南青山にあるギャラリー、ときの忘れものでは熊本地震の被災者へのチャリティー展示を開催中。版画の小品を中心に100点を8千円で販売し、売り上げの全額を義捐金として寄付するという趣旨のもの。僕は靉嘔の作品を購入。レインボーカラーの鳩を描いたもので、被災者の方々に、そして僕にも、幸せを運んできてくれると良いなぁと思う。売約済みになっている作品の中にも面白いものが沢山あり、見ていて飽きない。来週の土曜日まで開催しているので、関心のある方はぜひ訪れて作品を手に取ってほしいと思う。寄付がきっかけで自分の部屋にアートがある生活が始まるって楽しいんじゃないかな。
今回はもう一つ、南画廊という伝説の現代美術ギャラリーをテーマにした企画展も同時開催中。南画廊が開催した展覧会のカタログ50冊のほか、取扱い作家の作品も合わせて展示。カタログが作品に全く負けないぐらいスタイリッシュで存在感を放っていることに驚いた
。(林光一郎さんのブログより>

上掲の林さんのブログにある通り、「第2回アートブック・ラウンジ~画廊のしごと(南画廊のカタログ)」は先週火曜日スタートでしたので会期も半ばを過ぎました。
同時開催の「ここから熊本へ~地震被災者支援展」への反響が大きく、おかげさまで100点のうち70点以上が売約となり、壁面は大幅に展示換えとなりました。
災害のときには助け合い、被災した方たちに少しでもお役に立ちたいという皆様のお気持ちが伝わってきます。

一昨日(土曜日)も各地から来廊者が絶えず、いつもは夕方4時頃になるとそそくさと早退する亭主ですが、この日ばかりは夜7時まできっちりと店番をいたしました。
最後のお客さまは遠方からいらした素敵なカップルで、恩地孝四郎の作品を(在庫の全て)じっくりとご覧になっていきました。恩地=命の亭主としては若い人が恩地作品を買いたいなんて、嬉しくて仕方ない。
不思議なもので、人も来ない、作品も売れないという展覧会は時間が経つのが遅い。だから疲れる。
逆に人が大勢きて、作品もじゃんじゃん売れると(めったにありませんが)あっという間に時間が過ぎてゆく、疲れも忘れてしまう。

今回のメイン展示のモンドリアン本棚には、志水楠男さんの南画廊が1956~1979年に開いた199回の展覧会から50冊のカタログを展示しています。
本棚の左に加納光於「llumination-1986 PF-No.1」、本棚の中には菅井汲の素描オブジェ
05

遅れていた出品リストがようやくできましたので、ご案内いたします。
南画廊のカタログ
01
No. 1
「FAUTRIER」フォートリエ展 (1959)

ジャン・フォートリエ
Nov. 1 - Dec. 5
30.3x23 cm
28ページ
図版14点
略歴、作品リスト
・ジャン・ポーラン「フォートリエの偉大さ」
・東野芳明「存在はシワクチャである」
・アンドレ・マルロー「『人質』について」
・富永惣一「フォートリエを迎えて」
・フォートリエ「現実について」


02
No. 2
「クルトシュビッタ―ス展」 (1960)

クルト・シュビッタース
Dec. 8 - Dec. 28
19.8x17.3 cm
36ページ
図版12点
・滝口修造「クルト・シュビッタース」


Millet
No. 3
「Kate Millet Things」ケイト・ミレット個展 (1963)

ケイト・ミレット
Apr. 12 - Apr. 20
18x17.2 cm
28ページ
図版14点
・略歴
・滝口修造「ケート・ミレットのために」
・ケイト・ミレット「ものについての言葉」


03
No. 4
「YOUNG SEVEN」 ヤングセブン展 (1964)

荒川修作、三木富雄、工藤哲巳、菊畑茂久馬、中西夏之、岡本信治郎、立石紘一
Jan. 30 - Feb. 15
20.8x29.3 cm
20ページ
図版10点
・略歴
・東野芳明「ヤング・セブン 雑録」


04
No. 5
「ONOSATO」 オノサト・トシノブ (1964)

Jan. 30 - Feb. 15
30x21.2 cm
42ページ
図版14点
・略歴
・東野芳明「ヤング・セブン 雑録」


05
No. 6
「KIKUHATA]菊畑茂久馬展 (1964)

菊畑茂久馬
Mar. 9 - Mar. 19
30.3x21 cm
8ページ
図版9点
・略歴
・東野芳明「菊畑茂久馬のルーレットシリーズ」


06
No. 7
「NOZAKI] 野崎一良展 (1964)

野崎一良
Mar. 23 - Apr. 4
30.5x21 cm
8ページ
図版8点
・略歴
・安東次男「野崎一良の個展によせて」


07
No. 8
「WOLS」 ブォルス展 (1964)

ブォルス
Apr. 13 - Apr. 28
30.5x20.9 cm
16ページ
図版6点
・略歴、作品リスト
・ブォルス「ことば」
・富永惣一「ブォルス展によせて」
・滝口修造「WOLSあるいは道」


