スタッフSの海外ネットサーフィン No.34
「LUCIEN CLERGUE: THE TRAILER」

Galeries nationales du Grand Palais, Paris


読者の皆様こんにちわ、師匠も走る年の暮れ、いかがお過ごしでしょうか。ときの忘れものは本日をもって2015年の営業を終了致します。そんな区切りの日にこんな駄文掲載していいんだろうかと自問する、最近は流石に長袖じゃないと外が寒くなってきたスタッフSこと新澤です。

1226_GrandPalais
"PanoramiqueGrandPalais" by sanchezn - 投稿者自身による作品 (Photo personnelle). Licensed under CC 表示-継承 2.5 via ウィキメディア・コモンズ.

ときの忘れものは本日まで「黒の魅力」と題して洋の東西を問わずモノクロの作品を展示していましたが、今回はこれに便乗してモノクロの写真展をご紹介させていただきます。会場はパリ8区にあるグラン・パレ。1900年に開催されたパリ万博万国博覧会の会場として建設され、現在も展覧会場・美術館として機能しています。その設計には4人の建築家が関わっており、正面ファサード(建築デザイン)をアンリ・ドゥグラン(Henri Deglane)、裏面をアルベール・トマ(Albert-Felix-Theophile Thomas)、内装と左右の二面はアルベール・ルヴェ(Albert Louvet)、そして全体の総監督としてシャルル・ジロー(Charles Girault)が担当しました。ちなみにシャルル・ジローはグラン・パレに向き合うように建つプティ・パレの設計も手掛けています。グラン・パレのデザインは初期ボザール建築の典型例とされ、主な屋根が鉄とガラスで覆われているのが特徴。1993年にこの天井部分の崩落があって以来、実に12年間閉鎖していましたが、その間に行われた大規模改修により、2005年から再開館しています。

1226_clergue

このグラン・パレの一部であるGaleries nationales du Grand Palais(国立グランパレ美術館)で来年2月まで開催中なのが、「LUCIEN CLERGUE: THE TRAILER」。フランスを代表する写真家、ルシアン・クレルグ。彼が二十歳にもならぬ時分にアルルの闘牛場で出会ったピカソが、何故彼の後ろ盾となったのか? クレルグの逝去まで秘匿されていた、写真家活動の最初期を記録した3冊のアルバムを通じて、ヨーロッパで写真家として生計を立てた先駆者の始まりを見ることができます。ちなみにこの国立グランパレ美術館、1966年に開館した際の企画展はパブロ・ピカソ回顧展とアフリカ美術展だったりする上に、現在もちょうど「PICASSO. MANIA」という企画展が開催中です。

最近はテロやら何やらで物騒なパリですが、そんな中でもこういったイベントはちゃんと開催し続けられる辺り、やはり芸術の都は違いますねぇ。とはいえ、そんな物騒な場所にお出かけくださいとはいえませんので、代わりに展覧会の動画を以下に紹介させていただきます。主な言語はフランス語ですが、作品も映りますので雰囲気は掴めるかと。年の暮れ、一時の暇潰しになれば幸いです。



それでは皆様、よいお年を。

(しんざわ ゆう)

Galeries nationales du Grand Palais 公式ページ(英文)
LUCIEN CLERGUE: THE TRAILER 紹介ページ(英文)
-----------------------------------
●本日で年内の営業は終了しますが、ブログは明日以降も無休で発信します。

「スタッフSの海外ネットサーフィン」は毎月26日の更新です。

●今日のお勧めはE.J.ベロックです。
ベロックE.J.ベロック
「Untitled」
1911年頃
20.2x25.2cm
ゼラチンシルバープリント
(リー・フリードランダーによるプリント、金調色P.O.P.プリント)
裏面にリー・フリードランダーのサインあり

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

◆本日は「黒の魅力展」の最終日です。
魔方陣600
さまざまなモノクローム技法(木口木版画、マニエル・ノワール、銀塩写真、他)にこだわり、漆黒の世界の魅力を描いた12作家の作品20点を展示します。
出品作家:殿敷侃、駒井哲郎、浜口陽三、日和崎尊夫、国吉康雄、細江英公、福田勝治、中山岩太、植田実、 E.J・べロック、ウィン・バロック、エルンスト・ハース