先日、安藤忠雄先生のギャラリートーク(10時20分の回)に出席しました。この日は雨模様で、午前のトークは人も少ないだろうと甘く見ていましたが、人の多さに気分が悪くなる人がいるほどすし詰め状態でした。
今回は青木茂さん、木下庸子さん、鈴木明さんを交えてのトークショーで、自分より少し若い世代の話を聞こうということでお呼びしたそうです。
それぞれ3名との出会いを話し、一緒に建築のツアーに行ったことなど話されました。
興味深かったのは、[住吉の長屋]で日本建築学会賞を受賞した翌年訪米された際、当時ハーバード大学で学んでいた木下庸子さんに案内するようご指名があったそうで、安藤先生が希望されたのは「シェーカー教徒村」だったそうです。車で5時間かけてお連れして、シェーカー教徒村の家具などを熱心にご覧になっていたそうですが、シンプルな暮らしが残るシェーカー教徒村をご覧になり、何を感じ、何を得たのか、またその後の建築にどのように生かされたのか、もっと詳しく聞きたかったです。
安藤先生の教えは、
これからは偏差値の時代じゃない
本を読め
コンビニの弁当ばかり食べるな
朝ごはんはしっかり食べろ
好奇心を持て
お金は貯めずに社会に還元しろ
とのこと。息子に聞かせたかった・・・。
鈴木さんは以前、安藤さんの大阪のマンション(ゲストルーム)に泊まったことがあり、そこには安藤さんの本しか置いておらず、窓からは安藤さんが設計した物件が見え、これは信者になりますよねと。
磯崎新先生の話題になり、「磯崎さんは我々にとって神様みたいな存在だから」とおっしゃっていました。
朝日新聞にも磯崎先生について「今でも会うと緊張する」と書かれてありましたが、大先生にも緊張する存在はいるのだなぁと少し驚きました。
こんな朝早く来たんじゃぁ好奇心はあるけど、朝ごはんも食べずに来てるでしょうから、あたなたちは65歳までしか生きまへんなぁとか、
大阪っていうとなぜか嫌う人が多いから「私は神戸に住んでます」と言うてるんです。など、まるで落語を聴いてるようで面白かったです。
全然嫌味に聞こえないのは、安藤さんのユーモアのセンスや人柄なのでしょう。私もすっかり信者になりました。
ギャラリートークの後は、休む間もなく展覧会カタログのサイン会を行なっていました。そのエネルギーはどこから湧いてくるのでしょう。私ももっとエネルギッシュに挑戦して行かなければ!と、活を入れられたようでした。
そして、もう終わりましたが、朝日新聞の安藤さんのインタビューの記事は毎日楽しく拝見しました(我が家は新聞をとっていないので、母が切り抜きを届けてくれました)。
安藤先生を育てたご祖母様が、アルバイトでたまったお金について「忠雄、お金ためてどうすんの。お金は自分の体の中に蓄えないと」と言い、名建築を頭と体にたたき込もうと船でソ連に渡り、シベリア鉄道でヨーロッパに入ったというエピソードがあり、ご祖母様もそれはそれは素晴らしい方だったのだろうと思いました。
会場では、元磯崎新アトリエの方に久しぶりにお目にかかり立ち話。以前はよくアトリエと行き来していたこと、愛子さんや網谷さん(私にとってお二人は超絶緊張する存在でした)がいらっしゃった日々をふと思い出し、六本木を後にしました。
(おだちれいこ)
●『安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言』が刊行されました。
亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。

2017年11月刊
日経アーキテクチュア(編)
B5判、352ページ
(NA建築家シリーズ 特別編 日経アーキテクチュア)
価格:2,700円+税 *送料:250円
安藤先生のサイン本をときの忘れもので扱っています。
厳選した「50の建築」と、独自取材による「50の証言」を通じて、安藤忠雄氏の約50年におよぶ活動と人物像を浮き彫りにする。
50の証言:伊東豊雄/石山修武/竹原義二/隈研吾/出江寛/東佐二郎/藤塚光政/植田実/馬場璋造/綿貫不二夫/松葉一清
藤森照信/福武總一郎/井上章一/コシノヒロコ/城戸崎博孝/金森秀治郎/豊田郁美/坂茂/青木茂/芦澤竜一/豊田啓介/長田直之/相坂研介/鈴木丈晴/末光弘和
李禹煥/樋口武男/三宅一生/野口健/森稔/金箱温春/岩田弘三/中田義成/上村洋行/RCRアーキテクツ/堀安規良/高橋敏彦/段偉紅/頼素鈴/馬衛東/曽梵志/内藤廣/藤村龍至/西田善太/五十嵐太郎/大西若人/磯達雄
●六本木の国立新美術館で「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]~12月18日[月]
番頭おだちのオープニング・レポートはコチラを、光嶋裕介さんのエッセイ「安藤忠雄展を見て」と合わせてお読みください。
ときの忘れものでは1984年以来の安藤忠雄の版画、ドローイング作品をいつでもご覧になれます。

左)安藤忠雄《住吉の長屋》、右)安藤忠雄《光の教会》

左)安藤忠雄《近つ飛鳥博物館》、右)安藤忠雄《セビリア万博日本館》

安藤忠雄《大山崎山荘 I》


●書籍のご案内
『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別)*送料別途250円
*『瀧口修造展 I』及び『瀧口修造展 II』図録も好評発売中です。
●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

