荒井由泰のエッセイ~東京都現代美術館「百年の編み手たち」を見に行こう!
荒井由泰(アートフル勝山の会)
アート好きの知人から「東京都現代美術館に行ったら、荒井さんの好きな作家の作品がたくさん並んでましたよ」との声に後押しされ、上京時に時間を見つけて、リニューアルされた美術館に足を運んだ。ずいぶん久しぶりの東京都現代美術館であった。
今回の企画展は「百年の編み手たち」と題され、東京都現代美術館が所蔵する数多くのコレクションを「編集」をキーワードに、日本の近現代美術の一側面を各時代を引っ張った先駆的な作家たちと資料で再考する企画だ。とてもすべてを網羅して感想を記すことは私には不可能だ。私は版画中心のコレクターなので、私の関心や興味をもとに心に引っかかったり、心に焼き付いた作品や資料について感想を書き記すこととしたい。
企画展は1章「はじまりとしての1914年」から始まる。最初の部屋には有島生馬「鬼」(油彩)、石井柏亭「木場」(木版)に加え、恩地孝四郎・藤森静雄・田中恭吉が創刊した詩画集「月映(つくはえ)」の公刊(限定200部)・全7冊がアクリルケースに収められていた。創作版画の金字塔であり、私がこよなく愛する「月映」と対面してまずは固まった。傍らのディスプレー・モニターには公刊の一冊目から各ページが画面に映し出されていく。第4輯(4冊目)については手に取って鑑賞した経験があるが、その他は初見で、時間を忘れて見入ってしまった。恩地孝四郎作品を中心に「月映」に収められている作品を20点ばかりコレクションしていることもあり、オリジナルを手にした感じで楽しませてもらった。まずは大満足で、次の部屋へ。私の私淑する「恩地孝四郎」のキュービズム作品(ペン画)・油絵そして「自画像」(油彩)が私を引き寄せる。そして「岸田劉生」のエッチングそして油彩がその時代を彩る。エッチング(3点・記載はないが、後刷りのようだが)にしても油彩にしても真摯なまなざしが心に響く。やっぱり「劉生」はいい。
石井柏亭
恩地孝四郎
そして2章「震災の前と後」、3章「リアルのゆくえ」と続いていく。ここでは中原實の作品がたくさん並ぶ。中原實という作家をはじめて知った。まさにシュルレアリスム等の新興美術運動のわが国の先駆的な作品群であり、「こんな作家がいたんだ」と驚いた。図録によれば彼の本職は歯科医で、米国で学んだあと一次大戦でフランス陸軍の歯科医として治療にあたり、その後ドイツでの新しい美術運動にも触れ、1923年に日本に戻ってきた。日本では歯科医のかたわら、本格的に美術に打ち込み、たくさんの作品を残した。販売を目的としなかったようだから市場には流通しなかった。だから我々の眼にふれる機会がなかったのだろう。どんないきさつか知らぬが、彼の作品群が東京都現代美術館の所蔵になり、今でも古臭くなく新鮮な表現を目の当たりにできるのは嬉しいことだ。ぜひ、皆さんも中原實に会いに行ってください。
中原實
そして、壁面全体に「方寸」「詩と版画」「白と黒」「版芸術」「風」等々、大正から昭和にかけて制作された創作版画雑誌が並べられた部屋に迷い込む。私には見慣れた版画誌の表紙がこれだけ並ぶと壮観だ。例えば「詩と版画」「白と黒」「風」については何冊かコレクションしていることもあり、私にはそれぞれの冊子に収められた無数の創作版画作品の当時の熱い息づかいが直に感じられ、部屋中が大きなパワーに満ちていた。一冊一冊手に取って、ページを繰りながら作品に触れる喜びを知る私としては、どうしたらもっと多くの人に時代の熱い想いを伝えることができるのか考えてしまった。なんとも難しい問題だ。そして、となりの部屋に移ると、関東大震災による被害から復興しはじめた東京の風景を8人の版画家によって刊行された「新東京百景」(限定50部)がずらりと並んでいる。展示数は65作品(館では全作品が揃っているが、スペースの関係で数を絞ったのだろう。多分、一部作品の入れ替えがあるのでは)、私は恩地孝四郎の大フアンであるので、つい恩地作品に目にいってしまう。風景と言っても恩地作品は抽象のにおいが強く感じられる。前川千帆、藤森静雄、川上澄生等の個性あふれる作品群はノスタルジックな感じで、たいへん楽しい。一方、「新東京百景」が取り囲む部屋の中心部に版画家としても有名な藤牧義夫の失踪の1年前に描かれた「隅田川両岸画巻」の2巻と3巻がドーンと並ぶ。毛筆で描かれた隅田川沿いの風景絵巻だか、線にためらいがなく、見事に描ききっている。その存在は知っていたが、初めての対面であった。繊細で美しい。必見の作品なので、ぜひ皆様にも見てほしい。彼は小野忠重が主宰する「新版画集団」に所属し、そのエース的存在であった。その版画作品は戦後に再評価され、現在もファンが多い。代表作の「赤陽」は東京近代美術館に収まっている。真贋問題や24歳での突然の失踪事件もあり、その悲劇的な物語が鋭い線で描かれた作品をより印象深くしているように思う。
