読者の皆様こんにちは。2月に渡る緊急事態宣言が、無情にも更に延長された今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。東京オペラシティの所在を調べた際、都庁近くだったので軽い気持ちで新宿駅から徒歩で向かったところ、思わぬ距離に自分の運動不足を突き付けられました、スタッフSこと新澤です。
ふと気づけば「画廊スタッフが行く」というタグで一括りにされているこの不定期連載、本日ご紹介するのは東京オペラシティアートギャラリーで開催されている「難波田龍起 初期の抽象」です。展覧会は同ギャラリーの「千葉正也個展」に付随する形で1月16日から3月21日まで開催しています。


青年時代、高村光太郎と出会い芸術家を志した当時は具象絵画を描いていた難波田龍起は、戦後に抽象的な表現を絵画の上に表し始めました。折しも50年代後半にはアンフォルメル旋風と呼ばれる抽象絵画の興隆が起こりましたが、それに先立って抽象表現に取り組んだ難波田は諸々の美術動向を受け入れつつ、あくまでも自らの内面を表現することに傾注しました。結果、モンドリアンを彷彿させる面と線のミニマルな構成や、アンフォルメルを自分なりに取り入れた有機的な表現、ジャクソン・ポロック風のドリッピング技法を用いた作品など、「試行錯誤」という呼ぶに相応しい多様な50~60年代の作品群から、70年代の一般に知られる独自の作風に収束して行きました。
難波田先生には現代版画センター時代からご指導を受けており、ときの忘れもので最初にエディションしたのは難波田先生の「銅版画集 古代を想う」(1995年)でした。
東京オペラシティアートギャラリーが所蔵する寺田コレクションは3800点に上りますが、その中でも難波田龍起・史男親子の作品は660点と約1/6を占めます。その一大コレクションの中から、晩年に確立された独自の抽象表現に至るまでの試行錯誤を、主に50~60年代の作品62点を通じて観ることができる貴重な機会です。
出品作品の載ったパンフがないのが残念ですが、展覧会公式ページに出品作品のいくつかの画像と展示風景が掲載されていますので、ご覧ください。
(しんざわ ゆう)
「収蔵品展070 難波田龍起 初期の抽象」
会期:2021.1.16[土]- 3.21[日]
会場:ギャラリー3&4 寺田小太郎メモリアルギャラリー(東京オペラシティ アートギャラリー 4F)
開館時間:11:00 - 19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜日、2月14日[日](全館休館日)
入場料:企画展「千葉正也個展」の入場料に含まれます。
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社
東京オペラシティアートギャラリー収蔵品選
~寺田コレクションからの100点~
出版社 : 東京オペラシティ文化財団
発行日 : 1999/9/1
146ページ
タイトルの通り、東京オペラシティアートギャラリーが所蔵する寺田コレクションの中から100点をピックアップしたカタログです。全3章の構成の中、1章、2章がそれぞれ難波田龍起・史男親子について書かれており、今回の展示からは3点の作品が掲載されています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●本日のお勧め作品
オペラシティで展示されている難波田作品は初期の抽象なので、本日はときの忘れもののコレクションの中から難波田先生の最晩年の抽象作品をご紹介します。
難波田龍起「(作品)」
1995年 紙に油彩、ペン
イメージサイズ:16.6×12.2cm
台紙サイズ:23.0×17.2cm
サインあり
※台紙裏面に「1995.8.26」と記載あり
難波田龍起「(作品)」
制作年不詳
紙にコラージュ、油彩、ペン
イメージサイズ:23.0×16.5cm
シートサイズ:23.0×16.5cm
サインあり
難波田龍起「(作品)」
1995年 紙に油彩
イメージサイズ:16.5×23.0cm
台紙サイズ:27.2×19.6cm
サインあり
難波田龍起「(作品)」
1995年 紙に油彩
イメージサイズ:16.5×11.7cm
シートサイズ:16.5×11.7cm
サインあり
※台紙裏面に「'95.10.5」と記載あり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●塩見允枝子のエッセイ「フルクサスの回想」第4回を掲載しました。合わせて連載記念の特別頒布会を開催しています。
塩見允枝子先生には11月から2021年4月までの6回にわたりエッセイをご執筆いただきます。2月28日には第4回目の特別頒布会を開催しました。お気軽にお問い合わせください。
●東京オペラシティアートギャラリーで「難波田龍起 初期の抽象」が3月21日(日)まで開催されています。
●東京都美術館で「没後70年 吉田博展」が3月28日(日)まで開催されています。
●宮崎県立美術館で「コレクション展第4期 瑛九抄」が 4月 6日(火)まで開催され、瑛九の油彩、フォトデッサン、版画など30点近くが展示されています(出品リスト)。
●東京・天王洲アイルの寺田倉庫 WHAT で「謳う建築」展が5月30日(日)まで開催され、佐藤研吾が出品しています。
