ブログ担当スタッフIより:ブログ連載者の皆さまには、毎月(隔月の方は2ヶ月毎)原稿や資料画像を送っていただき掲載を進めていますが、執筆者の皆様の感性や知識の幅はとても広く毎回驚きがあります。そこで今回はどんな連載執筆者がいて、どんなエッセイがあるのかを簡単にご紹介させていただきます。

~奇数日の執筆者~

1日 大竹昭子さん
746e60c9書評やトークイベントの名手であり、小説など著書多数の大竹昭子さん。ときの忘れものでは写真家として個展も開催しました。2018年に青いカバさんとの共催で開催した「一日だけの須賀敦子展」が大ヒットし、2019年は盛岡と神戸でも開催されました。写真はMORIOKA第一画廊のトークイベントにて、末盛千枝子さん(左)と大竹さん。
今月再び青いカバさんとの共催で「一日だけのニューヨーク展」を開催する予定でしたがコロナウイルス感染防止のため延期になりました。秋に開催できればいいのですが・・・
ブログでは毎回1枚の写真について大竹さんが思ったことや感じたことを詩的に表現されています。一枚の写真に簡潔なエッセイ、続きものではないので、どの回からでも読むことができます。一度は耳にしたことのある写真家の作品が見られるところもポイントです。エッセイ迷走写真館~一枚の写真に目を凝らすは毎月1日更新です。

02大竹昭子ポートフォリオ『Gaze+Wonder NY1980』より「屋上犬」


3日 小松崎拓男さん
a96b76d2-s金沢美術工芸大学教授を退任された小松崎拓男先生に学生時代からの課題だったという松本竣介について執筆されています。長い間研究されてきただけに、深い洞察や詳細な資料もあり読む側を唸らせます。2019年秋にときの忘れもので開催した「松本竣介と『雜記帳』」展の展示図録にもご執筆いただきました。松本竣介作品のコアに迫るエッセイ松本竣介研究ノートは毎月3日の更新です。

matsumoto-36松本竣介《作品》


5日 小国貴司さん
小国貴司駒込の名所となりつつあるBOOKS青いカバの店主・小国貴司さんのエッセイかけだし本屋・駒込日記は毎月5日の更新です。毎回、新刊から珍しい書物まで多岐にわたる本を紹介。時流を読んだ、ちょっと「ツウ」な論評は読書家でなくとも楽しめます。
4月11日に開催予定だった「一日だけのニューヨーク展」は大竹昭子さんの写真シリーズ「ニューヨーク1980」の展示と、青いカバさんがニューヨーク関連の書籍の販売を行う予定でしたが延期になりました。今後にご期待ください。


7日 佐藤研吾さん
8b006c5c-s2018年にときの忘れもので初個展を開催した佐藤研吾さん(左)です。
福島県大玉村を拠点(地域おこし協力隊)に、インド、東京、福島を往還しながら、創作活動に取り組む今最も注目を浴びている若手建築家です。エネルギッシュに様々な場所を飛び回る佐藤さんのエッセイでは毎回テーマも着眼点も変化にとみ読み手を飽きさせません。しかしその根底にはその場所や、場所と場所の関係性を追求するなど「大地について」の一貫した探究心が見られます。
今年始めには東京・墨田の喫茶野ざらしで新たな改築プロジェクトをスタートさせるなど多彩な活躍ぶりを見せる佐藤さんの連載エッセイ大地について―インドから建築を考える―は毎月7日の更新です。

sato-01佐藤研吾《囲い込むためのハコ1》


15日 野口琢郎さん
29b46285-s今年めでたくお子さんが生まれた箔画家の野口琢郎さん(左)は、ときの忘れものの海外戦略の重要なメインアーティストです。
現役作家さんの活動とはどんなものなのか、海外アートフェアとはどういうものなのか。作家さんの普段見られないような素顔をありのまま執筆してくださっています。展示の舞台裏や苦悩、喜び、果ては私生活まで…ここまで赤裸々に語ってくださるのは関西の方ならではのサービス精神の賜物でしょうか。
その人気ゆえ長期連載となったエッセイ京都西陣からは毎月15日の更新です。

noguchi_24_LS-32野口琢郎"Landscape#32"


17日 宮森敬子さん
734e605c日本とアメリカで創作を続ける宮森敬子さんは、今年5月にときの忘れもので個展を開催する予定でしたが残念ながら延期になりました。個展に先駆け今年1月から始まったエッセイゆらぎの中ででは作品の素材やコンセプト、宮森さんの思いがたくさんの画像とともに紹介されています。作品を作家ページから見ただけでは理解できないであろうその奥に秘められた「思考」が、様々なエピソードとともに綴られます。まだ連載開始から間もないですが今後の展開が楽しみです。毎月17日に更新です。

miyamori-05宮森敬子〈Portrait of Myself〉シリーズより

23日 土渕信彦さん
201712忘年会柳土渕現代美術のコレクターであり、瀧口修造研究の第一人者である土渕信彦さんには連載エッセイ瀧口修造の本(毎月23日の更新)のほかに、いくつもの展覧会レビューを執筆していただいています。詳細なデータや資料をもとにしたロジカルな文章はさながら学術書のようです。確たる知識の裏付けがあるからこそ書けるエッセイは読み手の知的欲求を満たすことでしょう。
写真左が土渕さん、右は柳正彦さん。

