小林紀晴のエッセイ「TOKYO NETURE PHOTOGRAPHY」第4回

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山形の友人から果実が届いた。
私はその表面を、日々、指で優しく押す。食べごろを計るためだ。同封されていた紙には「耳たぶほどの柔らかさになったら食べごろ」と記されていた。
私は片手を耳たぶへ、反対側の指先を果実へ。
そのたびに、私はいまここにはない季節の感触を得る。
遠い風景の連なりを想像する。

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小林紀晴
《Takadanobaba 01》
《lafrance 02》
共に2017年撮影
ゼラチンシルバープリント
11x14inch
Ed.20

こばやし きせい

◆埼玉県立近代美術館で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が始まりました。現代版画センターと「ときの忘れもの」についてはコチラをお読みください。
会期:2018年1月16日(火)~3月25日(日)
埼玉チラシAY-O600現代版画センターは会員制による共同版元として1974年~1985年までの11年間に約80作家、700点のエディションを発表し、全国各地で展覧会、頒布会、オークション、講演会等を開催しました。本展では45作家、約300点の作品と、機関誌等の資料、会場内に設置した三つのスライド画像によりその全軌跡を辿ります。同館の広報誌もお読みください。

現代版画センターエディション番外 オノサト・トシノブ「GHC2(青)」
現代版画センターのエディション作品を展覧会が終了する3月25日まで毎日ご紹介します。
オノサト・トシノブ_GHC2
1974年度入会プレミアム作品 オノサト・トシノブ「GHC2(青)」
1974年  シルクスクリーン(刷り:岡部徳三) 10×10cm
Ed.1500 スタンプサイン
*レゾネ(『ONOSATO オノサト・トシノブ版画目録 1958-1989』ART SPACE 1989年刊)95番
昨日に続き番外作品をご紹介します。1974年度から1980年度まで、毎年会員にはラージエディションによる「入会プレミアム作品」を送っていました。7年間、毎年二種類、計7作家14作品が制作されました。エディション番号はついておらず、すべて番外作品です。

◆小林紀晴のエッセイ「TOKYO NETURE PHOTOGRAPHY」は毎月19日の更新です。

●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
新天地の駒込界隈についてはWEBマガジン<コラージ12月号>をお読みください。18~24頁にときの忘れものが特集されています。
06駒込玄関ときの忘れものの小さな庭に彫刻家の島根紹さんの作品を2018年1月末まで屋外展示しています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。