08
No. 9
「ジム・ダイン版画展」

「ワン・セント・ライフ展」 (1965)
ジム・ダイン
Apr. 12 - Apr. 24
18.3x16.6 cm
4ページ
・略歴


09
No.10
「USAMI」 宇佐美圭司展 (1965)

宇佐美圭司
Sep. 20 - Oct. 2
27.9x20.9 cm
16ページ
図版5点
・略歴
・東野芳明「無題」


10
No. 11
「ONOSATO」 オノサト・トシノブ展 (1966)

オノサト・トシノブ
Feb. 21 - Mar. 2
29.8x21 cm
4ページ
図版2点
・略歴
・オノサト・トシノブ「ことば」


11
No. 12
「靉嘔 AY-O RAINBOW

ENVIRONMENT No.4」 (1966)
靉嘔
Nov. 28 - Dec. 10
29.6x21 cm
6ページ
図版2点
・略歴
・久保貞次郎「靉嘔 」


12
No. 13
「NAKANISHI」 中西夏之展 (1976)

中西夏之
Apr. 1 - Apr. 14
30x20.8 cm
4ページ
図版15点
・略歴

13
No. 14
「JASPER JOHNS」ジャスパー・ジョーンズ展 (1967)

ジャスパー・ジョーンズ
Jun. 26 - Jul. 22
29.9x20.9 cm
12ページ
図版17点
・作品リスト

14
No. 15
「D'ARCANGELO」

アラン・ダーカンジェロ
1967
Nov. 22 - Dec. 9
30.3x21 cm
8ページ
図版5点
・略歴
・東野芳明「ハイウェイ画像ーアラン・ダーカンジェロ」


15
No. 16
「MIKI」 (1968)

三木富雄
30x21 cm
12ページ
図版5点
・略歴
・東野芳明「三木と耳」


16
No. 17
「HIROSHI TOMURA METAMORPHIC PLAY」(1969)

戸村浩
Apr. 14 - Apr. 26
30x21 cm
4ページ
図版1点
・略歴
・東野芳「戸村浩の『メタモーフィック・プレイ』」


17
No. 18
「IIDA」 飯田善國展 (1969)

飯田善國
Mar. 24 - Apr. 10
30.3x20.5 cm
12ページ
図版12点
・略歴
・西脇順三郎「飯田君とその彫刻」
・ウィル・グロー「イイダの彫刻」


18
No. 19
「ARAKAWA」 荒川修作展 (1969)

荒川修作
May 3 - May 20
29.8x20.7 cm
10ページ
図版7点
・略歴

19
No. 20
「SUGAI」 菅井汲展 (1969)

菅井汲
May 12 - May 30
21x23 cm
16ページ
図版20点
・略歴、作品リスト
・大岡信「菅井汲との対話」


20
No. 21
「PAOLO CAROSONE」 パオロ・カラソーネ展 (1969)

パオロ・カラソーネ
Oct. 6 - Oct. 25
29.8x21 cm
8ページ
図版33点
・略歴
・井関正昭「パオロのこと」


21
No. 22
「VASARELY」 ヴァザレリ展 (1970)

ヴィクトル・ヴァザレリ
May 6 - May 23
30x21 cm
8ページ
図版6点
・略歴
・大岡信「ヴァザレリノート」


22
No. 23
「ONOSATO vol. I」 オノサト・トシノブ展 (1970)

オノサト・トシノブ
25.5x15 cm
24ページ
図版53点
・略歴、作品リスト

23
No. 24
「手づくり諺 ジョアン・ミロに」(1970)

滝口修造
Sep. 12 - Oct. 10
29.7x31 cm
8ページ
図版2点
・大岡信「『手づくり諺』への旅」

24
No. 25
「TAL STREETER」 タルス・トリーター展 (1971)

タルス・トリーター
May 31 - Jun. 12
29.5x21 cm
10ページ
図版11点
・略歴
・ジョゼフ・ラブ「穹窿の原野にたつドルメン
タル・ストリーターの芸術」