25日 尾崎森平さん
DSC_0688昨年4月のグループ展「Tricolore2019―中村潤・尾崎森平・谷川桐子展」に参加いただいた尾崎森平さん。
東北を中心に活躍中の注目作家さんです。連載エッセイ長いこんにちはでは作品を理解するための周辺情報が散りばめられ、作品の表向きの表現とその裏に隠された深淵な思考を尾崎さんらしい軽快な文章で綴っています。読みやすくてためになる、そんなエッセイは毎月25日の更新です。
写真は4月の同展にて、左から喜夛孝臣(練馬区立美術館)さん、中村潤さん、小清水漸さん、尾崎森平さん、社長、角張彰さん。

ozaki-01
尾崎森平《昨日の世界》

29日 植田実さん
IMG_0971_小すでに100回を超える執筆者である建築評論の植田実先生。
毎月29日更新の連載「本との関係」と、随時更新の「美術展のおこぼれ」がともに植田実のエッセイとして掲載されています。ブログより以前の植田実先生のエッセイはホームページでお読みになれます。
先月からは新たなエッセイ手紙 倉俣さんへが始まりました。アートフェア東京(3月開催予定だったが中止)に向けて制作した倉俣美恵子夫人と植田実先生の監修によるシルクスクリーン作品集「倉俣史朗 Shiro Kuramata Cahier」のためのエッセイで作品集の舞台裏や倉俣さんの貴重なエピソードが読めます。
写真は昨年9月福井県勝山で開催された「磯崎新作品展」でのトークイベントにて。石山友美さんと植田先生。

ueda_109_dojun_edogawa_04植田実《同潤会アパートメント 江戸川》(4)


●現在、テーマ別に月一回、または隔月でエッセイを連載しているのは以下の皆さんです。
偶数日に更新される執筆者は改めてご紹介します。
大竹昭子のエッセイ「迷走写真館~一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
小松崎拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」は毎月3日の更新です。
小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」は毎月5日の更新です。
佐藤研吾のエッセイ「大地について―インドから建築を考える―」は毎月7日の更新です。
杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
太田岳人のエッセイ「よりみち未来派」は隔月・偶数月12日の更新です。
野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
宮森敬子のエッセイ「ゆらぎの中で」は毎月17日の更新です。
王聖美のエッセイ「気の向くままに展覧会逍遥」は隔月・偶数月18日の更新です。
柳正彦のエッセイ「アートと本、アートの本、アートな本、の話し」は毎月20日の更新です。
中村惠一のエッセイ「美術・北の国から」は毎月22日の更新です。
土渕信彦のエッセイ「瀧口修造の本」は毎月23日の更新です。
尾崎森平のエッセイ「長いこんにちは」は毎月25日の更新です。
スタッフSの海外ネットサーフィンは毎月26日の更新です。
植田実のエッセイ「本との関係」は毎月29日の更新です。
石原輝雄のエッセイ「美術館でブラパチ」は不定期の更新です。

*画廊亭主敬白
臨時休廊25日目。
本日の「一日限定! 破格の掘り出し物」は今まで取り上げてこなかった写真作品をご紹介します。
まずは五味彬先生の稀少なコンタクト・プリント(ヴィンテージ)です。
ヴィンテージ・プリントについては、2008年6月16日のブログをお読みいただきたいのですが、「作家が撮影したと同時ないしは極めて近い期間にプリントされ、撮影時の作家の意図が最も良く反映されたプリント」とすれば五味先生のコンタクトプリントはオンリーワン、これ一枚しかない究極のヴィンテージプリントです。
モデルは村上麗奈。1988年からの僅か一年余、AV女優として34本のビデオに出演し、その美貌と肢体によって一世を風靡しました。いわば時代のイコンとでもいうべきオーラがあります。
コンタクトプリント(contact print)とは、写真フィルムを印画紙に密着させて原寸プリントしたもので、べた焼き、密着印画(みっちゃくいんが)などとも呼ばれます。
村上麗奈の撮影にはポラロイドが使われましたが、五味先生の使っていたカメラは4×5のポラロイド写真を引き剥がした後、ネガフィルムが出来るシステムでした。そのネガからのコンタクトプリントが今回ご紹介の作品です。要は本焼きの前に、どのように写っているかを確認するためのものですから、赤鉛筆でフィルムの番号が書き込まれていたりします。もともと「作品」として焼いたものではありませんが、それが30年以上経つと、一枚こっきりの「稀少なビンテージプリント」になってしまったという次第です。
先月開催した「銀塩写真の魅力 Ⅵ」で奈良原一高の次に注目を集めた放浪の写真家・風間健介(1960 – 2017)は2005年の写真集『夕張』(寿郎社)が日本写真協会新人賞、写真の会賞を受賞し一躍注目を浴びましたが、経済的には報われることなく2017年6月、館山市の自宅で誰一人看取る者なく56歳で亡くなりました。
風間さんについては原茂さんのエッセイ~Ars longa, Vita brevis ~ギャラリーの壁にアジェと共に掛けられた「夕張」を想う~(2020年03月04日ブログ)をお読みください。ときの忘れものでは来年風間健介遺作展を計画しています。

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◎昨日読まれたブログ(archive)/2011年04月18日|野田英夫 作品と文献紹介1
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◆ときの忘れものは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間、臨時休廊とし、スッタフは在宅勤務しています。メールでのお問合せ、ご注文には通常通り対応しています。

◆リアルなギャラリー活動がストップした中、ブログでの「一日限定! 破格の掘り出し物」第二弾を4月13日から5月初旬までの奇数日に開催しています。どうぞお見逃しなく。

◆ときの忘れものは版画・写真のエディション作品などをアマゾンに出品しています。

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。