こんにちわ、スタッフMのレポートをお送りいたします。
横須賀美術館の「瑛九 ―まなざしのその先に―」展へ、2024年9月14日(初日)に行ってまいりました。
京浜急行電鉄「浦賀」駅からバスにゆられ15分で終点「観音崎」。そこから海沿いを歩いて5分ほどで美術館に到着します。都心からだと片道2時間はかかりますが、美術館の目の前はオーシャンビューで風が通り抜けて気持ちがいいです!
横須賀美術館は建築家・山本理顕先生による設計で美しいです。
レストランも美味しいのでみなさん必ず寄ってください。(お昼時は待ち時間があるので早めのランチがおすすめ)
横須賀美術館

●「瑛九 ―まなざしのその先に―」
2024年9月14日 (土) ~ 2024年11月4日 (月)
※休館日 10月7日(月)
会場:横須賀美術館
本展については、担当の栗林陵先生にもブログエッセイを執筆いただきましたのでこちらもお読みください。

チラシ(表)
20240921182003_00001
チラシ(裏)
20240921180751_00001

横須賀美術館 瑛九展 (1)横須賀美術館の屋外「瑛九展」看板。

横須賀美術館 瑛九展 (3)展覧会の入り口。

横須賀美術館 瑛九展 (4)最初の展示室は、初期の1920年・1930年代に制作された油彩やフォト・デッサン、フォト・コラージュが並ぶ。

横須賀美術館 瑛九展 (5)瑛九フォト・デッサン集「眠りの理由」10点組。東京国立近代美術館蔵。

IMG_9521「眠りの理由」の表紙。

IMG_9525奥の部屋へ進むと、1940年代から1950年前半の油彩が並んでいます。

横須賀美術館 瑛九展 (6)次の部屋にはフォト・デッサン。

横須賀美術館 瑛九展 (8)フォト・デッサンに使われた型紙も展示されています。

横須賀美術館 瑛九展 (7)雑誌「アトリエ」1955年2月号に掲載の「フォト・デッサンー印画紙を使うデッサン」には湯浅英夫さん旧蔵のフォト・デッサンも掲載されています。

横須賀美術館 瑛九展 (9)細江英公先生が撮影したフォト・デッサン制作中の瑛九の写真。(中央)

横須賀美術館 瑛九展 (10)瑛九がスパッタリングに使用したであろう歯ブラシと金網。

横須賀美術館 瑛九展 (11)1953年~1954年に描かれた油彩の抽象画。

IMG_9547銅版画も展示されています。

横須賀美術館 瑛九展 (12)来場者の方が立ち止まっているのはリトグラフの名作《旅人》。

横須賀美術館 瑛九展 (13)右の壁にある幅3メートルを超える大作は《カオス》。東京都現代美術館蔵。真岡の久保貞次郎先生宅の蔵の外壁を飾るために制作されたものです。

横須賀美術館 瑛九展 (14)右は、ときの忘れものが埼玉県立近代美術館へ納めた《手》。

横須賀美術館 瑛九展 (15)1950年代後半の名品が並びます。眼福。

横須賀美術館 瑛九展 (16)左は《れいめい》東京国立近代美術館蔵。コレクション展でみなさんおなじみの絵ではないでしょうか。右は《空の目》宮崎県立美術館蔵。今回の展覧会の出品作品約100点のうち半分以上を宮崎県立美術館から借りてきたそうです。

横須賀美術館 瑛九展 (17)

横須賀美術館 瑛九展 (18)

横須賀美術館 瑛九展 (19)瑛九が使っていた絵具、パレット、筆。

横須賀美術館 瑛九展(19.5 (1)

横須賀美術館 瑛九展(19.5 (2)

横須賀美術館 瑛九展 (20)最後の部屋。左は瑛九の絶筆《つばさ》宮崎県立美術館蔵。私は2021年に宮崎県立美術館で開催された「生誕110年記念 瑛九展-Q Ei 表現のつばさ-」で《つばさ》を見てから久しぶりの再会でした。右は《雲》埼玉県立近代美術館蔵。

横須賀美術館 瑛九展 (23)初日には宮崎県立美術館の小林美紀先生の講演会がありましたので聴講させていただきました。
講演会には30名くらいが参加。瑛九の一生を一時間ほどお話しいただきました。
宮崎県立美術館は全収蔵作品数4,257点のうち985点が瑛九作品なのだそうです。スケッチや資料類を入れるとそれ以上あるそうです!

横須賀美術館 瑛九展 (24)右から二番目が小林美紀先生。左から二番目の背を向けているのは聴講されていた梅津元先生。

小林先生によると瑛九がラジオに出演したテープが存在するはずだがテレビ局を探しても見つからないそう。瑛九の肉声は一度聞いてみたいですね。
元・池田満寿夫美術館学芸員の中尾美穂さんも聴講にいらっしゃっていました。瑛九の影響からか池田満寿夫はエスペラント語で福井の人に手紙を送っていたことがあるそうです。ですが池田満寿夫と瑛九はお互いのために距離を置くため絶交していた時期があるとか。二人の関係にも興味がわきます。
小林先生は「瑛九の作品を次の世代へ引き継いでいきたい」とのことで講演会を締めくくられました。

横須賀美術館 瑛九展 (22)見逃してしまう方もいるかもしれませんが、横須賀美術館の野外には若林奮作品《Valleys(2nd stage)》が設置されているのでこちらもぜひご覧ください。

会期は11月4日までですので、もう1か月を切っています。
ぜひみなさんお休みの日は横須賀へ行ってみてはいかがでしょうか。
スタッフM

●「瑛九 ―まなざしのその先に―」展図録
20240924174255_00001B5版変形 159頁
発行:2024年9月 横須賀美術館
執筆:小林美紀(宮崎県立美術館)
栗林陵(横須賀美術館)
2,200円(税込み)
ご購入はこちらから。
ときの忘れものでも扱っています。

松本竣介展の図録を刊行しました(1,100円+送料250円)。
松本竣介展カタログ表紙『松本竣介展』図録
発行:ときの忘れもの
発行日:2024年10月4日
サイズ:25.7×18.2cm
カラー 24P
図版:松本竣介作品13点
執筆:弘中智子(板橋区立美術館学芸員)
   大谷省吾(東京国立近代美術館副館長)
編集・デザイン:柴田卓
価格:1,100円(税込) 送料:250円

●パリのポンピドゥーセンターでブルトンのシュルレアリスム宣言100年を記念して「シュルレアリスム展」が開催されています(~2025年1月13日まで)。ときの忘れものは同展に協力し瀧口修造のデカルコマニーを貸し出し、出展しています。展覧会の様子はパリ在住の中原千里さんのレポート(10月8日ブログ)をお読みください。
カタログ『SURREALISME』(仏語版)を特別頒布します。
サイズ:32.8×22.8×3.5cm、344頁 22,000円(税込み)+送料1,500円
IMG_8014

●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。