スタッフSの海外ネットサーフィン 番外編
「LA Art Show 2020」
Los Angeles Convention Center, LA
読者の皆様こんにちは、ロスから帰国するなり風邪をひいてしまい、Art Nagoyaは1日だけで直ぐに帰京してしまったスタッフSこと新澤です。新型肺炎が拡大し続けている今日この頃、皆様も体調には十分気を付けてお過ごしください。
先月末の連載でも話題にしましたが、今月初頭、とき忘れものはLA Art Show 2020に出展してきました。
Art Miami 2019へ視察に来ていたフェアディレクターに誘われ急遽決まった出展でしたが、今年が25年目という老舗のフェアであることや、未進出であったアメリカ西海岸への足掛かりを掴むべく、作家の葉栗剛先生とスタッフM、そして自分の男三匹で行ってまいりました。

結論から言ってしまうと、葉栗先生の大作により大いに衆目を集め、地元の日系新聞の二面を飾りもしたものの、会場での販売は少額な作品に留まり、しかし提携していたArtsy 経由で東海岸のお住まいのクライアントから木彫中品2点のご注文があったりと、画廊としてはほろ苦い結果でした。
会場全体で見ても、著名作家の大作などはあまり多くなく、中流階級にも求めやすい作家の作品が多い印象でした。ハリウッドのお膝元ということもあり、セレブな来場者の一人や二人を期待しなかったワケではありませんが、どうやらそういった客層はパラマウントスタジオを会場にしたFrieze LAが受け持っているようです。








話は変わりますが、今回は当初から予定が二転三転し、最終的にフェア開始前に丸2日自由行動日が発生するという、滅多にない機会がありました。降ってわいた自由時間、そして様々なアート関連施設…これはもう行くしかないだろうということで、方々巡ってきました。
まずは先月の記事で話題にしたMOCA(磯崎新設計)。当たり前ですが、版画で見たまんまの造形で感動しました。
実写版"MOCA #1"
実写版"MOCA #2"
実写版"MOCA #3"

半地下になっている入場口。向かいはカフェスペース。入場は基本無料ですが、来場記録のために階段を下りる前にボックスオフィスでチケットを発券してもらう必要があります。

ピラミッド状の天窓の下は吹き抜け構造。
草間彌生のオブジェ。
こんなサイズの作品がドカドカ置いてあります。
マンハッタンに行った時にも感じましたがスケール感が違う…!
次に向かったのはリチャード・マイヤー設計による複合文化施設「ゲティ・センター」、J. Paul Getty Museum。こちらは比喩ではなく山一つが敷地となっている美術館で、敷地の入り口から建物の入り口までトラムに乗って移動するという広大さを誇ります。山頂に建てられた部門ごとに異なる建物からはロサンゼルスが一望できる他、屋外展示場を兼ねた庭園もあり、入場無料でゴッホやモネの作品を観れる以外にも、庭園の芝生でのんびりすることもできます。
山の麓にあるトラム乗り場。
山頂にある美術館本館。ここから更に東西南北の4つのパビリオンや資料館、庭園兼屋外展示場等に続いています。
本館内に設置されている建築模型。
本館から見た中庭。
中庭から見た本館裏手。
屋外展示場から見える各パビリオン。
庭園の中央スペース。周りの芝生には家族で日光浴する大勢の人で溢れかえっていました。
ウエスト・パビリオンの展望スペースからの景色。都市の中枢のみ高層ビルが立ち並ぶロサンゼルスの街並みを一望できます。
また、LA Art Showに参加するギャラリーにもご挨拶を、とマンハッタンのチェルシーの様にギャラリーが軒を連ねるARTS DISTRICTにも足を運んだのですが、ときの忘れものと同じく、日月は休廊でした。加えて、入り口を確認してみると、「アポイントメントなしの来廊お断り」、というサインがあちこちに。