藤牧義夫
4章「戦中と戦後」に入ると、現代版画の巨匠である浜田知明と駒井哲郎に出会える。浜田の初年兵哀歌シリーズは戦争の悲惨さが美しさとともに心に響く。駒井作品では1948年に古代インドの民族叙事詩「ラーマーヤナ」の挿画として制作された木版作品がずらりと展示されていた。はじめて見る作品群で駒井の違った一面をかいま見た。あと、恩地等とともに制作した「一木集」(1948)に収録された初刷り作品ではないが、「肖像」(ジル・ド・レ)が展示されていた。私の好みであり、コレクションしている作品でもあって、駒井の魅力に触れることができた。
駒井哲郎
さらに進むと、私が関わった「小コレクター運動」と縁の深い作家達、瑛九・靉嘔の油彩の大作や池田満寿夫の油彩そしてオノサトトシノブの水彩と対面したが、何故かほっとした。忘れてしまったが、3章にはオノサトトシノブの具象時代の作品も展示されており、彼の原点を見たような気がした。5章「アンフォルメルとの距離」以降になると「具体」の作家たちはまだ身近に感じるが、徐々に特別ご縁があった作家たちの作品以外は距離を感じてしまう。
瑛九、靉嘔、池田満寿夫、オノサトトシノブ

元永定正、荒川修作、野田哲也、舟越桂は実際お目にかかり話をしたことがあるため、ぐぅっと身近に感じる。また、版画等の作品を持っている作家も距離が近くなる。また、磯辺行久、辰野登恵子、丸山直文も作品を持っているので、興味・関心が強くなる。このことこそ、「小コレクター運動」の目指した一つであったのだろう。版画で結構、気になる作家の作品を持つことで、見る目が大きく変わるので、オリジナル作品の購入をおすすめしたい。
磯辺行久
10章「複合空間のあらわれ」や11章「日本と普遍」の斉藤義重、杉本博司、横尾忠則、森村泰昌、会田誠、村上隆、奈良美智までは関心がある無しは別として、良さや面白さなど分かるような気がするが、12章「抵抗のためのいくつかの方法」以降は「好奇心」で鑑賞するほかない。一方、「好奇心」こそ、多種多様なアート表現と対峙する一番の力のように思う。作家のオリジナリティと多種多様な表現方法で創り出された現代美術を体感することは時代を感ずることでもあり、楽しい体験だ。この多様性こそアートの存在理由なのだろう。
とにかく東京都現代美術館が所蔵する作品を駆使しての企画展であり、現代アートの歴史とこれからを体感できる貴重な場だと思う。アートに関心のある皆様にはぜひとも足を運んでいただきたい。以上で企画展を見ての感想とします。
(あらい よしやす)
*文中の作品画像は同展図録より引用させていただきました。
■荒井由泰(あらいよしやす)
1948年(昭和23年)福井県勝山市生まれ。会社役員/勝山商工会議所会頭/版画コレクター
1974年に「現代版画センター」の会員になる
1978年アートフル勝山の会設立 小コレクター運動を30年余実践してきた
ときのわすれものブログに「マイコレクション物語」等を執筆
●展覧会のお知らせ
企画展「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-」
コレクション展「MOTコレクション ただいま / はじめまして」
会期:2019年3月29日~6月16日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1








●本日のお勧め作品は、瑛九、靉嘔、池田満寿夫、オノサトトシノブです。
瑛九 Q Ei
《三人のバレリーナ》
1958年
フォトデッサン
27.3x21.9cm
裏面にタイトルと年号あり
靉嘔 Ay-O
《What's happen? どうした、どうした》
1979年
シルクスクリーン
55.0×38.0cm
Ed.200
サインあり
レゾネNo.387
池田満寿夫 Masuo IKEDA
作品集〈今日の問題点〉より
《この空の上》
1969年
エッチング、ルーレット
