画廊では「秋のコレクション展」を明日28日まで開催中ですが、実は次回企画「小石川植物祭2023/命名~牧野富太郎へのオマージュ」の準備と重なって足の踏み場もない状況であります。
来廊された方はびっくりされていますが、出品作家のおひとり大塚理司先生は生け花の古流かたばみ会の家元であり、今回は竹を大量に運び込み、画廊の玄関で作品を編み上げています。
編み上げた作品は空中に吊るすらしい。
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さて本日ご紹介するのは「秋のコレクション展」より、瑛九の珍しい具象の油彩画「室内」。




瑛九《室内》
1944年 ボード紙に油彩
28.1×23.3cm
裏にもイメージ(描き込み)あり、タイトルと年記あり
額の裏に久保貞次郎による保証書あり
*山田光春編・瑛九油彩レゾネ(私家版の写真アルバム)No.126

瑛九は1940年代前後に抽象から
「もう一度印象派からやり直す」と宣言し、具象作品(主に風景や人物)に取り組みました。
一般的には瑛九の抽象画、特に晩年の点描作品の高額評価に比し、具象画の評価は低く、市場に出てきても抽象画の半分はおろか10分の1にも満たないこともあります。
しかし今回ご紹介するのは「印象派風」ではありますが、その色彩の美しさは類を見ません。
保存状態もよく、ときの忘れものが扱ってきた作品の中でもとびきりの佳作です。
1940年代の具象絵画を代表し、色彩画家としての瑛九の面目躍如と思います。

ちょうど瑛九が晩年を過ごした浦和で11月12日に「シンポジウム 瑛九再考」が開催されますので、ご案内します。
2023年11月12日シンポジウム瑛九再考
浦和区内にある瑛九の九アトリエの活用方法について考えます。
登壇者:山田志麻子(うらわ美術館)、吉岡知子(埼玉県立近代美術館)、浅見俊哉、三浦匡史、若林祥文、松永康
呼びかけ人:渋谷和良、中村茉貴、野口敬、早坂拓紀
開催期日:2023年11月12日(日) 14:30~16:30
会場:浦和コミュニティセンター第14集会室(コムナーレ10階)
参加費:無料
主催:さいたま国際芸術祭実行委員会
https://artsaitama.jp/events/0lwth5oazvb/

◆「秋のコレクション展」開催中
会期:2023年10月17日(火)~28日(土) ※日・月・祝日休廊
魔法陣1200
画廊コレクションから写真、油彩、オブジェ、版画など選りすぐりの佳品をご覧いただきます。瑛九の油彩を一点展示しますが、初公開の佳品です。
写真:アジェマン・レイ植田正治ロベール・ドアノー奈良原一高エドワード・ウエストン
油彩・水彩:オノサト・トシノブ草間彌生瑛九
オブジェ:宮脇愛子若林奮菅井汲
版画:駒井哲郎恩地孝四郎長谷川潔ソニア・ドローネーオディロン・ルドン

【クボテーって誰? Vol.2 
久保貞次郎 魔術師、奇術師たちとの出会い ヘンリー・ミラー 瑛九 靉嘔】

会期:2023年10月14日[土]~10月28日[土] *日曜休廊
主催:久保貞次郎の会
協力・会場:ストライプハウスギャラリー
2023年10月久保展DM表面2023年10月久保展DM宛名面跡見短大の教え子たちが発起人となり、2018年に『久保貞次郎の会』を発足し久保先生の顕彰活動を展開しています。
ときの忘れものの綿貫令子も教え子の一人として世話人を務めています。
昨年に続き展示作品を入札によって頒布します。入札リストをご希望の方は、遠慮なくお申込みください。

●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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