Artists Recently 第13回/葉栗剛
2日間だけの新作お披露目展-《紋紋力士像・阿》報告レポート
ときの忘れものでは2021年8月13日(金)、14日(土)に2日間だけの期間限定企画として、葉栗剛先生の新作お披露目展を開催いたしました。13日には葉栗先生に在廊いただきました。
2mにもなる《紋紋力士像・阿》が玄関でお迎えします。ご来廊のお客様があまりの大きさに「最初作品と気づかなかった」、と驚いていらっしゃいました。
今回の「Artists Recently」は特別企画として葉栗先生へのインタビューを特集します。インタビュアーは海外アートフェアでもおなじみのスタッフS、書記はスタッフIです。
制作の経緯はスタッフSによる下記のブログをお読みください。
ブログ8月6日「葉栗剛 2日間だけの新作お披露目展-《紋紋力士像・阿》8月13日、14日」
新作《紋紋力士像・阿》と葉栗剛先生。
スタッフS(以下S):今回の新作はとても大きいですね。こちらの作品制作において、制作は順調でしたか? 何か困ったことなどありませんでしたか?
葉栗剛先生(以下葉栗):『材料の確保』については心配がありました。作品を制作するにあたって通常ならば10cm角の材木を寄せ木にしてそれを削ってゆく、という作業をしますが、その寄せ木は、色や縞の模様が大きく異ならないよう、1本の同じ木から用意されたものであることが望ましい。つまり、今回の作品制作のために一本の大きな楠木が必要となったわけですが、それが手に入るかが懸念事項でした。しかも良い材料で乾燥している物。ここが心配でした。
S:2019年にも《紋紋力士像・阿》を作られていますがそのときのものと今回の作品はスケールだけでなく細部も異なる箇所がありますね。例えば2019年の作品では眉毛に黒い着彩があるのに、今回の作品は着彩がありません。
葉栗:眉毛が描かれていると鑑賞者の目線はそこにも注がれ、作品の印象が固まってしまう。鑑賞される方にはイメージを膨らませてほしいと思い、あえて着彩はしなかったのです。
2019年制作の《紋紋力士像・阿》
木彫 楠木、アクリル
H100×W50×D60cm
サインあり
S:以前、下描きやマケットなく作品の制作を始めることがあるとおっしゃっていましたが、今回も下描き等なく制作したのでしょうか。
葉栗:大作はいつも50cmくらいの小さな作品を作り、それを図面に写して4倍のサイズで作品を制作します。
S:今回は海外からの依頼制作でしたが、今までにお客様からのご依頼で作品を制作したことはありますか?
葉栗:国内の屋外展示用に、クライアントの意向を反映させた彫刻を作成したことはあります。ですが、このサイズの木彫作品を依頼されて制作するのは今回が初めてです。
S:やはり依頼制作は今までのような作品制作とは違いますか?
葉栗:同じです。完成した、と思ってから作品を改めて客観視する時間が大切だと思っています。作品が完成した時点で終われば、今までと同じで進歩はありません。そこからどれだけ仕事が出来るかが重要です。
入れ墨は長崎美希による手彩色
S:ときの忘れもので発表する作品は材木として楠木が使用されていますが、他の木を使うことはないのでしょうか。
葉栗:けやきを使用して制作したこともありましたが、自分には堅すぎる印象でした。逆にひのきは女性的なイメージで柔らかすぎる。自分の作風に適した表現には楠木が最も適していると思っています。
S:新型コロナウィルスが発見されて1年以上経ちますがアフターコロナで変化はありましたか。
葉栗:アトリエにいる時間が増えた分、制作の時間が増えました。
S:今後挑戦したいことなどありますか。それとも今のスタイルで作品制作を続けられますか?