イメージサイズ:16.1×14.2cm
シートサイズ :20.0×20.0cm
鉛筆サインあり
オノサト・トシノブ
「A.S.-22の原画」
1986
キャンバスに油彩
14.0x18.0cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
~~~~~
■関根伸夫先生が5月13日アメリカで亡くなられました。享年76でした。
ご子息・関根光才さんのfacebookによれば「葬儀はLAでBlum&Poeと近親者のみで行い、日本では秋に埼玉県立近代美術館で行われる展覧会に合わせてお別れ会が開かれる予定」とのことです。
私たちは1975年の現代版画センター企画・全国同時展「島州一・関根伸夫 クロスカントリー7,500km」以来、40数年にわたりご指導いただきました。
謹んでご冥福をお祈りします。
◆ときの忘れものでは「第311回企画◆葉栗剛展 」を開催します。
会期:2019年5月24日[金]―6月8日[土]11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊

ときの忘れものは毎年アジアやアメリカのアートフェアに出展し、木彫作家・葉栗剛の作品をメインに出品しています。今回は、2014年以来二回目となる個展を開催し、国内未公開作品11点をご覧いただきます。
初日5月24日[金]17時よりオープニングを開催します。
●『DEAR JONAS MEKAS 僕たちのすきなジョナス・メカス』
会期:2019年5月11日(土)~6月13日(木)
会場:OUR FAVOURITE SHOP 内 OFS gallery
〒108-0072 東京都港区白金5-12-21 TEL.03-6677-0575
OPEN 12:00-19:00(ただし展示最終日は17:00まで)
CLOSE: 月・火(祝日を除く)
●『光嶋裕介展~光のランドスケープ』
会期:2019年4月20日(土)~5月19日(日)
会場:アンフォルメル中川村美術館
[開館時間]火・木・土・日曜日 祝日 9時~16時
●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。
*日・月・祝日は休廊。
荒井由泰(アートフル勝山の会)
アート好きの知人から「東京都現代美術館に行ったら、荒井さんの好きな作家の作品がたくさん並んでましたよ」との声に後押しされ、上京時に時間を見つけて、リニューアルされた美術館に足を運んだ。ずいぶん久しぶりの東京都現代美術館であった。
今回の企画展は「百年の編み手たち」と題され、東京都現代美術館が所蔵する数多くのコレクションを「編集」をキーワードに、日本の近現代美術の一側面を各時代を引っ張った先駆的な作家たちと資料で再考する企画だ。とてもすべてを網羅して感想を記すことは私には不可能だ。私は版画中心のコレクターなので、私の関心や興味をもとに心に引っかかったり、心に焼き付いた作品や資料について感想を書き記すこととしたい。
企画展は1章「はじまりとしての1914年」から始まる。最初の部屋には有島生馬「鬼」(油彩)、石井柏亭「木場」(木版)に加え、恩地孝四郎・藤森静雄・田中恭吉が創刊した詩画集「月映(つくはえ)」の公刊(限定200部)・全7冊がアクリルケースに収められていた。創作版画の金字塔であり、私がこよなく愛する「月映」と対面してまずは固まった。傍らのディスプレー・モニターには公刊の一冊目から各ページが画面に映し出されていく。第4輯(4冊目)については手に取って鑑賞した経験があるが、その他は初見で、時間を忘れて見入ってしまった。恩地孝四郎作品を中心に「月映」に収められている作品を20点ばかりコレクションしていることもあり、オリジナルを手にした感じで楽しませてもらった。まずは大満足で、次の部屋へ。私の私淑する「恩地孝四郎」のキュービズム作品(ペン画)・油絵そして「自画像」(油彩)が私を引き寄せる。そして「岸田劉生」のエッチングそして油彩がその時代を彩る。エッチング(3点・記載はないが、後刷りのようだが)にしても油彩にしても真摯なまなざしが心に響く。やっぱり「劉生」はいい。
石井柏亭