今回は青木茂さん、木下庸子さん、鈴木明さんを交えてのトークショーで、自分より少し若い世代の話を聞こうということでお呼びしたそうです。
それぞれ3名との出会いを話し、一緒に建築のツアーに行ったことなど話されました。
興味深かったのは、[住吉の長屋]で日本建築学会賞を受賞した翌年訪米された際、当時ハーバード大学で学んでいた木下庸子さんに案内するようご指名があったそうで、安藤先生が希望されたのは「シェーカー教徒村」だったそうです。車で5時間かけてお連れして、シェーカー教徒村の家具などを熱心にご覧になっていたそうですが、シンプルな暮らしが残るシェーカー教徒村をご覧になり、何を感じ、何を得たのか、またその後の建築にどのように生かされたのか、もっと詳しく聞きたかったです。
安藤先生の教えは、
これからは偏差値の時代じゃない
本を読め
コンビニの弁当ばかり食べるな
朝ごはんはしっかり食べろ
好奇心を持て
お金は貯めずに社会に還元しろ
とのこと。息子に聞かせたかった・・・。
鈴木さんは以前、安藤さんの大阪のマンション(ゲストルーム)に泊まったことがあり、そこには安藤さんの本しか置いておらず、窓からは安藤さんが設計した物件が見え、これは信者になりますよねと。
磯崎新先生の話題になり、「磯崎さんは我々にとって神様みたいな存在だから」とおっしゃっていました。
朝日新聞にも磯崎先生について「今でも会うと緊張する」と書かれてありましたが、大先生にも緊張する存在はいるのだなぁと少し驚きました。
こんな朝早く来たんじゃぁ好奇心はあるけど、朝ごはんも食べずに来てるでしょうから、あたなたちは65歳までしか生きまへんなぁとか、
大阪っていうとなぜか嫌う人が多いから「私は神戸に住んでます」と言うてるんです。など、まるで落語を聴いてるようで面白かったです。
全然嫌味に聞こえないのは、安藤さんのユーモアのセンスや人柄なのでしょう。私もすっかり信者になりました。
ギャラリートークの後は、休む間もなく展覧会カタログのサイン会を行なっていました。そのエネルギーはどこから湧いてくるのでしょう。私ももっとエネルギッシュに挑戦して行かなければ!と、活を入れられたようでした。
そして、もう終わりましたが、朝日新聞の安藤さんのインタビューの記事は毎日楽しく拝見しました(我が家は新聞をとっていないので、母が切り抜きを届けてくれました)。
安藤先生を育てたご祖母様が、アルバイトでたまったお金について「忠雄、お金ためてどうすんの。お金は自分の体の中に蓄えないと」と言い、名建築を頭と体にたたき込もうと船でソ連に渡り、シベリア鉄道でヨーロッパに入ったというエピソードがあり、ご祖母様もそれはそれは素晴らしい方だったのだろうと思いました。
会場では、元磯崎新アトリエの方に久しぶりにお目にかかり立ち話。以前はよくアトリエと行き来していたこと、愛子さんや網谷さん(私にとってお二人は超絶緊張する存在でした)がいらっしゃった日々をふと思い出し、六本木を後にしました。
(おだちれいこ)
●『安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言』が刊行されました。
亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。

2017年11月刊
日経アーキテクチュア(編)
B5判、352ページ
(NA建築家シリーズ 特別編 日経アーキテクチュア)
価格:2,700円+税 *送料:250円
安藤先生のサイン本をときの忘れもので扱っています。
厳選した「50の建築」と、独自取材による「50の証言」を通じて、安藤忠雄氏の約50年におよぶ活動と人物像を浮き彫りにする。
50の証言:伊東豊雄/石山修武/竹原義二/隈研吾/出江寛/東佐二郎/藤塚光政/植田実/馬場璋造/綿貫不二夫/松葉一清
藤森照信/福武總一郎/井上章一/コシノヒロコ/城戸崎博孝/金森秀治郎/豊田郁美/坂茂/青木茂/芦澤竜一/豊田啓介/長田直之/相坂研介/鈴木丈晴/末光弘和
李禹煥/樋口武男/三宅一生/野口健/森稔/金箱温春/岩田弘三/中田義成/上村洋行/RCRアーキテクツ/堀安規良/高橋敏彦/段偉紅/頼素鈴/馬衛東/曽梵志/内藤廣/藤村龍至/西田善太/五十嵐太郎/大西若人/磯達雄
●六本木の国立新美術館で「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]~12月18日[月]
番頭おだちのオープニング・レポートはコチラを、光嶋裕介さんのエッセイ「安藤忠雄展を見て」と合わせてお読みください。
ときの忘れものでは1984年以来の安藤忠雄の版画、ドローイング作品をいつでもご覧になれます。

左)安藤忠雄《住吉の長屋》、右)安藤忠雄《光の教会》

左)安藤忠雄《近つ飛鳥博物館》、右)安藤忠雄《セビリア万博日本館》

安藤忠雄《大山崎山荘 I》


●書籍のご案内
『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別)*送料別途250円
*『瀧口修造展 I』及び『瀧口修造展 II』図録も好評発売中です。
●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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