スタッフSの海外ネットサーフィン No.112
S.H. Raza サイード・ハイダー・ラザ (1922-2016)
Centre Pompidou
読者の皆様こんにちは。桜が咲いて散って若葉が芽吹き、北では雪が、南では雹が降る今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。窓を開け放して寝るとまだまだ肌寒いものの、それはそれで布団に包まって暖を取るのに都合が良いスタッフSこと新澤です。

本日ご紹介するのは、来月の15日までポンピドゥーセンターにて開催中の「S.H. Raza (1922-2016)」です。その名の通り、ジョナス・メカスと同じように2022年に生誕100年を迎えたインドの作家、サイード・ハイダー・ラザ(Sayed Haider Raza、1922-2016)が、パリに定住した1950年から2011年までに制作した約100点の作品を展示する回顧展です。
1948年にムンバイのアトリエで撮影されたポートレート写真。Photo credits : Adagp, Paris, 2023
1922年2月22日、インドのバルバリアに生まれ、ナグプール美術学校、ボンベイのサーJ.J.美術学校で学び、1950年から1953年までパリの国立高等美術学校で学んだラザは、同世代のインド人画家の中で最も著名な画家の一人として知られています。1950~60年代はフランスやインドの風景や都市景観を描いた具象画を多く描き、その作風はやがてヒンドゥー教や仏教の密教思想に通じる同心円や幾何学模様を用いた、オノサト・トシノブに似た抽象画へ至りました。1947年に設立されたBombay Progressive Artists' Group(P.A.G.)の初期メンバーの一人だったラザは、当時インド美術に強い影響のあったヨーロッパのリアリズムから脱し、インド独自の観念であるアンタルギャンを取り入れようとしました。
展示中のビンドゥ(点)を題材とした作品の一部。Photo Credit: Bertrand Prévost
今展覧会は作家の作品の変遷を時代順に展示し、20世紀美術における異文化のダイナミクスとその問題を例証する現代作品群の形式的、概念的な発展を追うことで、1950年代から1990年にかけての現代インドの複雑なプロジェクトや、グローバル化した現代の創造空間を定義する問題を理解するための参考資料とするものと公式ページで説明されています。
展覧会公式動画
現在、ラザの作品は、サンノゼ美術館、パリ市立近代美術館、ニューデリー国立美術館などに加え、日本では福岡アジア美術館に所蔵されています。近場にお住まいでご興味を持っていただけた方はぜひお出かけください。
(しんざわ ゆう)
展覧会公式ページ(英語)
ポンピドゥーセンター公式ページ(英語)
BBC サイード・ハイダー・ラザ ドキュメンタリー動画(英語)
●本日のお勧め作品はオノサト・トシノブです。
オノサト・トシノブ
《作品》(黒とグレー)
1958年
水彩
18.8x28.2cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊
S.H. Raza サイード・ハイダー・ラザ (1922-2016)
Centre Pompidou
読者の皆様こんにちは。桜が咲いて散って若葉が芽吹き、北では雪が、南では雹が降る今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。窓を開け放して寝るとまだまだ肌寒いものの、それはそれで布団に包まって暖を取るのに都合が良いスタッフSこと新澤です。

本日ご紹介するのは、来月の15日までポンピドゥーセンターにて開催中の「S.H. Raza (1922-2016)」です。その名の通り、ジョナス・メカスと同じように2022年に生誕100年を迎えたインドの作家、サイード・ハイダー・ラザ(Sayed Haider Raza、1922-2016)が、パリに定住した1950年から2011年までに制作した約100点の作品を展示する回顧展です。
1948年にムンバイのアトリエで撮影されたポートレート写真。Photo credits : Adagp, Paris, 20231922年2月22日、インドのバルバリアに生まれ、ナグプール美術学校、ボンベイのサーJ.J.美術学校で学び、1950年から1953年までパリの国立高等美術学校で学んだラザは、同世代のインド人画家の中で最も著名な画家の一人として知られています。1950~60年代はフランスやインドの風景や都市景観を描いた具象画を多く描き、その作風はやがてヒンドゥー教や仏教の密教思想に通じる同心円や幾何学模様を用いた、オノサト・トシノブに似た抽象画へ至りました。1947年に設立されたBombay Progressive Artists' Group(P.A.G.)の初期メンバーの一人だったラザは、当時インド美術に強い影響のあったヨーロッパのリアリズムから脱し、インド独自の観念であるアンタルギャンを取り入れようとしました。
展示中のビンドゥ(点)を題材とした作品の一部。Photo Credit: Bertrand Prévost今展覧会は作家の作品の変遷を時代順に展示し、20世紀美術における異文化のダイナミクスとその問題を例証する現代作品群の形式的、概念的な発展を追うことで、1950年代から1990年にかけての現代インドの複雑なプロジェクトや、グローバル化した現代の創造空間を定義する問題を理解するための参考資料とするものと公式ページで説明されています。
展覧会公式動画
現在、ラザの作品は、サンノゼ美術館、パリ市立近代美術館、ニューデリー国立美術館などに加え、日本では福岡アジア美術館に所蔵されています。近場にお住まいでご興味を持っていただけた方はぜひお出かけください。
(しんざわ ゆう)
展覧会公式ページ(英語)
ポンピドゥーセンター公式ページ(英語)
BBC サイード・ハイダー・ラザ ドキュメンタリー動画(英語)
●本日のお勧め作品はオノサト・トシノブです。
オノサト・トシノブ《作品》(黒とグレー)
1958年
水彩
18.8x28.2cm
サインあり
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●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
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