恩地孝四郎そして2章「震災の前と後」、3章「リアルのゆくえ」と続いていく。ここでは中原實の作品がたくさん並ぶ。中原實という作家をはじめて知った。まさにシュルレアリスム等の新興美術運動のわが国の先駆的な作品群であり、「こんな作家がいたんだ」と驚いた。図録によれば彼の本職は歯科医で、米国で学んだあと一次大戦でフランス陸軍の歯科医として治療にあたり、その後ドイツでの新しい美術運動にも触れ、1923年に日本に戻ってきた。日本では歯科医のかたわら、本格的に美術に打ち込み、たくさんの作品を残した。販売を目的としなかったようだから市場には流通しなかった。だから我々の眼にふれる機会がなかったのだろう。どんないきさつか知らぬが、彼の作品群が東京都現代美術館の所蔵になり、今でも古臭くなく新鮮な表現を目の当たりにできるのは嬉しいことだ。ぜひ、皆さんも中原實に会いに行ってください。
中原實そして、壁面全体に「方寸」「詩と版画」「白と黒」「版芸術」「風」等々、大正から昭和にかけて制作された創作版画雑誌が並べられた部屋に迷い込む。私には見慣れた版画誌の表紙がこれだけ並ぶと壮観だ。例えば「詩と版画」「白と黒」「風」については何冊かコレクションしていることもあり、私にはそれぞれの冊子に収められた無数の創作版画作品の当時の熱い息づかいが直に感じられ、部屋中が大きなパワーに満ちていた。一冊一冊手に取って、ページを繰りながら作品に触れる喜びを知る私としては、どうしたらもっと多くの人に時代の熱い想いを伝えることができるのか考えてしまった。なんとも難しい問題だ。そして、となりの部屋に移ると、関東大震災による被害から復興しはじめた東京の風景を8人の版画家によって刊行された「新東京百景」(限定50部)がずらりと並んでいる。展示数は65作品(館では全作品が揃っているが、スペースの関係で数を絞ったのだろう。多分、一部作品の入れ替えがあるのでは)、私は恩地孝四郎の大フアンであるので、つい恩地作品に目にいってしまう。風景と言っても恩地作品は抽象のにおいが強く感じられる。前川千帆、藤森静雄、川上澄生等の個性あふれる作品群はノスタルジックな感じで、たいへん楽しい。一方、「新東京百景」が取り囲む部屋の中心部に版画家としても有名な藤牧義夫の失踪の1年前に描かれた「隅田川両岸画巻」の2巻と3巻がドーンと並ぶ。毛筆で描かれた隅田川沿いの風景絵巻だか、線にためらいがなく、見事に描ききっている。その存在は知っていたが、初めての対面であった。繊細で美しい。必見の作品なので、ぜひ皆様にも見てほしい。彼は小野忠重が主宰する「新版画集団」に所属し、そのエース的存在であった。その版画作品は戦後に再評価され、現在もファンが多い。代表作の「赤陽」は東京近代美術館に収まっている。真贋問題や24歳での突然の失踪事件もあり、その悲劇的な物語が鋭い線で描かれた作品をより印象深くしているように思う。
藤牧義夫4章「戦中と戦後」に入ると、現代版画の巨匠である浜田知明と駒井哲郎に出会える。浜田の初年兵哀歌シリーズは戦争の悲惨さが美しさとともに心に響く。駒井作品では1948年に古代インドの民族叙事詩「ラーマーヤナ」の挿画として制作された木版作品がずらりと展示されていた。はじめて見る作品群で駒井の違った一面をかいま見た。あと、恩地等とともに制作した「一木集」(1948)に収録された初刷り作品ではないが、「肖像」(ジル・ド・レ)が展示されていた。私の好みであり、コレクションしている作品でもあって、駒井の魅力に触れることができた。
駒井哲郎さらに進むと、私が関わった「小コレクター運動」と縁の深い作家達、瑛九・靉嘔の油彩の大作や池田満寿夫の油彩そしてオノサトトシノブの水彩と対面したが、何故かほっとした。忘れてしまったが、3章にはオノサトトシノブの具象時代の作品も展示されており、彼の原点を見たような気がした。5章「アンフォルメルとの距離」以降になると「具体」の作家たちはまだ身近に感じるが、徐々に特別ご縁があった作家たちの作品以外は距離を感じてしまう。
瑛九、靉嘔、池田満寿夫、オノサトトシノブ
元永定正、荒川修作、野田哲也、舟越桂は実際お目にかかり話をしたことがあるため、ぐぅっと身近に感じる。また、版画等の作品を持っている作家も距離が近くなる。また、磯辺行久、辰野登恵子、丸山直文も作品を持っているので、興味・関心が強くなる。このことこそ、「小コレクター運動」の目指した一つであったのだろう。版画で結構、気になる作家の作品を持つことで、見る目が大きく変わるので、オリジナル作品の購入をおすすめしたい。