LA Art Showにも出展していたBLUM & POE。パノラマ撮影したせいで角地にあるように見えますが、右から左まで一直線の巨大な倉庫じみた建物です。きっと中はチェルシーのガゴシアンギャラリーみたいになってるんだろうなぁ…
他にもMOCAの向かいにあるThe Broadや日本館等が改装中で半分も展示がなかったためやや消化不良となったLACMA、中には入りませんでしたが、その外観が大いに記憶に残るWalt Disney Concert Hallを堪能してきました。個人的には先月も触れたピーターセン自動車博物館に行けたことが嬉しかったです。まさかそこでスケール1/1マッハ号を見ることになるとは思いもしませんでしたが。
奇抜な外観からは想像もつかない広々とした展示スペースと多彩なコレクションを持つThe Broad。感心したのは、展示階と地上階の間に設置された倉庫スペースがとてもスタイリッシュにデザインされており、その空間自体がインテリアの一部として機能していることでした。
敷地面積は広大なものの、丁度展示替え、改装中で半分も見ることができなかったLACMA。いつかリベンジしたいものです。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館と同じく建築家フランク・O・ゲーリー設計のウォルト・ディズニー・コンサートホール。ちなみに音響は日本人・豊田泰久が担当。
個人的に今回一番楽しんだピーターセン自動車博物館。マッハ号以外にも最新のトランスフォーマーのバンブルビーや、バックトゥザフューチャーのデロリアン、ナイトライダーのK.I.T.T等々、少年の心を忘れない(成長していない)大人には堪らない空間でした。
スケール1/1 マッハ号。実寸大のアニメメカというものは何時の物でも男の浪漫をくすぐります。
新型肺炎のせいでArt Basel Hong Kong 2020がキャンセルとなり、同日程のArt Fair Tokyo 2020は開催こそするものの、はたして来場者がどの程度望めるのか、一日でも早い事態の収束を願ってやみません。
繰り返しになりますが、皆様も「自分は大丈夫」などと過信せず、十分すぎるほど気を付けてお過ごしください。
(しんざわ ゆう)
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2014年04月04日|谷川俊太郎のエッセイ「声」
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●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
「LA Art Show 2020」
Los Angeles Convention Center, LA
読者の皆様こんにちは、ロスから帰国するなり風邪をひいてしまい、Art Nagoyaは1日だけで直ぐに帰京してしまったスタッフSこと新澤です。新型肺炎が拡大し続けている今日この頃、皆様も体調には十分気を付けてお過ごしください。
先月末の連載でも話題にしましたが、今月初頭、とき忘れものはLA Art Show 2020に出展してきました。
Art Miami 2019へ視察に来ていたフェアディレクターに誘われ急遽決まった出展でしたが、今年が25年目という老舗のフェアであることや、未進出であったアメリカ西海岸への足掛かりを掴むべく、作家の葉栗剛先生とスタッフM、そして自分の男三匹で行ってまいりました。

結論から言ってしまうと、葉栗先生の大作により大いに衆目を集め、地元の日系新聞の二面を飾りもしたものの、会場での販売は少額な作品に留まり、しかし提携していたArtsy 経由で東海岸のお住まいのクライアントから木彫中品2点のご注文があったりと、画廊としてはほろ苦い結果でした。
会場全体で見ても、著名作家の大作などはあまり多くなく、中流階級にも求めやすい作家の作品が多い印象でした。ハリウッドのお膝元ということもあり、セレブな来場者の一人や二人を期待しなかったワケではありませんが、どうやらそういった客層はパラマウントスタジオを会場にしたFrieze LAが受け持っているようです。