25
No. 26
「USAMI」宇佐美圭司展 (1972)

宇佐美圭司
May
25.4x26.6 cm
70ページ
図版29点
・略歴
・大岡信「5つのヴァリエーション
宇佐美圭司のために」
・宇佐美圭司「Find the Structure Find the Ghost」
・東野芳明「宇佐美圭司
生活と作品」
・ジョセフ・ラブ「知覚と伝達の間でかわされる時空の対話」
・東野芳明「美と荒廃
宇佐美圭司の最初の個展によせて」
・東野芳明「宇佐美圭司へ」


26
No. 27
「CALDER/ALBERS」 カルダー/アルバース展 (1972)

ジョゼフ・アルバース、
アレクサンダー・カルダー
Jun. 19 - Jul. 1
30x21 cm
4ページ
・略歴
・ジョゼフ・ラブ「幾何額の抒情と風 ジョゼフ・アルバースとアレクサンダー・カルダーの仕事」


27
No. 28
「ONISHI」 大西清白展 (1972)

大西清白
Oct. 11 - Oct. 21
21x30 cm
6ページ
図版6点
・略歴
・東野芳明「たとえば、空気を抜いてみた場合」


28
No. 29
「JOSEPH LOVE」 ジョゼフ・ラブ展 (1972)

ジョゼフ・ラブ
Oct. 30 - Nov. 11
21x29.8 cm
4ページ
図版2点
・湯浅譲二「ジョセフ・ラブへの手紙」


29
No. 30
「山口長男」(1972)

山口長男
Dec. 12 - Dec. 23
30x21.1 cm
4ページ
図版4点
・略歴
・山口長男「無題」


30
No. 31
「ISAMU NOGUCHI」 イサム・ノグチ彫刻展 (1973)

イサム・ノグチ
May 14 - Jun. 9
25x24.6 cm
11-ページ
図版67点
・略歴、作品リスト
・朝日新聞社「あいさつ」
・イサム・ノグチ「私の彫刻」
・谷口吉郎「イサム・ノグチとの出会い」
・丹下健三『世界人」
・武満徹「旅するもの」


31
No. 32
「オルデンバーグ」(1973)

クレス・オルデンバーグ
Jun. 18 - Jul. 14
298x21.2 cm
32ページ
図版53点
・略歴、作品リスト
・東野芳明「クレス・オルデンバーグ
あるいは物体のアントロポロギア」


32
No. 33
「AY-O ENVIRONMENT No.9 RAINBOW AME'S BOX AND RAINBOW PAINTINGS "HAPPY END" SERIES」(1974)

靉嘔
Feb. 4 - Feb. 15
29.5x20.8 cm
8ページ
図版18点
・略歴

33
No. 34
「Sam Francis」 サム・フランシス展 (1974)

サム・フランシス
Apr. 8 - Apr. 27
25x16.3 cm
18ページ
図版8点
・略歴

34
No. 35
「VICTOR VASARELY」 ヴィクトル・ヴァザレリ展 (1974)

ヴィクトル・ヴァザレリ
Jun. 10 - Jun. 22
25.4x26.5 cm
28ページ
図版11点
・略歴、作品リスト

・ジョゼフ・ラブ「ヴィクトル・ヴァザレリの芸術」
・大岡信「ヴァザレリノート」


35
No. 36
「Kyubei Kiyomizu」 清水九兵衛展 (1974)

清水九兵衛
Jul. 8 - Jul. 20
29.6x26.5 cm
6ページ
図版12点
・略歴
・大岡信「単純な原理・多産な結果ー清水九兵衛の新作」


36
No. 37
「USAMI 1974」 (1974)

宇佐美圭司
Nov. 11 - Nov. 30
25.5x26.5 cm
12ページ
図版16点
・略歴


37
No. 38
「NEVELSON」 ルイーズ・ネヴェルスン展 (1975)

ルイーズ・ネヴェルスン
Feb. 3 - Feb. 28
25.5x26.7cm
32ページ
図版34点
・略歴
・ジョゼフ・ラブ「ネヴェルスンの芸術」
・ルイーズ・ネヴェルスン「無題」
・アルバート・B・グリムシャー「無題」


38
No. 39
「MINAMI '75」20世紀の美術から 南画廊'75年展

1975
Apr. 14 - May 2
24.4x26.2 cm
66ページ
図版68点
・展示リスト
・志水楠男「ごあいさつ」


39
No. 40
「JEFFREY MARON METAL SCULPTURE」 ジェフリー・マロン彫刻展 (1975)

ジェフリー・マロン
Sep. 1 - Sep. 13
21x21 cm
22ページ
図版13点
・略歴、作品リスト
・ジェフリー・マロン「作者のことば」


40
No. 41
「JASPER JOHNS DRAWINGS」 ジャスパー・ジョーンズドローイング展 (1975)

ジャスパー・ジョーンズ
Oct. 27 - Nov. 15
25.3x26.5 cm
38ページ
図版20点
・東野芳明「ジョーンズの引きわざ」
・高松次郎「ジャスパー・ジョーンズ試論
わざとなされた行為の化石」


