大番頭が産休に入ったこともあり、最近スタッフたちの残業が多い。
由々しき事態である。

ときの忘れものは一日7時間(週35時間)、週休二日、残業なし、年休たっぷりが社是である。
いやなに、そうしないと亭主(一従業員)のからだが持たないからであります。
しかし、亭主と社長が早々と帰宅しても、スタッフ連中はまだ居残っている。当然残業手当を支払う社長の顔も渋い。素直で慎重な某スタッフなどは亭主がどこにいようがお構いなし、いちいち携帯やメールで作業の確認を求めてくる。これじゃおちおち呑んでもいられないし、早退した意味がない。
まことに由々しき事態といわねばならない。

こういうとき原理原則に還れば、人を増やすか、仕事を削るか、どっちしかない。

社長+大番頭連合軍の「断捨離派」と、亭主の「捨てられない(整理できない)派」の熾烈な戦いについては先日ちょっと書きました。あのときはいかにも亭主が「断捨離派」の鼻を明かしたようなことを書きましたが、実は決着をとうについており(つまり断捨離派の圧勝)、いつどのような形で実行するかだけでした。

ことばの正確な意味でのリストラです。
日本でリストラというと、即人員整理(クビ)を意味することが多いのですが、そんなことしません。仕事を大幅に整理することにしました
事態を冷静に見つめて、何を残し(整理し)、スタッフの力をどこに集中するか。
先日のシンガポール出張はそういうことを考えるいい機会でした。
ほんとういえば削っていい仕事なんかない、それでも削らなければならない(サービスが低下する)苦衷もあります。
いろいろなことが変化しますが、どうぞご理解ください。
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さて、昨日から開催している「恩地孝四郎展」、最初のお客様は某県立美術館の館長さんでした。近美の恩地孝四郎展には驚いたようで、あの戦後の大作群の凄さを共有でき亭主も嬉しかった。
長谷川三郎はじめ1950年代の日本のどの作家よりも、明るく突き抜けた抽象表現に達した恩地作品を私たちは初めて目にできるのです。来る客、来る客に「うちになんか来なくていいから竹橋に行ってください」と連呼しておりました。
既に行かれた方は深く頷いてくれますが、まだ行っていない方は「えっ そんなに凄いの?」と怪訝な顔。
入場者も少ないらしい(泣)。責任の一端は新聞でしょう。どの新聞の展評を読んでも今回の回顧展が画期的なものだということがわかっていない、憤懣やるかたない。
朝日新聞には<だが「月映」後の展示作品を見ると、困惑する>と書いてあります。いったい何を見ているのでしょう。
カタログの桑原規子さんの論文『恩地孝四郎:戦後抽象版画の展開』を読んでいるのかしら。読んでも困惑したとしたらよほど無教養なのか、それとも作品を見ずに(パンフレットからの引用で)書いているのかと疑いたくなります。
どの記事も相も変わらず、「月映」「抒情」・・・いい加減にして欲しい(悲しい)。

歴史的大回顧展とくらぶべくもない我が小展示ですが、出品作品をいくつかご紹介します。
恩地孝四郎_慈に泪す
1. 恩地孝四郎 Koshiro ONCHI
『月映VI』より《抒情五種3 慈に泪す》
1914 木版
Image size : 13.8×9.5cm
Sheet size : 24.8×17.8cm


失題_きびしい人格の作者2. 恩地孝四郎 Koshiro ONCHI
《失題(きびしい人格の作者)》
1915 コンテ・紙
17.0x15.0cm
恩地邦郎の証明書付


四月3. 恩地孝四郎 Koshiro ONCHI
《四月》
1925 木版
17.8x19.3cm


水浴6. 恩地孝四郎 Koshiro ONCHI
《水浴》 
1929 木版
Image size : 21.4x14.8cm
Sheet size : 25.8x17.5cm


onchi_37_zoo7. 恩地孝四郎 Koshiro ONCHI
《動物園初秋》
1929 木版
Image size : 18.3×24.2cm
Sheet size : 20.5×26.8cm
Signed


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8. 恩地孝四郎 Koshiro ONCHI
失題
1936  色鉛筆、紙
Image size : 表25.0x19.5cm、裏26.5x22.0cm
Sheet size : 27.7x24.3cm

白い花11. 恩地孝四郎 Koshiro ONCHI
《白い花》 
1943 木版
37.0x26.0cm


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◆ときの忘れものは2016年2月6日[水]―2月20日[土]「恩地孝四郎展」を開催しています(*会期中無休)。
恩地孝四郎展DM1200

恩地孝四郎の木版画を中心に水彩、素描など15点をご覧いただきます。

●イベントのご案内
2月12日(金)18時より西山純子さん(千葉市美術館主任学芸員)を講師に迎えてギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
※必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申込ください。
E-mail. info@tokinowasuremono.com