葉栗:意識的に何かを変える、というより自然な変化はあるかもしれません。今の自分に留まるつもりはないので、これからも伸びたいとは思っています。
(インタビューは以上。)
左から葉栗剛先生、《紋紋力士像・阿》、スタッフS。日本は地震大国なので万一のことを考え作品の左手をひもで固定していますが本来ひもはありません。
これからアメリカへ送るのですがその前にお客様にお披露目することができ良かったと思います。現在は感染リスク、社会情勢等で海外アートフェアへの参加を控えていますが、渡航の心配がなくなりましたらまた海外の大きな舞台で作品を発表したいと思っております。
●本日のお勧めは葉栗剛です。
葉栗剛 Takeshi HAGURI
《男気・阿》(左)
2019
木彫 楠木、アクリル
H230×W70×D60cm
サインあり
《男気・吽》(右)
2019
木彫 楠木、アクリル
H200×W90×D80cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
2日間だけの新作お披露目展-《紋紋力士像・阿》報告レポート
ときの忘れものでは2021年8月13日(金)、14日(土)に2日間だけの期間限定企画として、葉栗剛先生の新作お披露目展を開催いたしました。13日には葉栗先生に在廊いただきました。
2mにもなる《紋紋力士像・阿》が玄関でお迎えします。ご来廊のお客様があまりの大きさに「最初作品と気づかなかった」、と驚いていらっしゃいました。今回の「Artists Recently」は特別企画として葉栗先生へのインタビューを特集します。インタビュアーは海外アートフェアでもおなじみのスタッフS、書記はスタッフIです。
制作の経緯はスタッフSによる下記のブログをお読みください。
ブログ8月6日「葉栗剛 2日間だけの新作お披露目展-《紋紋力士像・阿》8月13日、14日」
新作《紋紋力士像・阿》と葉栗剛先生。スタッフS(以下S):今回の新作はとても大きいですね。こちらの作品制作において、制作は順調でしたか? 何か困ったことなどありませんでしたか?
葉栗剛先生(以下葉栗):『材料の確保』については心配がありました。作品を制作するにあたって通常ならば10cm角の材木を寄せ木にしてそれを削ってゆく、という作業をしますが、その寄せ木は、色や縞の模様が大きく異ならないよう、1本の同じ木から用意されたものであることが望ましい。つまり、今回の作品制作のために一本の大きな楠木が必要となったわけですが、それが手に入るかが懸念事項でした。しかも良い材料で乾燥している物。ここが心配でした。
S:2019年にも《紋紋力士像・阿》を作られていますがそのときのものと今回の作品はスケールだけでなく細部も異なる箇所がありますね。例えば2019年の作品では眉毛に黒い着彩があるのに、今回の作品は着彩がありません。
葉栗:眉毛が描かれていると鑑賞者の目線はそこにも注がれ、作品の印象が固まってしまう。鑑賞される方にはイメージを膨らませてほしいと思い、あえて着彩はしなかったのです。
2019年制作の《紋紋力士像・阿》木彫 楠木、アクリル
H100×W50×D60cm
サインあり
S:以前、下描きやマケットなく作品の制作を始めることがあるとおっしゃっていましたが、今回も下描き等なく制作したのでしょうか。
葉栗:大作はいつも50cmくらいの小さな作品を作り、それを図面に写して4倍のサイズで作品を制作します。
S:今回は海外からの依頼制作でしたが、今までにお客様からのご依頼で作品を制作したことはありますか?
葉栗:国内の屋外展示用に、クライアントの意向を反映させた彫刻を作成したことはあります。ですが、このサイズの木彫作品を依頼されて制作するのは今回が初めてです。
S:やはり依頼制作は今までのような作品制作とは違いますか?
葉栗:同じです。完成した、と思ってから作品を改めて客観視する時間が大切だと思っています。作品が完成した時点で終われば、今までと同じで進歩はありません。そこからどれだけ仕事が出来るかが重要です。
入れ墨は長崎美希による手彩色S:ときの忘れもので発表する作品は材木として楠木が使用されていますが、他の木を使うことはないのでしょうか。
葉栗:けやきを使用して制作したこともありましたが、自分には堅すぎる印象でした。逆にひのきは女性的なイメージで柔らかすぎる。自分の作風に適した表現には楠木が最も適していると思っています。
S:新型コロナウィルスが発見されて1年以上経ちますがアフターコロナで変化はありましたか。
葉栗:アトリエにいる時間が増えた分、制作の時間が増えました。
S:今後挑戦したいことなどありますか。それとも今のスタイルで作品制作を続けられますか?
葉栗:意識的に何かを変える、というより自然な変化はあるかもしれません。今の自分に留まるつもりはないので、これからも伸びたいとは思っています。
(インタビューは以上。)
左から葉栗剛先生、《紋紋力士像・阿》、スタッフS。日本は地震大国なので万一のことを考え作品の左手をひもで固定していますが本来ひもはありません。これからアメリカへ送るのですがその前にお客様にお披露目することができ良かったと思います。現在は感染リスク、社会情勢等で海外アートフェアへの参加を控えていますが、渡航の心配がなくなりましたらまた海外の大きな舞台で作品を発表したいと思っております。
●本日のお勧めは葉栗剛です。
葉栗剛 Takeshi HAGURI《男気・阿》(左)
2019
木彫 楠木、アクリル
H230×W70×D60cm
サインあり
《男気・吽》(右)
2019
木彫 楠木、アクリル
H200×W90×D80cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
コメント