41
No. 42
「Kiyomizu」 清水九兵衛展 (1976)

清水九兵衛
Jul. 5 - Jul. 24
29.5x20.7 cm
8ページ
図版7点
・略歴、作品リスト
・土方定一「アフィニティ(親和)の新しい概念の展開」


42
No. 43
「SUGAI」 菅井汲展 (1976)

菅井汲
Oct. 4 - Oct. 22
Oct. 25 - Nov. 10
25.3x26.5 cm
図版3点
・大岡信「円盤上の野人」


43
No. 44
「NAKANISHI」 中西夏之展 (1976)

中西夏之
Nov. 15 - Nov. 30
25.4x26.2 cm
32ページ
図版38点
・略歴
・滝口修「磁界に沿って」


44
No. 45
「SAM FRANCIS 36 KAOs (Faces) 1973-1977」
サム・フランシス 36の顔 1973-1977 (1977)」

サム・フランシス
Jul. 7 - Jul. 23
30x13.5 cm
図版36点
・作品リスト
・東野芳明「宇宙卵の顔」
・ロザリンド・ホールデン-トーマス「サム・フランシスの神秘・あるいは心理閾」


45
No. 46
「CHRISTO」クリスト展(1977)

クリスト
Sep. 26 - Oct. 8
Oct. 13 - Oct. 29
25x25 cm
44ページ
図版33点
・略歴
・中原佑介「クリスト、あるいはクリスト伝説」


46
No. 47
「KANO MITSUO 1977」 加納光於展1977 (1977)

加納光於
Nov. 14 - Nov. 26
19x18.5 cm
80ページ
図版63点
・略歴、作品リスト
・大岡信「響
加納光於に」
・モーリス・ブランショ「無題」


47
No. 48
「MATSUO」 松尾光伸展 (1977)

松尾光伸
Dec. 5 - Dec. 17
29.5x21 cm
12ページ
図版17点
・略歴、作品リスト
・松尾光伸「無題」


48
No. 49
「IIDA」 飯田善國展 (1978)

飯田善國
Mar. 6 - Mar. 25
29.5x21 cm
12ページ
図版10点
・略歴
・中原佑介「無題」
・飯田善國「言葉と物質の谷間
<言葉・材質・形態>」


49
No. 50
「SIMADA」 島田しづ展 (1978)

島田しづ
Jun. 12 - Jun. 24
25x25 cm
8ページ
図版6点
・略歴、作品リスト


50
No. 51
「YASUDA」 保田春彦展 (1978)

保田春彦
Jul. 3 - Jul. 22
29.5x21 cm
14ページ
図版8点
・略歴、作品リスト
・酒井忠康「保田春彦氏の肖像」


51
No. 52
「志水楠男と作家たち」(1979)

Oct. 8 - Oct. 20
29.6x20.7 cm
20ページ
図版48点
・略歴、作品リスト
・大岡信「高井戸・千日谷」
・東野芳明「志水楠男へ」


52
No. 53
「志水楠男と南画廊」(1985)

志水楠男
28x21.5 cm
249ページ
・執筆:大岡信、志水楠男、難波田龍起、今井俊満、小野忠弘、木村賢太郎、加納光於、オノサト・トシノブ、菊畑茂久馬、宇佐美圭司、野崎一良、靉嘔、中西夏之、清水九兵衛、飯田善國、戸村浩、菅井汲、保田春彦、桑原盛行, 他

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本日20日(月)は休廊です

◆ときの忘れものは「第2回アートブック・ラウンジ~画廊のしごと(南画廊のカタログ)」を開催しています。
モンドリアン本棚「第2回アートブック・ラウンジ~画廊のしごと(南画廊のカタログ)」
会期:2016年6月14日[火]~6月25日[土]
*日曜、月曜、祝日は休廊
志水楠男が設立した南画廊が1956年から79年に開催した199回の展覧会から、1959年の今や伝説となったフォートリエ展はじめ、ヤング・セブン展、中西夏之展、サム・フランシス展などのカタログ50冊を頒布します。南画廊の作家たちー靉嘔、オノサト・トシノブ、駒井哲郎、菅井汲、嶋田しづ、山口勝弘、山口長男、難波田龍起、加納光於の作品を展示し、1968年10月南画廊で刊行記念展が開催された瀧口修造『マルセル・デュシャン語録』(M・デュシャン、荒川修作、J・ジョーンズ、J・ティンゲリー)の完璧な保存状態のA版も出品します。

同時開催:ここから熊本へ~地震被災者支援展