静物画で、独特な構図が魅力的で、すぐに心を奪われました。特に私が気に入った作品は《食前の祈り》です。

また、金山さんと交流のあった画家の作品も展示されていました。
師事した画家・猪熊弦一郎の作品をはじめ、金山さんをたいそう可愛がっておられたという藤田嗣治さんの作品、同時代にパリで作家活動をおこなっていた荻須高徳さん、佐野繁次郎さん、関口俊吾さん、菅井汲さん、田淵安一さん、野見山暁治さん、今井俊満さん、堂本尚郎さんら13名の作品約70点が展示されています。
是非、お出かけください。

おだちれいこ

●今日のお勧めは菅井汲です。
20150731_sugai_11_group-s菅井汲
「グループS」
1989年
シルクスクリーン
56.0x76.0cm
Ed.100
サインあり
※レゾネNo.335

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