磯辺行久10章「複合空間のあらわれ」や11章「日本と普遍」の斉藤義重、杉本博司、横尾忠則、森村泰昌、会田誠、村上隆、奈良美智までは関心がある無しは別として、良さや面白さなど分かるような気がするが、12章「抵抗のためのいくつかの方法」以降は「好奇心」で鑑賞するほかない。一方、「好奇心」こそ、多種多様なアート表現と対峙する一番の力のように思う。作家のオリジナリティと多種多様な表現方法で創り出された現代美術を体感することは時代を感ずることでもあり、楽しい体験だ。この多様性こそアートの存在理由なのだろう。
とにかく東京都現代美術館が所蔵する作品を駆使しての企画展であり、現代アートの歴史とこれからを体感できる貴重な場だと思う。アートに関心のある皆様にはぜひとも足を運んでいただきたい。以上で企画展を見ての感想とします。
(あらい よしやす)
*文中の作品画像は同展図録より引用させていただきました。
■荒井由泰(あらいよしやす)
1948年(昭和23年)福井県勝山市生まれ。会社役員/勝山商工会議所会頭/版画コレクター
1974年に「現代版画センター」の会員になる
1978年アートフル勝山の会設立 小コレクター運動を30年余実践してきた
ときのわすれものブログに「マイコレクション物語」等を執筆
●展覧会のお知らせ
企画展「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-」
コレクション展「MOTコレクション ただいま / はじめまして」
会期:2019年3月29日~6月16日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1








●本日のお勧め作品は、瑛九、靉嘔、池田満寿夫、オノサトトシノブです。
瑛九 Q Ei《三人のバレリーナ》
1958年
フォトデッサン
27.3x21.9cm
裏面にタイトルと年号あり
靉嘔 Ay-O《What's happen? どうした、どうした》
1979年
シルクスクリーン
55.0×38.0cm
Ed.200
サインあり
レゾネNo.387
池田満寿夫 Masuo IKEDA作品集〈今日の問題点〉より
《この空の上》
1969年
エッチング、ルーレット
イメージサイズ:16.1×14.2cm
シートサイズ :20.0×20.0cm
鉛筆サインあり
オノサト・トシノブ「A.S.-22の原画」
1986
キャンバスに油彩
14.0x18.0cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
~~~~~
■関根伸夫先生が5月13日アメリカで亡くなられました。享年76でした。
ご子息・関根光才さんのfacebookによれば「葬儀はLAでBlum&Poeと近親者のみで行い、日本では秋に埼玉県立近代美術館で行われる展覧会に合わせてお別れ会が開かれる予定」とのことです。
私たちは1975年の現代版画センター企画・全国同時展「島州一・関根伸夫 クロスカントリー7,500km」以来、40数年にわたりご指導いただきました。謹んでご冥福をお祈りします。
◆ときの忘れものでは「第311回企画◆葉栗剛展 」を開催します。
会期:2019年5月24日[金]―6月8日[土]11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊

ときの忘れものは毎年アジアやアメリカのアートフェアに出展し、木彫作家・葉栗剛の作品をメインに出品しています。今回は、2014年以来二回目となる個展を開催し、国内未公開作品11点をご覧いただきます。
初日5月24日[金]17時よりオープニングを開催します。
●『DEAR JONAS MEKAS 僕たちのすきなジョナス・メカス』
会期:2019年5月11日(土)~6月13日(木)
会場:OUR FAVOURITE SHOP 内 OFS gallery
〒108-0072 東京都港区白金5-12-21 TEL.03-6677-0575
OPEN 12:00-19:00(ただし展示最終日は17:00まで)
CLOSE: 月・火(祝日を除く)
●『光嶋裕介展~光のランドスケープ』
会期:2019年4月20日(土)~5月19日(日)
会場:アンフォルメル中川村美術館
[開館時間]火・木・土・日曜日 祝日 9時~16時
●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。
*日・月・祝日は休廊。
コメント