●ときの忘れものが青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転して3年が経ちました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
ふと気づけば「画廊スタッフが行く」というタグで一括りにされているこの不定期連載、本日ご紹介するのは東京オペラシティアートギャラリーで開催されている「難波田龍起 初期の抽象」です。展覧会は同ギャラリーの「千葉正也個展」に付随する形で1月16日から3月21日まで開催しています。


青年時代、高村光太郎と出会い芸術家を志した当時は具象絵画を描いていた難波田龍起は、戦後に抽象的な表現を絵画の上に表し始めました。折しも50年代後半にはアンフォルメル旋風と呼ばれる抽象絵画の興隆が起こりましたが、それに先立って抽象表現に取り組んだ難波田は諸々の美術動向を受け入れつつ、あくまでも自らの内面を表現することに傾注しました。結果、モンドリアンを彷彿させる面と線のミニマルな構成や、アンフォルメルを自分なりに取り入れた有機的な表現、ジャクソン・ポロック風のドリッピング技法を用いた作品など、「試行錯誤」という呼ぶに相応しい多様な50~60年代の作品群から、70年代の一般に知られる独自の作風に収束して行きました。
難波田先生には現代版画センター時代からご指導を受けており、ときの忘れもので最初にエディションしたのは難波田先生の「銅版画集 古代を想う」(1995年)でした。
東京オペラシティアートギャラリーが所蔵する寺田コレクションは3800点に上りますが、その中でも難波田龍起・史男親子の作品は660点と約1/6を占めます。その一大コレクションの中から、晩年に確立された独自の抽象表現に至るまでの試行錯誤を、主に50~60年代の作品62点を通じて観ることができる貴重な機会です。
出品作品の載ったパンフがないのが残念ですが、展覧会公式ページに出品作品のいくつかの画像と展示風景が掲載されていますので、ご覧ください。
(しんざわ ゆう)
「収蔵品展070 難波田龍起 初期の抽象」
会期:2021.1.16[土]- 3.21[日]会場:ギャラリー3&4 寺田小太郎メモリアルギャラリー(東京オペラシティ アートギャラリー 4F)
開館時間:11:00 - 19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜日、2月14日[日](全館休館日)
入場料:企画展「千葉正也個展」の入場料に含まれます。
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社
東京オペラシティアートギャラリー収蔵品選~寺田コレクションからの100点~
出版社 : 東京オペラシティ文化財団
発行日 : 1999/9/1
146ページ
タイトルの通り、東京オペラシティアートギャラリーが所蔵する寺田コレクションの中から100点をピックアップしたカタログです。全3章の構成の中、1章、2章がそれぞれ難波田龍起・史男親子について書かれており、今回の展示からは3点の作品が掲載されています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●本日のお勧め作品
オペラシティで展示されている難波田作品は初期の抽象なので、本日はときの忘れもののコレクションの中から難波田先生の最晩年の抽象作品をご紹介します。
難波田龍起「(作品)」1995年 紙に油彩、ペン
イメージサイズ:16.6×12.2cm
台紙サイズ:23.0×17.2cm
サインあり
※台紙裏面に「1995.8.26」と記載あり
難波田龍起「(作品)」制作年不詳
紙にコラージュ、油彩、ペン
イメージサイズ:23.0×16.5cm
シートサイズ:23.0×16.5cm
サインあり
難波田龍起「(作品)」1995年 紙に油彩
イメージサイズ:16.5×23.0cm
台紙サイズ:27.2×19.6cm
サインあり
難波田龍起「(作品)」1995年 紙に油彩
イメージサイズ:16.5×11.7cm
シートサイズ:16.5×11.7cm
サインあり
※台紙裏面に「'95.10.5」と記載あり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●塩見允枝子のエッセイ「フルクサスの回想」第4回を掲載しました。合わせて連載記念の特別頒布会を開催しています。
塩見允枝子先生には11月から2021年4月までの6回にわたりエッセイをご執筆いただきます。2月28日には第4回目の特別頒布会を開催しました。お気軽にお問い合わせください。●東京オペラシティアートギャラリーで「難波田龍起 初期の抽象」が3月21日(日)まで開催されています。
●東京都美術館で「没後70年 吉田博展」が3月28日(日)まで開催されています。
●宮崎県立美術館で「コレクション展第4期 瑛九抄」が 4月 6日(火)まで開催され、瑛九の油彩、フォトデッサン、版画など30点近くが展示されています(出品リスト)。
●東京・天王洲アイルの寺田倉庫 WHAT で「謳う建築」展が5月30日(日)まで開催され、佐藤研吾が出品しています。
●ときの忘れものが青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転して3年が経ちました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
コメント