話は変わりますが、今回は当初から予定が二転三転し、最終的にフェア開始前に丸2日自由行動日が発生するという、滅多にない機会がありました。降ってわいた自由時間、そして様々なアート関連施設…これはもう行くしかないだろうということで、方々巡ってきました。
まずは先月の記事で話題にしたMOCA(磯崎新設計)。当たり前ですが、版画で見たまんまの造形で感動しました。
実写版"MOCA #1"
実写版"MOCA #2"
実写版"MOCA #3"
半地下になっている入場口。向かいはカフェスペース。入場は基本無料ですが、来場記録のために階段を下りる前にボックスオフィスでチケットを発券してもらう必要があります。
ピラミッド状の天窓の下は吹き抜け構造。
草間彌生のオブジェ。
こんなサイズの作品がドカドカ置いてあります。マンハッタンに行った時にも感じましたがスケール感が違う…!
次に向かったのはリチャード・マイヤー設計による複合文化施設「ゲティ・センター」、J. Paul Getty Museum。こちらは比喩ではなく山一つが敷地となっている美術館で、敷地の入り口から建物の入り口までトラムに乗って移動するという広大さを誇ります。山頂に建てられた部門ごとに異なる建物からはロサンゼルスが一望できる他、屋外展示場を兼ねた庭園もあり、入場無料でゴッホやモネの作品を観れる以外にも、庭園の芝生でのんびりすることもできます。
山の麓にあるトラム乗り場。
山頂にある美術館本館。ここから更に東西南北の4つのパビリオンや資料館、庭園兼屋外展示場等に続いています。
本館内に設置されている建築模型。
本館から見た中庭。
中庭から見た本館裏手。
屋外展示場から見える各パビリオン。
庭園の中央スペース。周りの芝生には家族で日光浴する大勢の人で溢れかえっていました。
ウエスト・パビリオンの展望スペースからの景色。都市の中枢のみ高層ビルが立ち並ぶロサンゼルスの街並みを一望できます。また、LA Art Showに参加するギャラリーにもご挨拶を、とマンハッタンのチェルシーの様にギャラリーが軒を連ねるARTS DISTRICTにも足を運んだのですが、ときの忘れものと同じく、日月は休廊でした。加えて、入り口を確認してみると、「アポイントメントなしの来廊お断り」、というサインがあちこちに。

LA Art Showにも出展していたBLUM & POE。パノラマ撮影したせいで角地にあるように見えますが、右から左まで一直線の巨大な倉庫じみた建物です。きっと中はチェルシーのガゴシアンギャラリーみたいになってるんだろうなぁ…他にもMOCAの向かいにあるThe Broadや日本館等が改装中で半分も展示がなかったためやや消化不良となったLACMA、中には入りませんでしたが、その外観が大いに記憶に残るWalt Disney Concert Hallを堪能してきました。個人的には先月も触れたピーターセン自動車博物館に行けたことが嬉しかったです。まさかそこでスケール1/1マッハ号を見ることになるとは思いもしませんでしたが。
奇抜な外観からは想像もつかない広々とした展示スペースと多彩なコレクションを持つThe Broad。感心したのは、展示階と地上階の間に設置された倉庫スペースがとてもスタイリッシュにデザインされており、その空間自体がインテリアの一部として機能していることでした。
敷地面積は広大なものの、丁度展示替え、改装中で半分も見ることができなかったLACMA。いつかリベンジしたいものです。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館と同じく建築家フランク・O・ゲーリー設計のウォルト・ディズニー・コンサートホール。ちなみに音響は日本人・豊田泰久が担当。
個人的に今回一番楽しんだピーターセン自動車博物館。マッハ号以外にも最新のトランスフォーマーのバンブルビーや、バックトゥザフューチャーのデロリアン、ナイトライダーのK.I.T.T等々、少年の心を忘れない(成長していない)大人には堪らない空間でした。
スケール1/1 マッハ号。実寸大のアニメメカというものは何時の物でも男の浪漫をくすぐります。新型肺炎のせいでArt Basel Hong Kong 2020がキャンセルとなり、同日程のArt Fair Tokyo 2020は開催こそするものの、はたして来場者がどの程度望めるのか、一日でも早い事態の収束を願ってやみません。
繰り返しになりますが、皆様も「自分は大丈夫」などと過信せず、十分すぎるほど気を付けてお過ごしください。
(しんざわ ゆう)
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2014年04月04日|谷川俊太郎のエッセイ「声」
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●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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