小林紀晴のエッセイ「TOKYO NETURE PHOTOGRAPHY」

最終回 Ochiai


Ochiai01

Ochiai02

川面にカメラを向ける。
そのたびに、東京が巨大な扇状地であることに気がつく。
善福寺川、妙正寺川、神田川、石神井川、
いずれも伏流水が湧き水として
地表にでたところから、唐突に川が始まる。
けっして源流は山奥ではない、住宅街のなかだ。

川の流れにピントを合わせる。
どこに合わせればいいのか、いつも迷う。
川面か、川底か、
あるいは川面に反射した木々か、
あるいは自分の影か。

---------
小林紀晴
《Ochiai 01》
《Ochiai 02》
ともに2018年撮
ゼラチンシルバープリント
11×14inch
Ed.20
こばやし きせい

小林紀晴 Kisei KOBAYASHI(1968-)
1968年長野県生まれ。
東京工芸大学短期大学部写真科卒業。
新聞社カメラマンを経て、1991年よりフリーランスフォトグラファーとして独立。1997年に「ASIAN JAPANES」でデビュー。1997年「DAYS ASIA》で日本写真協会新人賞受賞。2000年12月 2002年1月、ニューヨーク滞在。現在、雑誌、広告、TVCF、小説執筆などボーダレスに活動中。写真集に、「homeland」、「Days New york」、「SUWA」、「はなはねに」などがある。他に、「ASIA ROAD」、「写真学生」、「父の感触」、「十七歳」など著書多数。

*今回をもちまして小林紀晴のエッセイ「TOKYO NETURE PHOTOGRAPHY」は終了いたします。
長い間のご愛読をありがとうございました。筆者の小林紀晴さんのますますのご活躍をお祈りいたします。

◆小林さんの著書「見知らぬ記憶」のご案内。
小林紀晴_00001小林紀晴
出版年月: 2018/01
出版社: 平凡社
判型・ページ数: 4-6 224ページ
記憶の襞に隠れた過去が、ふとした瞬間に蘇り、時空を超えて往還し、別の様相をおびて未来を予言する。そこにはいつも写真が……。
『ASIAN JAPANESE』から二十余年、著者の新境地。
本体: 1,800円+税


●本日のお勧め作品は、小林紀晴です。
kobayashi_10_work小林紀晴 Kisei KOBAYASHI
〈ASIA ROAD〉より2
1995年
ヴィンテージC-print
イメージサイズ:18.7x28.2cm
シートサイズ :25.3x30.3cm
サインあり

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください


●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
ただし9月20日[木]―9月29日[土]開催の野口琢郎展は特別に会期中無休です
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
12